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Extra2:Moonlight scandal
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「……は、ぁ……、何か、スポーツして……たの?……高校の、時……とか、みっきが先輩って、部活同じだったとか?」
耳殻から中へと滑るように熱い舌が這い、反対側の耳も指先で優しくなぞられて、言葉に吐息が混じってしまう。途切れ途切れにそう訊けば、透さんの動きが、ふっと止まった。
みっきーは透さんの高校の先輩って言うのは知ってるけど、学年は2年離れているのに、そういえば、どういう接点があって知り合いだったんだろうと、今更ながら思って訊いてみたんだけど……。
「……透さん?」
こんな時に、みっきーの名前を出すのは、やっぱり駄目だったかなって、心配になって透さんの表情を窺うようにそっと見上げた。
「……水泳部だったんだよ。俺も、光樹先輩も」
そう言って、透さんは何でもなかったように、唇を軽く重ねた。
――水泳部かぁ~~~~。
………え?
……すいえいぶ?!
「と、とおるさんっ」
「……何?」
思わず上体を起こした俺を、透さんが不思議そうな顔で見詰めている。
――だって、だって!
水泳部と訊いて、俺の頭に過ぎったのは……。
「……競泳用の水着とか着てたの?」
この、セクシーな身体を惜しげもなく、ギャラリーに見せていたと言うのか?
「……うん。そうだけど? 直くん?」
――ああっ……俺、もう鼻血出そう……。
「透さん、あのピッチピチの水着、着ていたの?」
「……ん、まぁ……、そうだけど」
――やばい……マジやばい。何がって俺が!
俺の脳裏に浮かぶ競泳水着を着けた透さんの姿が……あまりにエロくて!
「俺も……透さんと一緒に泳いでみたい……」
思わず言ってしまっていた。
決して透さんの水着姿が見たいとか、そんなんじゃなく、……多分、そんなんじゃなくて、いや、見たいけど……。
「やっぱり、どっかに旅行とか行けないかなぁ」
透さんの仕事が忙しくて、この夏は盆休みもお預けで……。だから、旅行の計画とか全然なくて。
週末の休みでさえ、きっちり取れていない状態で、こんな事を言ったら透さんを困らせるだけだって、分かっているつもりなのに。
つい……、言ってしまった。
「ごめんね、直くん」
ほら……、
透さんが、すごく申し訳なさそうな顔をしてるじゃん。
「……透さんが謝ることないよ! 俺こそ、分かってるのに、困らせてごめんなさい」
なんか、自分がとんでもなく子供じみた事を言ってしまった気がして。
恥ずかしさを隠すために、透さんに抱きついて、その肩に顔を埋めた。
「……直くん?」
透さんは、宥めるように俺の肩をポンポンと軽く叩いて、抱きついてる俺の腕をやんわりと解く。そして優しい眼差しで視線を合わせてくる。
「泊まりで何処かに行くのは難しいかもしれないけど、泳ぎに行くだけなら、今度フィットネスクラブにでも一緒に行く?」
「え? いいの?」
透さんが会員になっているフィットネスクラブは、結構高級そうな感じなんだけど。
「うん、申し込めば体験利用とかで一日自由に使えるし、行ってみる?」
「わっ、まじ? 行く! 行く! 行ってみる!!」
すっごい嬉しくって、透さんに抱きついて、そのままおもいっきりベッドに押し倒してしまう。
「わっ、直くん?」
そして、驚いている透さんの顔に、チュッチュッと音を立てながらキスの雨を降らせまくっていた。
耳殻から中へと滑るように熱い舌が這い、反対側の耳も指先で優しくなぞられて、言葉に吐息が混じってしまう。途切れ途切れにそう訊けば、透さんの動きが、ふっと止まった。
みっきーは透さんの高校の先輩って言うのは知ってるけど、学年は2年離れているのに、そういえば、どういう接点があって知り合いだったんだろうと、今更ながら思って訊いてみたんだけど……。
「……透さん?」
こんな時に、みっきーの名前を出すのは、やっぱり駄目だったかなって、心配になって透さんの表情を窺うようにそっと見上げた。
「……水泳部だったんだよ。俺も、光樹先輩も」
そう言って、透さんは何でもなかったように、唇を軽く重ねた。
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……すいえいぶ?!
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「……何?」
思わず上体を起こした俺を、透さんが不思議そうな顔で見詰めている。
――だって、だって!
水泳部と訊いて、俺の頭に過ぎったのは……。
「……競泳用の水着とか着てたの?」
この、セクシーな身体を惜しげもなく、ギャラリーに見せていたと言うのか?
「……うん。そうだけど? 直くん?」
――ああっ……俺、もう鼻血出そう……。
「透さん、あのピッチピチの水着、着ていたの?」
「……ん、まぁ……、そうだけど」
――やばい……マジやばい。何がって俺が!
俺の脳裏に浮かぶ競泳水着を着けた透さんの姿が……あまりにエロくて!
「俺も……透さんと一緒に泳いでみたい……」
思わず言ってしまっていた。
決して透さんの水着姿が見たいとか、そんなんじゃなく、……多分、そんなんじゃなくて、いや、見たいけど……。
「やっぱり、どっかに旅行とか行けないかなぁ」
透さんの仕事が忙しくて、この夏は盆休みもお預けで……。だから、旅行の計画とか全然なくて。
週末の休みでさえ、きっちり取れていない状態で、こんな事を言ったら透さんを困らせるだけだって、分かっているつもりなのに。
つい……、言ってしまった。
「ごめんね、直くん」
ほら……、
透さんが、すごく申し訳なさそうな顔をしてるじゃん。
「……透さんが謝ることないよ! 俺こそ、分かってるのに、困らせてごめんなさい」
なんか、自分がとんでもなく子供じみた事を言ってしまった気がして。
恥ずかしさを隠すために、透さんに抱きついて、その肩に顔を埋めた。
「……直くん?」
透さんは、宥めるように俺の肩をポンポンと軽く叩いて、抱きついてる俺の腕をやんわりと解く。そして優しい眼差しで視線を合わせてくる。
「泊まりで何処かに行くのは難しいかもしれないけど、泳ぎに行くだけなら、今度フィットネスクラブにでも一緒に行く?」
「え? いいの?」
透さんが会員になっているフィットネスクラブは、結構高級そうな感じなんだけど。
「うん、申し込めば体験利用とかで一日自由に使えるし、行ってみる?」
「わっ、まじ? 行く! 行く! 行ってみる!!」
すっごい嬉しくって、透さんに抱きついて、そのままおもいっきりベッドに押し倒してしまう。
「わっ、直くん?」
そして、驚いている透さんの顔に、チュッチュッと音を立てながらキスの雨を降らせまくっていた。
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