出逢えた幸せ

ずーちゃ

文字の大きさ
上 下
153 / 351
第四章:想う心と○○な味の……

(51)*

しおりを挟む
 縺れ合うようにベッドに倒れ込み、転がりながら交互に体の位置を入れ替えてキスを繰り返す。

 俺が上になって僅かに唇を離せば、後頭部に回った手に引き寄せられて、また深く唇が重なる。

 お互いの熱い息を混じらせながら、俺は透さんの下肢へ手を伸ばして、もう既に硬く反り返っている猛りに指を絡めて、ゆっくりと上下に動かした。

「……ん……っ」

 重ねた唇の隙間から、漏れ聞こえてくる透さんの吐息が、俺を煽る。

 名残惜しく唇から離れて、体を下へとずらしていき、熱を帯びた透さんの屹立に唇を寄せた。

 蜜口を舌でなぞると、先走りの雫がとめどなく溢れてくる。
 
 裏筋からカリの部分に舌で愛撫して、それから一気に奥まで咥えると、「……なお……っ、」と、余裕の無い声が俺を呼ぶ。
 
 透さんのを咥えたまま上目遣いに見上げると、眉根を寄せて、艶っぽい漆黒の瞳で見詰め返された。

「……直、向こう側を向いて」

 俺の前髪を梳くように撫でながら、艶然とした笑みで言われたら逆らえない。

 言われた通りに、仰向けになった透さんに跨って身体の向きを変えれば、後ろから腰を掴まれて引き寄せられた。

 顔が熱いのは、羞恥からなのか、それとも興奮しているからなのか。

 分かんないけど、目の前の 先走りと俺の唾液で濡れそぼった透さんのモノを再び口に含む。

 舌を絡めながら上下させる事に集中していると、不意に後孔に触れた柔らかくて濡れた感触に、背中が粟立った。

「あぁ……っ……はっ……」

 先端を尖らせた舌を後孔に挿し入れられて、俺は快感の声を我慢出来ずに、透さんのモノが唇から外れてしまう。
 
「俺のも、気持ち良くしてくれるんじゃなかったの?」

 透さんの舌の刺激と同時に前も扱かれたら、とてもじゃないけどその行為を続ける事なんか出来なくなってしまう。気持ち良すぎて!

「……、あっ……ぁッ、だって……は……ぁ」

 抗議しようとする声も、甘い喘ぎに変わってしまう。

 さっきまで、俺の方が優勢だと思っていたのに、もうすっかり透さんのペースに戻ってしまっていた。

「……ッぁ、」

 長い指が、唾液に濡れた後孔に入ってくる感覚に、少しの痛みとこの先への期待に身体が震えた。

「……痛い?」

 少し心配そうな声が後ろから聞こえてくる。

「……ん、だいじょーぶ」

 そう応えたけど、久しぶりだからなのか緊張からなのか、やっぱりちょっと痛いかも。

「ちょっと待って」

 そう言うと、透さんは俺の体の下から抜け出して、ベッドサイドチェストの引き出しからボトルを取り出して、蓋を開けながらキスをくれる。

「今度は俺が、直をいっぱい気持ち良くしてあげるよ」

 そう言うと、透さんは口角をあげて微笑んだ。

 トンっと、軽く肩を押されて、俺の身体はあっけなくベッドの上に仰向けになってしまう。

 大きくM字に脚を開かされて、ヌルッとした感覚と共に、透さんの長い指が挿ってきた。

「……あっ……んんッ……」

 抑える事ができずに漏れてしまう声は、透さんの唇で塞がれる。

 甘くて官能的なキスをくれながら、身体の奥へと狭い路を解していく。

「あぁ……ッ、とおる、さんっ」

 俺の敏感な場所を知り尽くしている透さんの指がその場所を掠めるだけで、身体を突き抜けるような快感に襲われた。

 中で指が動くたびに聞こえてくる湿った水音が、徐々に大きくなっていく。

 すごく恥ずかしいのに、同時に腰の奥が熱く疼き始めていた。

 透さんは中を解しながら、首筋、鎖骨と、唇を段々下へと移動させていく。

 胸の尖りを唾液を纏った舌先で嬲られたら……俺もう、身体中が熱くて蕩けてしまいそう。

「あ、あ……、とおるさん、も、挿れて……、早くひとつになりたい」

 早く透さんと繋がりたい、ひとつになりたい、俺の中を透さんでいっぱいにしたかった。

「俺も……、早く直とひとつになりたい」

 漆黒の瞳は甘く濡れて、俺を求めてくれる。

 情欲だけでなくて、お互いが相手を想う気持ちに溢れている。

「透さん、好き、愛してる」

 それは、自然に出た言葉だった。
しおりを挟む
B L ♂ U N I O N

感想などお待ちしております。
★メール★clap★res
感想 380

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ハルとアキ

花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』 双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。 しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!? 「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。 だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。 〝俺〟を愛してーー どうか気づいて。お願い、気づかないで」 ---------------------------------------- 【目次】 ・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉 ・各キャラクターの今後について ・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉 ・リクエスト編 ・番外編 ・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉 ・番外編 ---------------------------------------- *表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) * ※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。 ※心理描写を大切に書いてます。 ※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

Promised Happiness

春夏
BL
【完結しました】 没入型ゲームの世界で知り合った理久(ティエラ)と海未(マール)。2人の想いの行方は…。 Rは13章から。※つけます。 このところ短期完結の話でしたが、この話はわりと長めになりました。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

ヤンキーDKの献身

ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。 ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。 性描写があるものには、タイトルに★をつけています。 行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。

思い出して欲しい二人

春色悠
BL
 喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。  そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。  一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。  そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

処理中です...