25 / 351
第二章:迷う心とタバコ味の……
(1)
しおりを挟む
昨夜の寒さが嘘みたいに、今日はポカポカと良い天気だなーなんて、炬燵に足を突っ込んで窓の外の空を眺めていたら、昨日のアレは夢だったんじゃないかって気がしてくる。
「……いててっ……」
だけど体の中に、何となく残る違和感が、俺を現実に引き戻そうとする。
「……で?」
追い撃ちをかけるように、少し苛立った声。
「んーーー?」
「おまえさぁ、何しに来たわけ?」
幼馴染の啓太が、ゲームをしながら、怠そうに俺を横目で見る。
「……だから、クリスマスケーキを一緒に食べようと思って……」
俺は、コンビニで買ってきた、カップに入ったプリンアラモードのプリンを、スプーンで突いて揺らして見せた。
コンビニデザートは、意外と高いんだぞ。奮発したのに……、何の文句があるのかな、啓太は。
「あのなぁ……」
啓太がゲーム機を置いて、まだ開けていないプリンアラモードを手に取って、
「これのどこが、クリスマスケーキなわけ?」と、生意気な事を訊いてくる。
「……だから、さっき言ったじゃん、クリスマスケーキを啓太と一緒に食べようと、昨夜持ってきてやろうと思ったんだけど途中で食べちゃって、仕方ないから、コンビニでこれを買ってきてやったんだって」
「はぁー? おまえ、それ意味不明なんだけど?」
もう、いいけどよ、どうでも……とか言いながら、溜息なんかついてる啓太。生意気だな、オイっ。
「で、その本物のクリスマスケーキとやらは、どこの女と食べたわけ?」
「……」
痛いところを突かれて、思わずギクリとして、言葉に詰まってしまった。
鋭いな…… 啓太。
――『女』、じゃないけどな……。
そう、昨夜俺は確かに……、初めて男に抱かれたんだ。
答えを待つ啓太を余所に、俺は数時間前の事を思い起こしていた。
明るい陽射しをカーテン越しに感じて、目が覚めた。
見慣れない天井が見えて、ゆっくりと部屋の中を見渡した。
『……ここは……』
寝ぼけた頭で昨夜の事を思い出して……。そうだ……、昨夜は透さんの家に来て、俺……。
『透さん?!』
慌てて飛び起きた、次の瞬間、
『――ってぇ!』
腰に痛みを感じて息を詰め、俺はベッドの上で蹲ってしまった。
『ああ……、身体が怠い……』
なんか、後ろも痛い……。
――透さんは……?
透さんが寝ていたはずの場所を触ってみたけど、シーツは冷たくて、時計を見ると昼の12時を過ぎていた。
「……いててっ……」
だけど体の中に、何となく残る違和感が、俺を現実に引き戻そうとする。
「……で?」
追い撃ちをかけるように、少し苛立った声。
「んーーー?」
「おまえさぁ、何しに来たわけ?」
幼馴染の啓太が、ゲームをしながら、怠そうに俺を横目で見る。
「……だから、クリスマスケーキを一緒に食べようと思って……」
俺は、コンビニで買ってきた、カップに入ったプリンアラモードのプリンを、スプーンで突いて揺らして見せた。
コンビニデザートは、意外と高いんだぞ。奮発したのに……、何の文句があるのかな、啓太は。
「あのなぁ……」
啓太がゲーム機を置いて、まだ開けていないプリンアラモードを手に取って、
「これのどこが、クリスマスケーキなわけ?」と、生意気な事を訊いてくる。
「……だから、さっき言ったじゃん、クリスマスケーキを啓太と一緒に食べようと、昨夜持ってきてやろうと思ったんだけど途中で食べちゃって、仕方ないから、コンビニでこれを買ってきてやったんだって」
「はぁー? おまえ、それ意味不明なんだけど?」
もう、いいけどよ、どうでも……とか言いながら、溜息なんかついてる啓太。生意気だな、オイっ。
「で、その本物のクリスマスケーキとやらは、どこの女と食べたわけ?」
「……」
痛いところを突かれて、思わずギクリとして、言葉に詰まってしまった。
鋭いな…… 啓太。
――『女』、じゃないけどな……。
そう、昨夜俺は確かに……、初めて男に抱かれたんだ。
答えを待つ啓太を余所に、俺は数時間前の事を思い起こしていた。
明るい陽射しをカーテン越しに感じて、目が覚めた。
見慣れない天井が見えて、ゆっくりと部屋の中を見渡した。
『……ここは……』
寝ぼけた頭で昨夜の事を思い出して……。そうだ……、昨夜は透さんの家に来て、俺……。
『透さん?!』
慌てて飛び起きた、次の瞬間、
『――ってぇ!』
腰に痛みを感じて息を詰め、俺はベッドの上で蹲ってしまった。
『ああ……、身体が怠い……』
なんか、後ろも痛い……。
――透さんは……?
透さんが寝ていたはずの場所を触ってみたけど、シーツは冷たくて、時計を見ると昼の12時を過ぎていた。
5
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

Promised Happiness
春夏
BL
【完結しました】
没入型ゲームの世界で知り合った理久(ティエラ)と海未(マール)。2人の想いの行方は…。
Rは13章から。※つけます。
このところ短期完結の話でしたが、この話はわりと長めになりました。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
ヤンキーDKの献身
ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。
ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。
性描写があるものには、タイトルに★をつけています。
行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる