出逢えた幸せ

ずーちゃ

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第三章:身体と愛と涙味の……

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「なーお、入れただけでイッちゃったね。気持ち良かった?」

 身体に覆いかぶさるように耳元に唇を寄せて、みっきーが囁く。

「俺も……直の中、気持ち良いよ」

 俺は達した後の気怠さの中で、みっきーの声をぼんやりと聞いていた。

 そんな俺を、みっきーは情欲に濡れた瞳で見下ろして、ふっ、と、口角を上げる。

「放心状態のとこ悪いけど、動くよ?」

「……あ、」

 ――そうだった……。

 みっきーのを受け入れただけで、俺はイッちゃったわけだけど、みっきーのは、まだ俺の中にいるわけで……て、事は……。

 上から見下ろしたまま、みっきーは、最初はゆっくりと律動を始める。

「ん、あッ……、待っ……」

 イったばかりで敏感になっている身体には、刺激が強すぎる。

「……悪いけど、待てないよ」

 徐々にその動きが早くなり、力の入らない身体は、みっきーの律動のリズムに合わせてただ揺さぶられていた。

 また、前立腺を狙って抉るように突いてくる。

「ああッ、あ、……ッン」

 何度もそこを攻められて、また追い詰められていく。

「あ、あっ、ソコばっか、やッ、だ……ッ」

 頭の中が、真っ白になっていく。

「なーお、なんで嫌なの?」

「ん、あ、……ッ、な、んか、変……だっ、し……」

「どんな風に、変なの?」

 腰をグラインドさせながら俺の中を掻き回して、何度もそこを攻め立てられて怖いくらいの快感に襲われた。

「あ、ああッ、ーーッ、も、なんッ……狂いそっ、だからッ」

「んじゃ、もっと狂っちゃえ」

 そこを狙って腰を打ち付けて、抽送が激しくなっていく。

「あ、あっ、ああっ、やっ、また……イキそ……っ」

「イキなよ、直」

 そこを突かれる快感が、徐々に身体に広がって全てが侵されていく。

「――ッ、あ、あ、……ッ」

 みっきーの肩に縋ろうと伸ばした手が届かずに宙を切り、力なくシーツに落ちた。

「なーお、こっちだけでイケたね」

 絶頂の余韻が抜けなくて、耳元に囁かれただけで敏感に快感を拾ってしまう。

 ――こっち……?

 みっきーの言った言葉の意味を、すぐに理解することはできなかった。

「ほら、直のここは、まだイッてないよ」

 ――え? でも、今……確かに……。

 さっき、今まで経験したことのないくらいの絶頂を味わったはずなのに……。

「ドライオーガズム。後だけで感じちゃったんだよ」

 ――後だけで? ……ドライ?

「直は素質があるって事かな。ある程度は、透さんとやらに開発してもらってたからかもね」

 朦朧とした頭で、みっきーの言葉を追うけど意味が分からない。

「射精しないで後ろだけで感じて、女の人みたいに何度もイク事ができる……」

 言われても、今ひとつ理解出来ない。

 だけど、みっきーがゆっくりと腰を動かし始めると、そんな思考もストップしてしまった。

「ほら、いつもより敏感になってない?」

 囁いて、胸の尖りに少し触れられただけで、快感が背中を駆け上がった。

 身体中をまさぐる手に、鋭敏に反応してしまう。

 俺の片足を肩に担いで、より一層深く突いて、みっきーは律動を速めていった。

「あ、あ、ッ……あ、あ、も、また……ッ」

 激しく揺さぶられて、あの感じる部分を擦られて、押し寄せる絶頂に何度も襲われる。

 熱の籠った息を吐きながら薄く目を開ければ、額に汗を滲ませて俺を見つめる切れ長の瞳と目が合った。

 俺の中で、みっきーのが波打って、また大きくなったのを感じる。

 ……その時、どこかで俺の携帯のメールの着信音が鳴った。

 ――透さん専用に使っているメロディー……。

 胸の奥が、トクン……と震える。

「出る?」

 みっきーに訊かれて、小さく首を横に振った。

「……メールだから……、後でいい」

 みっきーが「そ?」と、言いながら微笑んで、律動を再開する。

「俺もそろそろ限界っぽい……」

 少し余裕なさげな声が聞こえた途端、ギリギリのところまでみっきーのが引き抜かれていく感覚に、思わず吐息が漏れる。

「……ん、ぅ……ッ」

 次の瞬間、身体の最奥へ一気に貫かれた。

「あ、あああッ、あーーーッ」

 明らかにデカくて長い、みっきーのモノに突き上げられて、悲鳴に近い声を上げて、それを締め付けてしまう。

「あ、あ、あ、……まッ、みっ、きッ……激しすぎ……っ」

 容赦なく最奥を打ち付けられて、同時に射精を促すようにみっきーの手が俺の双珠を揉みしだき、蜜口を弄られて吐射感が込み上げる。

「ん、あッ、ダメッ……みっき……、いくっ……」

 みっきーの汗が、俺の頬に落ちてくる。

「俺も、……く……ッ」

 俺が、自分の腹や胸の上に白濁を放ったのと、身体の奥に熱が広がるのを感じたのは、ほぼ同時だった。

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