出逢えた幸せ

ずーちゃ

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Extra2:Moonlight scandal

(48)*

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「なっ?! 拗ねてなんかないってば!」

 思わずムキになって否定してしまった。けど、透さんは楽しそうに「はいはい」って笑いながら、また泡の付いた手を背中に滑らせる。

「そうやっ、て……、いつも、俺のこと、子供扱いするんだか……ひゃぁっ!」

 掌と肌の間で泡を挟むように、優しすぎる力加減で弱い脇腹から腋の下へと滑っていくから、くすぐったくて、つい高い声をあげてしまう。

「くすぐった……ぁっ」

 ――これって、もう洗ってるって言わないんじゃ……?!

 抗議したくても、今度は胸から首筋へと這い上がった手に顎を捕らえられて、肩越しに唇が重なる。

 口唇の熱を感じてしまえば、俺は無意識に目を閉じる。だけど透さんは、上唇を一度だけ食んで離れていってしまう。

 薄く目を開けると、湯気で曇った鏡に薄っすらと二人の影が映っていた。

「直くん……」

 耳元で甘い声で囁いて、泡を纏った掌を肩から腕へと滑らせる。

「分かってるよ」

「……何、を?」

 訊き返せば、優しく微笑んでいる透さんと鏡の中で視線が絡んだ。

「直くんの、言いたいこと」

「…… え?」

 腕を撫でていた透さんの手は、俺の左手を取って、指を一本一本丁寧に洗っていく。

「子供扱いしてるつもりは、ないけどね?」

 話している間も、透さんの指が、俺の指の間に滑り込んで柔らかく行き来する。

「でもね、急いで大人になろうとする必要ないよ」

 親指で掌をゆっくりと擽るように撫でられると、柔らかくて甘い刺激が気持ち良くて。

「……ふ、っ……」

 我慢していた声が小さく漏れてしまう。

「気持ちいい?」

 耳元に甘い声で訊かれて、素直に頷く俺……。って、そうじゃなくって!

 何も考えられなくなりそうな思考を、なんとか呼び戻す。

「……っ、でもっ、俺、いっつも透さんに甘えてばっかで……もっと……」

 考えがまとまらなくて、そこで言葉が詰まってしまう。

「今は、甘えてくれたら良いんだけどな。俺はそれが嬉しいんだから」

 俺の掌を弄っていた透さんの指が、今度は腹から胸の方にゆっくりと上がってきて、ぞくぞくと全身が粟立っいく。

 そして泡の付いた指先で、二つの胸の突起を弄ぶように転がされたら……もう……。

「あ、っ……」

 ボディソープでぬるぬるとした感触が、硬く尖った乳首を何度も滑り、そこから快感が広がって身体が熱く火照っていく。

 頭の芯がぼうっと痺れて、もう本当に何も考えられなくなってしまいそう。

「直くん……」

 耳朶を食んで、あの甘い声で名前を囁かれると、優しい痺れが耳から全身を伝って、力が抜けてしまう。
 
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