出逢えた幸せ

ずーちゃ

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第二章:迷う心とタバコ味の……

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 透さんにとって、これが遊びなら、それでもいい。

 ただ気持ちいいことをしたいだけなら、俺もいっしょ。今まで幾度も女の子と、そういう事あったじゃないか。

 だから、何も悩む必要もないんだ。

 それなら、お互いにもっと気持ちよくなれるように、余計なこと考えなければ……今が楽しければそれでいいじゃないか。

 熱く濡れた舌が咥内で縺れ合い、口端から零れた唾液を透さんが舐め取っていく。

 もっと深くと、角度を変えては、お互いの唇を貪った。

 キスをしながら少し身体を離して、お互いにボトムも下着も脱ぎ捨てて、また抱き合ってキスをする。

 透さんが俺の耳朶を食めば、お返しとばかりに、俺は透さんの首筋に舌を這わせた。

 お互いを激しく求め合う、恋人同士のようにも思えるし、ただ快楽を求め合う、ゆきずりの情事のようにも思える。

 どっちでもいいや。

 どっちでもいいなら、俺は……。

 透さんに、きつく抱きしめられて、お互いの汗ばんだ肌がぴったりと合わさると、胸の奥から熱くて、どうしようもなく切ない感情が込み上げてくる。

 愛されているような、愛しているような。

 それはきっと錯覚だけど、今だけでも。そう思いたいような……そんな気がしていた。

 入りやすいように、自分から脚を開けば、透さんの手が後孔を割り開き、熱く濡れた先端を埋め込んでくる。

 そこに受け入れるのは、今夜が2度目。

 1度目よりはラク。 だけどまだ少し辛くて、思わず力が入ってしまう。

「……っ、ああ、ッ……」

「大丈夫? 痛かったら、もう少し解そうか」

 優しい言葉に、胸の奥の感情が表に出てしまいそうで、それが痛みよりももっと苦しい。

「――ん、ん、大丈夫だから……、全部挿れて……」

 早く、何も考えられないくらいにして欲しかった。

 俺の気持ちに応えてくれるように、透さんが身体の奥へと挿ってくる。

「んッ……あぁっーー!」

 苦しくて、でも熱くて、ぞくぞくして、透さんの首にしっかりとしがみ付いてしまう。

 奥まで全部埋め込んだところで、透さんは熱の籠った吐息を零した。

 たとえ、これが遊びでも、透さんが感じてくれているのが嬉しい。

「あ、っ、……ああ、っ」

 揺さぶられる動きに合わせて声を漏らしてしまう俺を、透さんは優しくて切ない瞳で見下ろしていて……。

「……気持ちいい? 直……」

「――っん、気持ち、いい……」

 律動しながら、そう訊いてくる透さんにも、もっと気持ちよくなって欲しいと思った。

 俺は、透さんの腰に脚を絡めて密着させて、一気に身体を反転させた。

 俺が透さんの上へと体勢を変えると、透さんが少し驚いた表情で俺を見上げていた。

 ポタポタと額から汗が落ちて、透さんの頬を濡らしてしまっている。

「俺、上になってもいい?」

 透さんにも気持ちよくなって欲しいって、そのことばかり考えてたから、勝手にこんなことして良かったっけ? って、そう心配になったから訊いたんだけど、透さんは俺の言葉に、クスクスと笑う。

「……もう、なってるよ」

 二人で顔を見合わせて、俺もつられて笑ってしまっていた。

 ゆっくりと腰を揺らせば、透さんの手が俺の半身を包んで上下する。

「……あ、……あ、あっ」

 腰を掴まれて下から突き上げられると、透さんの熱が中を押し上げて、融けてしまいそうに熱くなる。

「……透さん、……あ……っ、あ、……ンッ」

 身体の奥を駆け巡る熱に、透さんに愛されてるのかも……なんて、また考えてはいけないことを考えてしまうけど……。

 それでもいいかな……なんて思い始めてる。

 こうして身体を重ねている時は、お互いに愛を持っていると思い込めば、いいんじゃないかって。

 たとえ、それが遊びだったとしても。


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