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四十八話 やばい焼肉屋

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 『コロコロ焼肉店』は移転を脅威のペースで繰り返し、現在どこに出店しているのか誰も分からないという。
 ホームページも無く、情報はサイコロステーキ専門店との情報しかない。
 コロコロ焼肉店に行った人のインターネットの記事は何故か軒並み削除されるという不可解な事態も起きており、コロコロ焼肉店に入った人は何らかの危険が及ぶとされていた。

 しかし、ジャーナリストの石井隆明氏がコロコロ焼肉店に潜入したことを雑誌の特集で前編後編で分けて公表した。コロコロ焼肉店の真実は世間に瞬く間に広まった。

 ここからは石井隆明氏の雑誌から引用したものになる。

​───────​───────​───────

 コロコロ焼肉店が世田谷区に出店したとの情報提供を受けた我々一行は、ボイスレコーダーを忍ばせ潜入することにした。
 ○○日の午後7時に潜入した。
 コロコロ焼肉店は世田谷区の中心部の閑静な住宅街にぽつんと存在していた。一見すると倉庫のようだが、たしかに小さくコロコロ焼肉店と書かれた看板があった。
 店内に入ると真っ先に違和感を感じた。
 建物の外見と広さが明らかに違うのだ。建物の大きさにあっていない店内。
 唖然とする一行に店員がやってきた。
 黒いエプロンを付けた清潔感のある青年が案内してくれた。
 どうやらこの店は全個室のようだ。靴が並べられている個室があることから他にも客がいることがわかった。
 メニューを見た我々は驚愕した。
 『国産人肉サイコロステーキセット』
 先程からの違和感も相まってどんどん心臓の鼓動が激しくなるのを感じた。
 「ご注文はお決まりですかね?」
 先程の店員が来た。我々は人数分そのセットを頼んだ。
 ドリンクは見たことの無いものばかりで皆水を飲んでいた。
 
 ついに品が届いたのだが、明らかに肉の色が着色されているのだ。遠目で見ると非常に美味しそうなサイコロステーキなのだが、よく見ると何かがおかしい。
 とりあえずサイコロステーキを焼くことに。
 店内BGMのジャズがここまで不気味に感じることはこの先ないだろう。
 
 ついに実食の時。意を決して私は肉を口に入れた。
 「意外と美味いぞ」
 一行も同じような反応だった。
 ジューシーでとろける肉だった。しかし、牛肉とも豚肉ともどの肉にも属さない変な味が微かにする。
 バクバク食っているうちに食べ尽くしてしまった。

 私ともう一人のメンバーでトイレに行った。その時とんでもないものを目撃する。

 
 続きは後編で!

​───────​───────​───────

 しかし、後編が出るのを前に石井隆明氏は不審死を遂げている。
 この一件からコロコロ焼肉店の噂は不自然な程にやんだという。


※この物語はフィクションです
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