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Extra3:幸せのいろどり ―透side―
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快感に身を委ねて、感じるままに声をあげて、潤んだ瞳で俺を見上げて――手を伸ばす。
その手に俺の指を絡めて、目尻から零れる涙を舌で掬う。
最初は興味本位で、女の子と経験豊富な直くんがどんなセックスをするのか……なんて、抑えきれない衝動に駆られて、手を出してしまったけど。
相手は10歳も年下の男の子で……手を出すべきではないと頭では分かっていた。
途中で止めることも出来たのにそこで止めなかったのは、触れているうちに俺の方が嵌ってしまったから。
大人びたふりをして精一杯背伸びをする直くんを、本当は不安なのにそれでも求めてくる直くんの事を、いつの間にか愛おしいと感じていた。
今日初めて出逢ったばかりの男同士で……そこに愛なんて、ある筈はないと思っていたのに。
きっと直くんにとっては、ただ流されてしまっただけで、男の俺の事を本気で好きになるはずないと、分かっている。
――だけど……。
それなら、このまま快楽に流されて、俺に抱かれた事を忘れられなくなってくれたら……。
愛なんて、永遠に続くはずのないものだけど、それでも今だけでも……。
痛みも快楽も全て忘れられなくなればいい。なんて思ってしまう。
誰にも穢されたことのない、その蕾をこじ開けて、男の欲をねじ込んでいく。
何か言いかけた直くんの唇をキスで塞いで「大丈夫だから……」と、不確かな言葉を甘く囁きながら。
痛みに整った顔が歪み、身体を硬く強張らせ、侵入を拒むように締め付けてくる。
「なお……っ、力抜いて」
強張らせた身体に舌を這わせて、胸の突起を甘噛みすれば「は…… ぁあ……」と、熱い息を吐き出して、強張った筋肉が少しだけ弛む。
直くんの下腹部に手を伸ばして、痛みで萎えたそこに刺激を送り続けた。
「あ……っあ……は……っ」
前への刺激で、直くんが気持ち良さそうに反応を見せた事に安堵して、更にゆっくりと腰を進めていく。
入り口のキツさに、長い息を吐いた。
「き……つい……ッ」
思わず言葉を漏らせば、下から俺を見上げる直くんと目が合った。
――――また……苦い記憶が頭を過ぎる。
苦痛に歪んだ直くんの顔が、昔の自分と重なってしまう。
どうしようもなく後ろめたさが 襲ってくるけれど、それを振り払うように細い腰をぐっと引き寄せて、直くんの最奥へ一気に男の欲望を突き入れた。
その手に俺の指を絡めて、目尻から零れる涙を舌で掬う。
最初は興味本位で、女の子と経験豊富な直くんがどんなセックスをするのか……なんて、抑えきれない衝動に駆られて、手を出してしまったけど。
相手は10歳も年下の男の子で……手を出すべきではないと頭では分かっていた。
途中で止めることも出来たのにそこで止めなかったのは、触れているうちに俺の方が嵌ってしまったから。
大人びたふりをして精一杯背伸びをする直くんを、本当は不安なのにそれでも求めてくる直くんの事を、いつの間にか愛おしいと感じていた。
今日初めて出逢ったばかりの男同士で……そこに愛なんて、ある筈はないと思っていたのに。
きっと直くんにとっては、ただ流されてしまっただけで、男の俺の事を本気で好きになるはずないと、分かっている。
――だけど……。
それなら、このまま快楽に流されて、俺に抱かれた事を忘れられなくなってくれたら……。
愛なんて、永遠に続くはずのないものだけど、それでも今だけでも……。
痛みも快楽も全て忘れられなくなればいい。なんて思ってしまう。
誰にも穢されたことのない、その蕾をこじ開けて、男の欲をねじ込んでいく。
何か言いかけた直くんの唇をキスで塞いで「大丈夫だから……」と、不確かな言葉を甘く囁きながら。
痛みに整った顔が歪み、身体を硬く強張らせ、侵入を拒むように締め付けてくる。
「なお……っ、力抜いて」
強張らせた身体に舌を這わせて、胸の突起を甘噛みすれば「は…… ぁあ……」と、熱い息を吐き出して、強張った筋肉が少しだけ弛む。
直くんの下腹部に手を伸ばして、痛みで萎えたそこに刺激を送り続けた。
「あ……っあ……は……っ」
前への刺激で、直くんが気持ち良さそうに反応を見せた事に安堵して、更にゆっくりと腰を進めていく。
入り口のキツさに、長い息を吐いた。
「き……つい……ッ」
思わず言葉を漏らせば、下から俺を見上げる直くんと目が合った。
――――また……苦い記憶が頭を過ぎる。
苦痛に歪んだ直くんの顔が、昔の自分と重なってしまう。
どうしようもなく後ろめたさが 襲ってくるけれど、それを振り払うように細い腰をぐっと引き寄せて、直くんの最奥へ一気に男の欲望を突き入れた。
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