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三十三話 事故から助けてくれた犬
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皆さんは、『営団地下鉄日比谷線脱線事故』をご存知であるだろうか。
詳しい説明は省くが、2000年3月8日に営団地下鉄日比谷線において発生した列車脱線事故。死者5名、負傷者63名を出した事故が発生した。
※この話はフィクションとなります
─────────────────────
その日の朝もいつも通り僕は高校の準備をしていた。
元々僕は高校に行けるかどうかすら怪しいくらい頭が悪かった。しかし、塾の先生や学校の先生が全力でサポートしてくれたおかげで、1年前から見違えるほどに頭がそれなりに良くなった。
とても苦労して入学した高校。新しい友達も沢山でき、勉強と部活もの両立も取れており、文字通り青春真っ只中だった。
電車通学だけは難点だが…。
さて、そろそろ学校へ向かおうかね。
と、思ったらペット黒柴ちゃんが僕の足にかなりの力で噛み付いてきた。
「イッタァァ」
思わず情けない声を出してしまった。
その後も黒柴ちゃんは普段の温厚な様子からは考えられないような行動を繰り返しており、僕は黒柴ちゃんの身に何かやばいことが起きてるのではと心配になり、学校へ行くにも行けず、結局いつもの電車には間に合わなくなってしまった。
普段から余裕を持って行動するようにしているのでそこまで問題は無いのだが、やはり今日の黒柴ちゃんは変だ。
しばらくすると黒柴ちゃんが落ち着いたので、僕は急ぎめに駅へと向かった。
すると、駅は有り得ないほどに混雑していた。
「ただ今、中目黒駅にて脱線事故が発生した為、一部区間で運転を見合わせおります…」
僕は凄く嫌な予感がした。
もしかして、僕が乗る予定だった電車で事故が怒ったのではないか。
僕は駅員さんに聞きに行った。
「あの、事故が起きた電車って何分発ですか?」
やはり、僕が乗る予定だった電車だった。
周りの人達が、『人が亡くなった』とか、『車体がえぐれた』などのことを言っていて、全く現実味がなかった。
この時ふと、黒柴ちゃんが助けてくれたのか?と思うようになった。
学校なんてもう遅刻確定なのだから、僕は急いで家へ帰った。
家へ帰ると、いつも出迎えてくれる黒柴ちゃんがこない。
猛烈に嫌な予感がする。
僕はリビングへ行った。
すると、黒柴ちゃんはぐったりとした様子で寝ていた。
もう息は微かにしているくらい。
「助けてくれてありがとう」
多分聞こえたのだろう、犬でも涙は流すんだね。
詳しい説明は省くが、2000年3月8日に営団地下鉄日比谷線において発生した列車脱線事故。死者5名、負傷者63名を出した事故が発生した。
※この話はフィクションとなります
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その日の朝もいつも通り僕は高校の準備をしていた。
元々僕は高校に行けるかどうかすら怪しいくらい頭が悪かった。しかし、塾の先生や学校の先生が全力でサポートしてくれたおかげで、1年前から見違えるほどに頭がそれなりに良くなった。
とても苦労して入学した高校。新しい友達も沢山でき、勉強と部活もの両立も取れており、文字通り青春真っ只中だった。
電車通学だけは難点だが…。
さて、そろそろ学校へ向かおうかね。
と、思ったらペット黒柴ちゃんが僕の足にかなりの力で噛み付いてきた。
「イッタァァ」
思わず情けない声を出してしまった。
その後も黒柴ちゃんは普段の温厚な様子からは考えられないような行動を繰り返しており、僕は黒柴ちゃんの身に何かやばいことが起きてるのではと心配になり、学校へ行くにも行けず、結局いつもの電車には間に合わなくなってしまった。
普段から余裕を持って行動するようにしているのでそこまで問題は無いのだが、やはり今日の黒柴ちゃんは変だ。
しばらくすると黒柴ちゃんが落ち着いたので、僕は急ぎめに駅へと向かった。
すると、駅は有り得ないほどに混雑していた。
「ただ今、中目黒駅にて脱線事故が発生した為、一部区間で運転を見合わせおります…」
僕は凄く嫌な予感がした。
もしかして、僕が乗る予定だった電車で事故が怒ったのではないか。
僕は駅員さんに聞きに行った。
「あの、事故が起きた電車って何分発ですか?」
やはり、僕が乗る予定だった電車だった。
周りの人達が、『人が亡くなった』とか、『車体がえぐれた』などのことを言っていて、全く現実味がなかった。
この時ふと、黒柴ちゃんが助けてくれたのか?と思うようになった。
学校なんてもう遅刻確定なのだから、僕は急いで家へ帰った。
家へ帰ると、いつも出迎えてくれる黒柴ちゃんがこない。
猛烈に嫌な予感がする。
僕はリビングへ行った。
すると、黒柴ちゃんはぐったりとした様子で寝ていた。
もう息は微かにしているくらい。
「助けてくれてありがとう」
多分聞こえたのだろう、犬でも涙は流すんだね。
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