出逢えた幸せ

ずーちゃ

文字の大きさ
上 下
261 / 351
Extra3:幸せのいろどり ―透side―

(26)*

しおりを挟む
 紅く色づいて硬くなった尖りを舌でねっとりと転がしながら、直くんのニットとシャツを脱がせて、自分もシャツを脱ぎ捨てる。ほぼ同時に直くんが、両腕を俺の首に回してきた。

「透さん、キス……」

 言葉を最後まで言い終わらないうちに、直くんの方から唇を重ねてくる。

 熱く濡れた舌を咥内で縺れ合わせ、口端から零れた唾液を舐め取って、また角度を変えては、何度も何度も貪りあう。

 キスをしながら少し身体を離して、お互いにボトムも下着も脱ぎ捨てて、また抱き合ってキスをする。

 俺が直くんの耳朶を食めば、直くんは俺の首筋を舐めあげる。

 それはまるで、お互いが必要だと、求め合っているようで……。

 直くんの汗ばんだ身体をきつく抱きしめて、都合のいい錯覚だと自分に言い聞かせる。

『今だけ』の関係に、『それ以上』を求めてはいけないと。快楽だけを追って、直くんの下肢に手を伸ばした。

 まだ今夜が2度目の直くんのそこに、猛り切った熱を押し当てて、ねじ込んでいく。

「……っ、ああ、ッ……」

 直くんの整った顔が、苦痛に歪む。

「大丈夫? 痛かったら、もう少し解そうか」

「――ん、ん、大丈夫だから……、全部挿れて……」

 潤んだ瞳に見上げられて、そんな風に言われると……。

「……っ、」

 直くんのそんな言葉が、俺の下で揺さぶられながら首にまわしてくる腕が、――快楽だけじゃなくて、直くんもそれ以上の関係を求めてくれてるんじゃないかと、また淡い期待をしてしまうのに。

「あ、っ、……ああ、っ」

 揺さぶられながら声を漏らしている直くんの脚が、不意に俺の腰辺りに絡んでくる。

「……気持ちいい? 直……」

「――っん、気持ち、いい……」

 脚を絡めて密着させた身体を一気に反転させて、直くんの方が俺の上へと体勢が変わる。

 上から俺を見下ろす直くんの額から、汗の雫が落ちてきた。

「俺、上になってもいい?」

 事後報告をしてくる直くんに、思わず笑ってしまう。

「……もうなってるよ」

 二人で顔を見合わせて笑って、そして直くんが腰を揺らし始めた。

 ――それでいい、もっと快楽を求めて、今だけを愉しめばいい。

「……あ、……あ、あっ」

 腹に付く程に勃ち上がった直くんの半身を扱きながら下から突き上げると、直くんは背中を反らせて甘い喘ぎ声を漏らす。

 柔らかい明るい茶色の髪が揺れて、部屋の薄い灯りに透けて綺麗だ、なんて、見惚れていた。

しおりを挟む
B L ♂ U N I O N

感想などお待ちしております。
★メール★clap★res
感想 380

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ハルとアキ

花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』 双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。 しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!? 「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。 だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。 〝俺〟を愛してーー どうか気づいて。お願い、気づかないで」 ---------------------------------------- 【目次】 ・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉 ・各キャラクターの今後について ・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉 ・リクエスト編 ・番外編 ・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉 ・番外編 ---------------------------------------- *表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) * ※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。 ※心理描写を大切に書いてます。 ※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

Promised Happiness

春夏
BL
【完結しました】 没入型ゲームの世界で知り合った理久(ティエラ)と海未(マール)。2人の想いの行方は…。 Rは13章から。※つけます。 このところ短期完結の話でしたが、この話はわりと長めになりました。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

ヤンキーDKの献身

ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。 ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。 性描写があるものには、タイトルに★をつけています。 行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。

思い出して欲しい二人

春色悠
BL
 喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。  そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。  一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。  そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

処理中です...