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三十話 木造アパート
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社会人になり、はや三年が経とうとしていた頃、最近会っていなかった友人が、今度仕事の都合でこちらへ来るということになった。
その際に久しぶりに会うことにした。
「久しぶりー!」
どこかの店で話すのも良かったのだが、友人が私の部屋を見たいと言ってきたので、古い木造のアパート(部屋は綺麗)で話すことになった。
友人が玄関に足を踏み入れた途端ぶるっと震えた。
「どうしたの?」
「なんでもないよ」
若干の違和感を覚えたが、久しぶりに会ったことで話まくっていた。
しかし、その時も友人は私が台所へ行ったり、寝室へ行ったりすると必ず後ろを着いてきた。
どうしたの?と聞いても、「うへへ」としか言わなかった。
話している最中も、友人は不自然な格好で座っていたりとおかしなところが多々あった。
また、友人がトイレに行った時、私が部屋に一人でいると、台所の方から微かに「ギィー」と壁に爪を立てて引っ掻いている音が聞こえた。
だが、この音は以前から聞こえていたので特に気にしなかった。
時間が来て友人は帰って行った。
その後、私は慢性的な倦怠感に襲われた。
朝起きると体がとてつもないほど重く、日常生活にも支障が出そうな位だった。
ある夜、私はふとあの友人が霊感持ちだったことを思い出した。
家に来た時の不自然な行動がもしかしたら関係あるかもしれないと思い、私は嘘をつくことにした。
「もしもし?」
『もしもし?どうしたの?』
「あのさぁ、実は家引っ越したんだよねぇ」
『本当に!?良かった!あの家耳から上がない女がいたんだよー。』
「え?」
『アンタがまだ住んでたから言えてなかったんだけど、あの時もずっと私のそばに居たんだ。』
「そ、そうだったんだ。」
『何はともあれ良かったよ!あの家は本当にやばかったからさ』
「ギィー、ギィー」
私、まだ住んでるのに…。
その際に久しぶりに会うことにした。
「久しぶりー!」
どこかの店で話すのも良かったのだが、友人が私の部屋を見たいと言ってきたので、古い木造のアパート(部屋は綺麗)で話すことになった。
友人が玄関に足を踏み入れた途端ぶるっと震えた。
「どうしたの?」
「なんでもないよ」
若干の違和感を覚えたが、久しぶりに会ったことで話まくっていた。
しかし、その時も友人は私が台所へ行ったり、寝室へ行ったりすると必ず後ろを着いてきた。
どうしたの?と聞いても、「うへへ」としか言わなかった。
話している最中も、友人は不自然な格好で座っていたりとおかしなところが多々あった。
また、友人がトイレに行った時、私が部屋に一人でいると、台所の方から微かに「ギィー」と壁に爪を立てて引っ掻いている音が聞こえた。
だが、この音は以前から聞こえていたので特に気にしなかった。
時間が来て友人は帰って行った。
その後、私は慢性的な倦怠感に襲われた。
朝起きると体がとてつもないほど重く、日常生活にも支障が出そうな位だった。
ある夜、私はふとあの友人が霊感持ちだったことを思い出した。
家に来た時の不自然な行動がもしかしたら関係あるかもしれないと思い、私は嘘をつくことにした。
「もしもし?」
『もしもし?どうしたの?』
「あのさぁ、実は家引っ越したんだよねぇ」
『本当に!?良かった!あの家耳から上がない女がいたんだよー。』
「え?」
『アンタがまだ住んでたから言えてなかったんだけど、あの時もずっと私のそばに居たんだ。』
「そ、そうだったんだ。」
『何はともあれ良かったよ!あの家は本当にやばかったからさ』
「ギィー、ギィー」
私、まだ住んでるのに…。
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