出逢えた幸せ

ずーちゃ

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第二章:迷う心とタバコ味の……

(26)*

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「……ンッ……」

 唇を重ねたままシートをゆっくりと倒されて、透さんの舌が咥内に滑り込んでくる。歯列をなぞり上顎を撫でて、俺の舌を甘く絡め捕る。

「……ッ……ふ……ぅ……ン」

 咥内の感じるところを、知り尽くしたように愛撫されて、くらくらと眩暈がした。

 重ねた唇の隙間から、湿った吐息が漏れてしまう。

 角度を変えて更に深く翻弄されて、唾液が口端から零れて顎を伝い落ち、スクエアネックの大きく開いた胸元を濡らしている。

 最後にぺろっと唇を舐めると、透さんの舌は胸元に移動していく。流れた唾液を拭うように舐め上げられて、ぴくんと身体が跳ねた。

「綺麗だな」

 胸元まであるウィッグを梳くように後ろへ流しながらそう言うと、鎖骨を甘噛みする。

「……あッ……」

 ツキンと小さな痛みと共に全身が粟立って、もう既に俺の下半身は硬く形を変えていた。

 耳朶を甘噛みして、先端を尖らせた舌で耳の中を愛撫しながら、透さんの長い指が胸元の編み上げた紐を解いていく。

 編み上げが緩んだせいで、できた隙間から透さんの長い指が、滑るように挿し入れられた。

「……ンッ、あッ」

 胸の突起を指の腹で撫でられて、短く高い声をあげてしまう。

 透さんは、運転席から助手席の方に体を更に近づけて、覆いかぶさるようにキスをしてきた。

 インパネシフトだから、透さんの体が殆ど助手席側に移動してきて距離が近くなった。

 透んさんは、軽く啄ばむように口づけをくれながら、背中に回した手でゆっくりとファスナーを下ろしていく。

「……ぁ、や……」

 ──こんな所で……。

 思わず首を振って唇を離すと、透さんは、顎、首筋、胸へと唇を移動させ、露わになった胸の尖りを口に含んだ。

「……は……、あッ」

 刺激され続けるそこは、すっかり尖り紅みを帯びてきて、少し触られただけで敏感になってしまう。

「ゃ……」

 透さんの腕の中で身じろいで、抵抗しようとした声は、弱々しく消えていってしまう。

 胸に舌を這わせながら、透さんの手がスカートの裾の大きく割れているスリットから入って、太ももから内股へと撫で上げられたから。

「スカート、エロいね」

 クスッと笑いながら、そんな恥ずかしいことを甘い声で囁かれて、さらに顔が熱くなった。

 スカートの中で動く手は、下着の上から俺の中心を包み込んでくる。

「……ぅ……ぁッ、ダメ……ッ」

 スカートの中に手を入れられている事への羞恥と、それとは逆に感じる快感に背中が粟立ち、身を捩った。

 車の中とはいえ、誰かが外を通ったら……と思うのに、下着の上からでなく直接触って欲しくて、思わず腰が浮く。

「……可愛いね、直」

 耳元でそう囁きながら息を吹きかけて、耳の溝を舌で辿られる。

「あ……ッ……ん!」

 弱いところへの刺激に、まだ下着の上からしか触られていない半身は焦れったさを感じながら熱く疼いた。

「どうして欲しいの?」

 透さんが、意地悪くそんな恥ずかしいことを訊いてきて、車の中でこれ以上は、誰かに見られそうでヤバいと思っているのに……、それでも触って欲しくて堪らなくなってしまって……。

「ち……ちょくせっつ……触って……、ほしッ」

「了解」

 透さんは、ニッと口角を上げると、分量の多いコットン素材のティアードスカートを、腰の辺りまでたくしあげる。

 下着をずらして俺の半身を取り出すと、長い指を絡めて上下に扱き出した。

「――は、ぁ……、やッ……、あ」

 待ち望んだ刺激に喘ぎ声が漏れてしまうのを止めることができなくなってしまう。

 フワフワと腰の辺りで溜まっている生地の向こう側で、俺の半身が蜜口から先走りを溢れさせて、透さんの手でヌルヌルと扱かれているのが見える。

 その光景があまりにも卑猥で、恥ずかしくて目を瞑った。

 ……すると突然、熱く猛った半身に、手とは違う濡れた感触を感じて目を開けると、スカートの向こうで、俺のそこに舌を這わせている透さんの顔が見えた。

 
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