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一話 ワスレモノ

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私の中学校では、恐ろしい噂があります。



数年前のある日、定期考査を目前にしている時のことでした。
とある少女が学校にテスト勉強で使うワークを忘れてしまったのです。

夜の八時を過ぎた頃、少女は忘れ物を取りに学校へ行きました。
忘れ物を取って、正面玄関から帰ろうとした時、運悪くシャッターが降りてきてしまったのです。
少女は閉じ込められてしまうと思ったのか、焦って転んでしまったそうです。
最近のシャッターはなにかものが挟まって入れば停止する作りでしたが、当時は古いシャッターでそんな機能がなかったのです。
すると、無慈悲にもシャッターは少女の体を潰していき、遂には足が胴体から切り離されてしまいました。

少女は助けを求めようと声を絞り出したのですが、その声は誰にも気づかれることなく、翌日の朝に発見されたそうです。


その少女の事故が起きてから、うちの学校ではとある噂が囁かれるようになりました。
忘れ物を取りに学校へ行くと、呻き声が聞こえた瞬間、足がない少女がこちらへ来て、足を掴んでくるとのこと。

その噂はいつしか学校中へ広がり、数年たった今でも語り継がれる噂になったのです。

ですが、噂は私が中学校にいる間にどんどん聞かなくなり、ほとんどの人が忘れていたと思います。

息が白くなるような季節になったある日、私は家に帰って学校に忘れ物をしてしまったと気づきました。
外は既に暗くなっていましたが、どうしても取りに行かなければならない宿題だったので、やむを得なず学校へ向かいました。

学校に着き、しっかり事務員さんに訳を話して忘れ物を取りに行くのを許可されました。
一応小さなあかりはついてはいるのですが、中々夜の学校を一人で歩くのは怖いです。
教室に着いて忘れ物を取り、帰ろうとした時でした。

「ヴヴ。」
呻き声のような声が聞こえてきました。
直感的にやばいと思い、全力で走り出しました。
すると、後ろから何かが来る気配がしました。

ふと、後ろを覗くと足がない少女が廊下を張って追いかけてきていたのです。
どんどん距離が縮まっていき、少女は私の足を掴んで来ました。
「ワスレモノ、チョウダイ」

それはもう怖かったです。
無我夢中になって走りました。
事務室へ着き、事務員さんに起きたことを話すと、「そういうこと、あるんだよね」とだけ言ってどっかへ行ってしまいました。

この出来事から数日経った時、私の足に異変が起きました。
なんととてつもなく赤く腫れ上がっていたのです。
病院へ行きましたが、原因は分からず。
腫れはしばらく続きました。


その後、忘れ物があっても絶対に取りに行かなくなりました。






本当に百話話したら幽霊見れるのかな?
ゆっくりと更新していきますのでお楽しみに~。
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