上 下
18 / 51

十八話 赤色の日記帳

しおりを挟む
 これはある日記帳を買ったものの話なのだが…



 「うわぁ!綺麗!」
私は骨董品店巡りを友達としているのだが、ある店でとても綺麗な日記帳を見つけた。鮮やかな赤色で、値段は百五十円。買うか買わないかなんて考えもしなかった。
「あ、ああ。これね…」
「ん?何か?」
「なんでもないよ…」
私がお会計をすると店員さんの表情が非常に曇った。とても嫌な予感がしたが、私はそんなことよりもこの魅力的な日記帳をじっくり眺めていたいと思っていた。

 家に帰って日記帳を見てみるとやっぱり綺麗。いつまでも見ていられるくらい綺麗。
 早速私は日記帳に今日の出来事を書き込んだ。

『3月9日。今日から日記を書くことにしました!綺麗な赤色の日記帳を見て一目惚れしちゃった!』

 日記を書き込んで私は就寝した。


 翌日の朝、私は少し寝坊をしてしまって慌ただしい一日の始まりになってしまった。だが、机の上に置かれている日記帳を見ると不思議と元気が出てくる。
 私は何気なく日記帳をカバンに入れ職場へと向かった。

 「新しく日記帳買ったんだ!」
私は同僚に日記帳のことを話そうとカバンから取り出した。
「これ、綺麗でしょ」
「何か言葉にし難い色だね…」
「どうゆう?」
「いや、凄い血の色みたいな鮮やかさだなって」
「やめてよぉ」
 冗談だと思った。同僚のことだからと私は気に留めずに日記帳を開いた。すると、昨日描いた内容に赤色の字で、書き加えられていた。
『とっととシネ』

 私はその日記帳を投げ捨てた。









​───────​───────​───────
倦怠感が酷いんですよね。
あとこの話を書いている最中に勝手にSiriが反応してまじでビビりました…。
少しづつ何かが迫ってきているのかも?
また次回もお楽しみに!
しおりを挟む

処理中です...