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第二章:迷う心とタバコ味の……
(10)*
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「どうぞ」
玄関のドアを開けると、透さんは俺の背中にそっと手を置いて、先に入るように促した。
「お邪魔します」
中に入って靴を脱いでいると、背後でドアが閉まり、鍵をかける音がしたと思った瞬間、突然背中から抱きしめられた。
そのまま壁に押し付けられる。
「……っ」
声を出す隙も与えられずに顎を捕らえられて、顔だけ後ろを振り向く姿勢で、性急に唇を塞がれる。
「…… んんッ……」
激しく唇を貪られながら、急くように脱がされたコートは、ストンと床に落ちて足元に纏わりつく。
重ね着しているニットとシャツの裾から、透さんの手が滑り込んできた。
「……アッ……ふ……ん……ッ」
素早く胸の突起を探り当てた指先に、そこを摘ままれると、重ねた唇の隙間から恥ずかしい喘ぎ声が漏れてしまう。
服の下で弄るように動く手に、咥内を余すところなく愛撫する舌に、腰の奥が熱く疼いてしまう。
透さんは、まだ靴を履いたままで、コートも脱いでいない状態。
俺の脱ぎかけていた靴は、片方だけ玄関のたたきに転がっている。
「とお……るっさ……んんッま……ッ……て……アッ……!」
――――ここ、玄関なのにっ――!
「待てない……」と、言いながら、透さんの手が俺のズボンのベルトにかかる。
「あの……、あのっ、俺、シャワー浴びたい……」
「どうせ、汗かく事するから、後で一緒に入ろう」
そう言いながら、またキスをする。
俺は、どんどん深くなるキスに応えながら、なんとかもう片方の靴を脱ぐ。
きつく抱きしめられた腕の中で、身を捩りながら向き合って、俺も透さんのコートに手をかけて、脱がしていく。
「じゃ、ベッドに行きたい。ここだと外に聞こえそうだし。ね?」
と、今度は透さんのネクタイの結び目を緩めながらお願いしてみた。
「そうだね……」
透さんは、苦笑しながらそう言うと、俺の腰の辺りに腕を巻きつけて、そのままヒョイっと身体を持ち上げて歩き出した。
「うわっ!」
肩に担がれてる感じの体勢。
透さんは寝室のドアを開けて、俺をベッドにゆっくりと下ろすと、そのまま覆いかぶさるように唇を重ねた。
何度も啄ばむようなキスを落とした後、耳元に唇を寄せる。
「直くんに逢いたかった……」
甘い声で囁かれて、ドキンと、心臓が高鳴った。
――俺も、透さんに逢いたかった……。俺はその時、そう言おうとしたんだ……。
だけど……
「早く、こうしたかった。……直くんを抱きたかった」
……え?
――――抱きたかったから、逢いたかったの?
激しいキスを受けながら、頭の中では、透さんの今言った言葉がリフレインしてる。
その間も、熱く濡れた舌が首筋を這い、ニットとシャツを同時にたくし上げ、露わになった肌を食み、透さんは紅い痕を残していく。
勘違いかなって、考えすぎかなって、思うけど……。
やっぱり、そういう事なのかなって思ってしまうと、また少し胸の奥がチクンとする。
それなのに……――
「好きだよ……」と、呟くような声で、甘い言葉が耳に届いた。
心の中で(そんなの嘘だ……)と、自分に言い聞かせながら、俺は透さんの首に腕を絡めてキスを強請る。
「透さん、キス……」
最後まで言葉にするのも、もどかしくて、噛み付くように自分から唇を重ねた。
玄関のドアを開けると、透さんは俺の背中にそっと手を置いて、先に入るように促した。
「お邪魔します」
中に入って靴を脱いでいると、背後でドアが閉まり、鍵をかける音がしたと思った瞬間、突然背中から抱きしめられた。
そのまま壁に押し付けられる。
「……っ」
声を出す隙も与えられずに顎を捕らえられて、顔だけ後ろを振り向く姿勢で、性急に唇を塞がれる。
「…… んんッ……」
激しく唇を貪られながら、急くように脱がされたコートは、ストンと床に落ちて足元に纏わりつく。
重ね着しているニットとシャツの裾から、透さんの手が滑り込んできた。
「……アッ……ふ……ん……ッ」
素早く胸の突起を探り当てた指先に、そこを摘ままれると、重ねた唇の隙間から恥ずかしい喘ぎ声が漏れてしまう。
服の下で弄るように動く手に、咥内を余すところなく愛撫する舌に、腰の奥が熱く疼いてしまう。
透さんは、まだ靴を履いたままで、コートも脱いでいない状態。
俺の脱ぎかけていた靴は、片方だけ玄関のたたきに転がっている。
「とお……るっさ……んんッま……ッ……て……アッ……!」
――――ここ、玄関なのにっ――!
「待てない……」と、言いながら、透さんの手が俺のズボンのベルトにかかる。
「あの……、あのっ、俺、シャワー浴びたい……」
「どうせ、汗かく事するから、後で一緒に入ろう」
そう言いながら、またキスをする。
俺は、どんどん深くなるキスに応えながら、なんとかもう片方の靴を脱ぐ。
きつく抱きしめられた腕の中で、身を捩りながら向き合って、俺も透さんのコートに手をかけて、脱がしていく。
「じゃ、ベッドに行きたい。ここだと外に聞こえそうだし。ね?」
と、今度は透さんのネクタイの結び目を緩めながらお願いしてみた。
「そうだね……」
透さんは、苦笑しながらそう言うと、俺の腰の辺りに腕を巻きつけて、そのままヒョイっと身体を持ち上げて歩き出した。
「うわっ!」
肩に担がれてる感じの体勢。
透さんは寝室のドアを開けて、俺をベッドにゆっくりと下ろすと、そのまま覆いかぶさるように唇を重ねた。
何度も啄ばむようなキスを落とした後、耳元に唇を寄せる。
「直くんに逢いたかった……」
甘い声で囁かれて、ドキンと、心臓が高鳴った。
――俺も、透さんに逢いたかった……。俺はその時、そう言おうとしたんだ……。
だけど……
「早く、こうしたかった。……直くんを抱きたかった」
……え?
――――抱きたかったから、逢いたかったの?
激しいキスを受けながら、頭の中では、透さんの今言った言葉がリフレインしてる。
その間も、熱く濡れた舌が首筋を這い、ニットとシャツを同時にたくし上げ、露わになった肌を食み、透さんは紅い痕を残していく。
勘違いかなって、考えすぎかなって、思うけど……。
やっぱり、そういう事なのかなって思ってしまうと、また少し胸の奥がチクンとする。
それなのに……――
「好きだよ……」と、呟くような声で、甘い言葉が耳に届いた。
心の中で(そんなの嘘だ……)と、自分に言い聞かせながら、俺は透さんの首に腕を絡めてキスを強請る。
「透さん、キス……」
最後まで言葉にするのも、もどかしくて、噛み付くように自分から唇を重ねた。
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