器用な少年、異世界へ行く

沢煮椀

文字の大きさ
上 下
12 / 65
本編

素材確保

しおりを挟む

コンの上に乗って、森の中を歩く。
何故か行きの時のように霧は出ず、地図(神の視点)を見ながら外を目指していた。

なんで霧が出てこないんだ?

〈マスターが幻獣に認められた為です。この森は幻獣達を守るために霧の結界を張るので、幻獣自体から認められた場合は森も認めた事になり、霧の結界が無くなります。ですので、次に来た場合も霧の結界は張られる事は御座いません。〉

へー、それは丁度いいな。またいつかこの森に来るだろうし、その時に楽になるのはいい事だ。

ーーーーーー5分後ーーーーーー

よーし、やっと外に出れた!森の中は少し薄暗かったからな。ちょっと憂鬱になっていた。
次は…そうだ。武器を作るんだった。

〈マスターその件でお話があります。〉

ん?何?

〈作る武器は剣ではなく、弓にする事をお勧めします。〉

え、どうして?

〈戦闘力が皆無で、尚且つ身体能力系のスキルを所持していないマスターは、剣で戦闘してしまうと、すぐに死んでしまいます。武器がいくら強くても、です。ですので、器用さが取り柄のマスターは弓を作る事をお勧めします。〉

さらっとひどいこと言ったな、今!まぁ全て正論だから言い返せないんだけどさ!
でも糸はどうするんだ?木は南の森でも採れるけど、糸は材料がないから作れないぞ?

〈問題ありません。南の森の中に入ると[フォレストスパイダー]という、蜘蛛型の魔物から手に入ります。〉

へー、そんな所まで考えてたのか。それなら南の森に行くだけでいいな。

「それじゃあ、コン!南の森までひとっ走りしてくれ!」

そしてコンはひと鳴きすると、走り出し、



自分は後ろに吹っ飛ばされた。いや、吹っ飛んだように感じた、という方が正しいだろう。
今何が起こったかというと、
自分はコンの上に乗っている→コン、走り出す→あまりの早さに手を離す→空気抵抗?で吹っ飛ばされる→コン、物凄い早さで走り去っていく。という感じだ。そして、走り去ったコンはというと…

こっちに物凄い勢いで走ってきて、

自分はその勢いで出来た風に吹き飛ばされた。何回吹き飛ばされればいいんだろう…

その後コンは流石に学習したのか、ゆっくり歩いて近付いて来た。
そして、目の前に来ると「クゥン」と鳴き、頭を下げて、尻尾も垂れた。
なんか可愛いから許す事にしよう。
そういえば、ハクさんは幻獣は性能が高いとか言ってたな…なんか、分かった気がする。

〈九尾は俊敏値が非常に高いのでこのようなスピードが出ます。その代わりにかなり戦闘力が落ちます。全ての幻獣がこのようなスピードが出る訳ではないので、ご注意ください。〉

なるほど、幻獣は個体によって特徴が違うのか。覚えておこう。

「それじゃあコン、次はゆっくり走ってくれよ?」

コンの頭を撫でながら言うと、ゆっくりと頷いて、乗る様に促した。自分が背に乗ると、バイクぐらいの早さで走り出した。
うん、この位ならそんなに風は強くない。…というか、ゆっくりでこれなのか…全力出したら物凄いことになりそうだな。

ーーーーーー30分後ーーーーーー
は、早っ。もう着いちゃったよ。まだ数十分しか経ってないんですけど?
しかも、自分で移動してないから全く疲れない。…コン最高だな!早いし、モフモフだし。これからもモフモフしてやろう。

それじゃあ、早速伐採しますか。
ハクさん斧出して。

〈了解しました。〉

よっと……ハクさん、一応聞いておくけど、この森の木って普通に伐採できるよね?

〈問題ありません。この森の中央の方が材質が良いので、そちらの方をお勧めします。一応言っておきますが、ちゃんと伐採出来ます。〉

え、そうなの?それを斧を出す前に言って欲しかったけど…まぁ、自分だけではわからなった事だし、材質がいい方が作りやすさも、出来上がりも変わるから、素直に感謝しよう。

それじゃあ、斧をアイテムボックスの中に入れてっと…ん?今不自然に大きくなった様な?

〈アイテムボックスの大きさは、私の意思で自在に操作できます。〉

あ、さいですか。…ちょっと慣れてきちゃったよ。

それじゃあ気を取り直して、森の中央へ行くか。ちなみに、コンから降りたままだ。

ーーーーーー移動中ーーーーーー

〈マスター、〔神の視点〕に魔物の反応が御座います。〉

え、ほんとに?っていうか〔神の視点〕って本当に細かく見れるんだな。普通の時は、自分の位置しか書いてないんだけど…後で色々実験してみるか。

それより、初魔物だな。その魔物はなんていう名前なの?

〈フォレストスパイダーです。〉

おお、丁度いいな。弓を作る用の糸が取れるらしいから、ついでに倒しておこう。

ってどうやって倒せばいいんだ?武器も何も無いぞ?

〈問題ありません。フォレストスパイダーは、コンでも倒せる程度の強さなので、コンに任せれば倒せます。〉

おお、そうなのか。…おっと、フォレストスパイダー発見。姿は、蜘蛛が少し結構大きくなって、色が緑っぽい色になる感じだ。

「コン、あの蜘蛛を倒してきてくれないか?」

自分がそういうと、コンはビュンッていう音が付きそうな程のスピードで、フォレストスパイダーに突っ込み、

瞬殺した。やった事は、爪で引っ掻いただけだ。しかし、かなりのスピードが乗った一撃は、用意に相手を切り裂き、死亡させた。
自分は帰ってきたコンにありがとうと声を掛け、頭を撫でてやった。

よし、それじゃあ解体を…あれ?なんか光になって消えてしまった。
どこいったんだろう。

〈マスター、死んだ魔物は光となって消えていきます。前に我が神が「魔物解体するのって面倒くさそうだよね。よし、死体は光になるようにして、素材はそこに残そう。」と言って、このような感じになりました。〉

神様…… ちゃんと仕事しようよ…まぁ、魔物を解体するのは確かに面倒くさそうだし、それでいいけどね。
っと、確かに倒したところに糸が残っているな。忘れないように回収してっと。

〈マスター、この糸の説明は聞きますか?〉

ん?いや、いいよ。糸の代わりになるって事が一番の情報だから。これからも素材を手に入れたら、どんなアイテムに使えるかを説明して?

〈了解しました。〉

よし、それじゃあ中央に向かって進むか!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すいません、かなり中途半端ですがここで切らせてもらいます。次回は初の制作回なので、暫しお待ち下さい。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

弓使いの成り上がり~「弓なんて役に立たない」と追放された弓使いは実は最強の狙撃手でした~

平山和人
ファンタジー
弓使いのカイトはSランクパーティー【黄金の獅子王】から、弓使いなんて役立たずと追放される。 しかし、彼らは気づいてなかった。カイトの狙撃がパーティーの危機をいくつも救った来たことに、カイトの狙撃が世界最強レベルだということに。 パーティーを追放されたカイトは自らも自覚していない狙撃で魔物を倒し、美少女から惚れられ、やがて最強の狙撃手として世界中に名を轟かせていくことになる。 一方、カイトを失った【黄金の獅子王】は没落の道を歩むことになるのであった。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?

伽羅
ファンタジー
 転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。  このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。  自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。 そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。 このまま下町でスローライフを送れるのか?

処理中です...