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視聴者プレゼント
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「はーい、今日の配信はおしまいだよー。またねー。」
私は櫻井 京子23歳。VTuberをしている。
なぜ私がVTuberを職業にしているのかと言うと、それはとあるVTuber事務所の社長から声をかけてもらったからだ。
その時私は、就職に失敗して途方もなく面接に向かっていた時だった。
「君、こういうのには興味無いかい?」
そう言いながらタブレットの画面を見せてきたのは、今所属している社長だった。
私は二つ返事ですぐにVTuberを始めることにした。
とは言ったものの、私自身パソコンを使ったことがほとんどなく、かなり苦労した。
社長や事務所がサポートしてくれたおかげで何とか始めることができた。
このような経緯があり、今は登録者が100万人を超えるような大手VTuberになってきた。
しかし、最近は悩み事がある。
それは視聴者からのプレゼントだ。
私の事務所では何かがあっても対応出来るように、視聴者からのプレゼントは事務所に届くようになっている。
所属VTuberは視聴者からのプレゼントを受け取るのか受け取らないのか、決めることができる。
私は一応受け取るようにはしているが、届いたプレゼントを見るようなことは滅多にしない。見るとしても一年に数回あるかないかだ。このことはもちろん視聴者には秘密である。
私がプレゼントを一定期間見ずに放置すると事務所が中身を確認して廃棄する決まりになっている。すると、スタッフから「プレゼントの件でご相談があります」と連絡が来た。
事務所に向かうと、神妙な面持ちのスタッフが伝えずらそうに話し出した。
「このプレゼントをみていただきたいのですが…」
そこには変哲のないクッキーが置かれていた。可愛く装飾された箱に解かれたリボンがそばにおいてあった。
「私も中身を見ようとは思っていなかったんです」
「はぁ」
「これが中身です」
私はクッキーを見て仰天した。そのクッキーには、恐らく男性の陰毛が入っていた。
「気持ち悪い…。差出人は分からないんですか?」
「それが、どうやら直接事務所に届けられているみたいで住所が分からないんですよ。」
気持ち悪すぎて私は鳥肌が止まらなかった。その後、私は視聴者からのプレゼントを受け取るのを辞めることにした。
あのクッキーを見てから三ヶ月が経とうとしていた時、アレは突然きた。
「これって…」
コンビニに夜食を買いに行こうとして、家の扉を開けると、すぐ側に見覚えのある包装された箱があった。
私はその箱を手に取った瞬間、人の目線を感じたような気がして、つい箱を落としてしまった。
「ベチャベチャ」
気色の悪い音を立てて、箱の中身が落とした反動で飛び出してきた。
箱の中身は、缶コーヒー位の大きさの瓶だった。瓶の中からは白濁したドロっとした液体が流れ出ていた。
「気持ち悪い!」
思わず私は叫んでしまった。
「飲んで、くれないの。」
後ろからそう聞こえた気がした。
私は櫻井 京子23歳。VTuberをしている。
なぜ私がVTuberを職業にしているのかと言うと、それはとあるVTuber事務所の社長から声をかけてもらったからだ。
その時私は、就職に失敗して途方もなく面接に向かっていた時だった。
「君、こういうのには興味無いかい?」
そう言いながらタブレットの画面を見せてきたのは、今所属している社長だった。
私は二つ返事ですぐにVTuberを始めることにした。
とは言ったものの、私自身パソコンを使ったことがほとんどなく、かなり苦労した。
社長や事務所がサポートしてくれたおかげで何とか始めることができた。
このような経緯があり、今は登録者が100万人を超えるような大手VTuberになってきた。
しかし、最近は悩み事がある。
それは視聴者からのプレゼントだ。
私の事務所では何かがあっても対応出来るように、視聴者からのプレゼントは事務所に届くようになっている。
所属VTuberは視聴者からのプレゼントを受け取るのか受け取らないのか、決めることができる。
私は一応受け取るようにはしているが、届いたプレゼントを見るようなことは滅多にしない。見るとしても一年に数回あるかないかだ。このことはもちろん視聴者には秘密である。
私がプレゼントを一定期間見ずに放置すると事務所が中身を確認して廃棄する決まりになっている。すると、スタッフから「プレゼントの件でご相談があります」と連絡が来た。
事務所に向かうと、神妙な面持ちのスタッフが伝えずらそうに話し出した。
「このプレゼントをみていただきたいのですが…」
そこには変哲のないクッキーが置かれていた。可愛く装飾された箱に解かれたリボンがそばにおいてあった。
「私も中身を見ようとは思っていなかったんです」
「はぁ」
「これが中身です」
私はクッキーを見て仰天した。そのクッキーには、恐らく男性の陰毛が入っていた。
「気持ち悪い…。差出人は分からないんですか?」
「それが、どうやら直接事務所に届けられているみたいで住所が分からないんですよ。」
気持ち悪すぎて私は鳥肌が止まらなかった。その後、私は視聴者からのプレゼントを受け取るのを辞めることにした。
あのクッキーを見てから三ヶ月が経とうとしていた時、アレは突然きた。
「これって…」
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私はその箱を手に取った瞬間、人の目線を感じたような気がして、つい箱を落としてしまった。
「ベチャベチャ」
気色の悪い音を立てて、箱の中身が落とした反動で飛び出してきた。
箱の中身は、缶コーヒー位の大きさの瓶だった。瓶の中からは白濁したドロっとした液体が流れ出ていた。
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