19 / 351
第一章:聖夜と生クリーム味の……
(18)*
しおりを挟む
――ベッ……ベッド!?……それってやっぱり、あれだよね? 最後までやるよ? って事だよね?
透さんは、驚いてる俺の表情を確かめるように見つめて、「ね?」と、にっこり笑う。
俺は、何も言えずに、こくりと頷くことしかできなかった。
そして、俺を軽々と抱いたまま、するりとリビングを出て、すぐ隣にあるドアを開ける。
薄暗い部屋に入ると、ダブルサイズのベッドが目に入った。
――やっぱり覚悟を決めるしかないような……。
この期に及んでも、まだ往生際の悪い事を考えている俺をベッドに下ろし、透さんはベッドサイドの灯りを点けた。
黄色い穏やかな光が、ベッド周りを淡く浮かび上がらせる。
透さんは俺の隣に座ると、もう既に殆ど肌蹴ている俺のシャツを脱がせていく。
スッと、首筋から腹にかけて掌で滑るように触れられると、ゾクッとした感覚が身体に走った。
「……ん……」
思わず声が漏れてしまう。
「綺麗だね」
そう言いながら透さんは、唇に優しいキスをくれる。
――綺麗なのは、透さんの方じゃん。
深いキスを交わしながら透さんの手が下へと下りて、小さく金属音を立てながら、ゆっくりとベルトが外されていく。
そのままジーンズのボタンが外されて、ファスナーに手がかかる。
「……透さん」
キスの合間に、俺は透さんのシャツの胸に両手を這わせながら囁いた。
「透さんも脱いで」
透さんは、少し驚いた顔をしたけど、すぐに目を細めて口角を上げる。
「煽るね……」
そう言って、自分のシャツのボタンを外そうとしている。
「待って、俺が脱がせてあげる」
俺はその手を退けて、透さんのシャツのボタンに手をかけた。
上から一つずつボタンを外していくと、透さんの綺麗な白い肌が少しずつ露になっていく。
すっと真っ直ぐに伸びた鎖骨が艶っぽい。
俺は気持ちがどんどん高ぶって、ボタンを外す指が僅かに震えてしまっていた。
襟の辺りから両手を滑らせて、シャツに隠れている肌に直接触れた。
痩せていると思っていた身体は、程よく筋肉がついていて、しなやかで美しい。
肩から腕へ、掌でその形を味わいながら、俺は透さんのシャツを脱がせて床へと落とした。
「……直くん……」
透さんは、俺の耳元にキスを落として「煽り過ぎだ……」と囁いた。
耳に熱い呼気が触れ、きつく抱きしめられる。
顎を捕らえられて、ぐいっと少し強引に上に引き上げられて、噛みつくようなキスを仕掛けてくる。
唇ごと食べるように覆われて、激しく舌を絡めてくる。
「……ふッ……は……、っぁ……」
唾液の絡まる水音と、唇から漏れる湿度の高い吐息だけが、部屋の中に響いていた。
透さんは、驚いてる俺の表情を確かめるように見つめて、「ね?」と、にっこり笑う。
俺は、何も言えずに、こくりと頷くことしかできなかった。
そして、俺を軽々と抱いたまま、するりとリビングを出て、すぐ隣にあるドアを開ける。
薄暗い部屋に入ると、ダブルサイズのベッドが目に入った。
――やっぱり覚悟を決めるしかないような……。
この期に及んでも、まだ往生際の悪い事を考えている俺をベッドに下ろし、透さんはベッドサイドの灯りを点けた。
黄色い穏やかな光が、ベッド周りを淡く浮かび上がらせる。
透さんは俺の隣に座ると、もう既に殆ど肌蹴ている俺のシャツを脱がせていく。
スッと、首筋から腹にかけて掌で滑るように触れられると、ゾクッとした感覚が身体に走った。
「……ん……」
思わず声が漏れてしまう。
「綺麗だね」
そう言いながら透さんは、唇に優しいキスをくれる。
――綺麗なのは、透さんの方じゃん。
深いキスを交わしながら透さんの手が下へと下りて、小さく金属音を立てながら、ゆっくりとベルトが外されていく。
そのままジーンズのボタンが外されて、ファスナーに手がかかる。
「……透さん」
キスの合間に、俺は透さんのシャツの胸に両手を這わせながら囁いた。
「透さんも脱いで」
透さんは、少し驚いた顔をしたけど、すぐに目を細めて口角を上げる。
「煽るね……」
そう言って、自分のシャツのボタンを外そうとしている。
「待って、俺が脱がせてあげる」
俺はその手を退けて、透さんのシャツのボタンに手をかけた。
上から一つずつボタンを外していくと、透さんの綺麗な白い肌が少しずつ露になっていく。
すっと真っ直ぐに伸びた鎖骨が艶っぽい。
俺は気持ちがどんどん高ぶって、ボタンを外す指が僅かに震えてしまっていた。
襟の辺りから両手を滑らせて、シャツに隠れている肌に直接触れた。
痩せていると思っていた身体は、程よく筋肉がついていて、しなやかで美しい。
肩から腕へ、掌でその形を味わいながら、俺は透さんのシャツを脱がせて床へと落とした。
「……直くん……」
透さんは、俺の耳元にキスを落として「煽り過ぎだ……」と囁いた。
耳に熱い呼気が触れ、きつく抱きしめられる。
顎を捕らえられて、ぐいっと少し強引に上に引き上げられて、噛みつくようなキスを仕掛けてくる。
唇ごと食べるように覆われて、激しく舌を絡めてくる。
「……ふッ……は……、っぁ……」
唾液の絡まる水音と、唇から漏れる湿度の高い吐息だけが、部屋の中に響いていた。
5
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

Promised Happiness
春夏
BL
【完結しました】
没入型ゲームの世界で知り合った理久(ティエラ)と海未(マール)。2人の想いの行方は…。
Rは13章から。※つけます。
このところ短期完結の話でしたが、この話はわりと長めになりました。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
ヤンキーDKの献身
ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。
ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。
性描写があるものには、タイトルに★をつけています。
行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる