出逢えた幸せ

ずーちゃ

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第一章:聖夜と生クリーム味の……

(15)*

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 舌の裏側から優しく撫でられ、やんわりと吸い上げられて、咥内でお互いの熱が縺れ合い始める。

 思わず逃げを打つ俺の腰に透さんの腕が絡んで、引き寄せられた。

「……っん……ふ……ッ……」

 あまりの突然の出来事に、呼吸をするのも忘れて、段々と息が上がってくる。

 なのに俺は、どうしようもなくこの行為に興奮してきて、唇の隙間から、喘ぐような声が自然に漏れてしまっていた。

 後頭部を引き寄せられて、角度を変えながら更に深く口付けられる。

 今、何が起こってるのかよく分かんなくて、頭の中が混乱して、体中の力が抜けていく。

 ――な……なんか……この人、キス上手い……。

 キスだけでこんなに気持ち良くなるなんて。

 自分が今まで女の子達としてきたキスなんて、ただのガキの遊びだと思い知らされるような……。

 透さんのキスが気持ち良過ぎて、耳に届くお互いの唾液の混じりあう音が淫らに思えて、体の奥に灯ってしまった熱が、堪らなく疼く。

 気が付けば、透さんの舌に応えるように、俺も夢中でその動きを追い、絡めていた。

 長いキスの後────

 漸く離れたお互いの唇を、キラキラと光る唾液が繋げていて……。

 俺をじっと見つめる透さんの瞳は、相変わらず優しいけど、やっぱりどこか妖艶で色っぽい。

 その瞳に釘付けになって、俺は視線を逸らす事も出来ないでいた。

 お互いの目線を絡ませたまま、今度は啄ばむようなキスをされて、透さんの指が俺の首筋を辿るように触れ、降りていく。

 透さんは、片手で俺のシャツのボタンを外しながら、舌で耳殻をねっとりと愛撫する。

「あぁ……ッ……」

 甘い痺れが背骨を駆け上がり、思わず女の子みたいな声を零してしまった。

 恥ずかしいのと、なんか気持ちいいのが混じって、身体中が火照ってる。

「……んん……ッ……あッ……」

 透さんは、耳から首筋、更にはボタンを外されて露になった胸へと、啄むようにキスを落としていく。

 俺は、すぐ側にあったクッションの端を、ギュッと握って、されるがままになっているだけで……。

 真っ白になっていく頭の中で、辛うじて薄っすらと疑問が浮かぶ。

 あれ……?

 ――なんで……なんでこんな事になったんだっけ……。ケーキ食べてただけなんだけど……。

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