幽霊が見たいから百物語を書いてく

四十五話 あの子は？

　生放送番組の年末年始特番でとあるシーンが話題となった。
　そのシーンは芸能人がボケて観客席の様子をカメラが映した時だった。このシーンの後、ネットでは瞬く間に話題となった。
　
　そのシーンにはありえない首の角度でカメラを見ている男児が映ったのだ。
　たった数秒のカットだったが、明らかな異常事態に次のシーンでの芸能人の顔が引きつっていた。
　その後、番組は絶妙な雰囲気のまま終了した。

　番組終了後、ネットでは様々な考察が飛び交った。
　「絶対に生きている人間では無い」
　「○○で行方不明になった子じゃない？」などと幽霊であると考察すると人も入れば、
　「あれは画角的にそう見えただけだ」と否定する人もいた。

　この出来事はかなりの騒動となり、流石にテレビ局も何か声明を出すだろうと考えられていたのだが、不自然な程にテレビ局はこの騒動に関して取り上げなかった。

　
　騒動も人々の頭の中から忘れ去られるくらい経った時、あの時番組に出演していた芸能人があの時のことを突然動画投稿サイトで説明したのだ。

　「もう私は芸能界から姿を消すだろう」
　開口一番芸能人はそう語った。
　「あの少年の正体は、○○殺人事件の被害者だと番組関係者から告げられました。」
　芸能人が言うには番組が終了したあと、出演者全員でお祓いを受けたのだという。
　相当危険な霊が映ってしまったのだという。
　そしてあの霊が何故○○殺人事件の被害者だとわかったのかと言うと、あの番組に出演していた芸能人の一人がなんと殺人事件の犯人であったのだという。
　「世間にはまだ広まっていません。ですが確実にこの先報じられることでしょう。」
　真剣な表情で芸能人は話した。

　最後にこう話して動画は終わった。
　「最後に皆さんには伝えなければならないことがあります。」
　「複数の霊媒師の方曰く、あの少年を見た人はこの先必ず不幸が訪れるということです。お伝えが遅くなって本当にごめんなさい。」






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ネ　タ　切　れ

頑張った