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森の中、二人
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「何者かが、後をつけています」
歩きながら、ヤルノは小さな声でギアンテに話しかけた。ギアンテはそう言われて辺りをキョロキョロ見回すような迂闊な人物ではないが、しかし緊張した面持ちになった。
これでも近衛騎士のイェレミアス警護隊の隊長を務めている。女といえどもその腕は一流。よほどの相手でなければ後れを取ることはないが、今は武装もしておらず、あるのはクロークの内側に隠し持っている刃渡り三十センチほどの短剣のみ。
「少し急ぎますよ」
二人を追う者など想定していなかった。彼らの行動を予測できるものなど居るはずがないからだ。
この国難において、二人は争いを収めるために動いているわけでもなければ、国を手に入れるために暗躍しているわけでもない。
ただただ、逃げているのだ。
すでに王都の主要な通りからは外れ、民家もまばらな郊外を進んでいる。王宮に向かっているわけではない。目指す先はリィングリーツの森。
もし王国の人間がヤルノの凶行に気付いて下手人として追っていたのだとしても、この混乱の中においては王都を離れ、森へと向かうこの二人はまず捨て置くだろう。小康状態とは言え未だ民主化グループは気勢を上げ、王国側は迎撃の準備を進めているからだ。優先度が違う。
二人の目的、それはただこの国から逃げる事のみ。
ヤルノは再度ギアンテにこの国からの脱出を提案した。
王別の儀のおりに同じことを言ったことがあった。しかしその時は、迷いながらもギアンテはその誘いを断った。
あの時はまだイェレミアス王子も生きていた。彼女の陣営は、全てが上手くいくように見えるあの時に船を下りるなどということはあり得なかったのはヤルノにも分かる。
しかしそれでも、肌を重ね合わせ、心も通じ合っているのだとも思っていた。もし彼女がイェレミアスよりも自分を選んでくれたなら、自分を殺すことをためらってくれるのならば……そう思って一縷の望みを託したのだが、その気持ちは見事に裏切られ、そして最悪の結果を招くことになった。
だが今は違う。
王子は死に、王妃は正気を失い、国は滅びかけて、全ての望みを失って絶望の淵にいる彼女に、再度ヤルノは手を差し伸べた。
「救うための手」ではない。「救われるための手」でもない。壊れてしまった半端者同士、互いに支え合い、新しい場所で一から全てを始めたい。そう思って手を差し伸べたのだ。
ヤルノは後をついてくるギアンテの手を強く握った。
(僕は……賭けに勝ったんだ)
この手を決して放さない。そう強く決意した。
愛する人を奪い、使える主を壊し、住む国をボロボロにして、全てを奪ってようやく手に入れた自分だけの宝物。今度こそ、本当に望む物を手に入れたのだ。何があろうともこれを手放さない。何を犠牲にしてでも。
「ギアンテ……」
意識せず、小走りのまま小さく呟いていた。
「なに? ヤルノ……」
それに返すギアンテ。呼んだのは間違いなく彼の名だ。イェレミアスではない。彼は勝利を確信し、そして同時に胸の奥でチクリと何かが痛んだ。
(僕は、何に勝利したんだ……? イェレミアスに?)
結果的にはそうなったのだが、別にイェレミアスに勝利し、彼からギアンテを奪いたいなどという願望は彼にはなかった。
イェレミアスの事は別に嫌いではない。むしろ好きであった。王妃インシュラも同じだ。
彼は心の底から彼女の事を母のように慕っていたし、「母になってほしい」と思っていた。しかし結果として彼の好意はインシュラには受け入れられず、正気を失って今も王宮で涎を垂らしている事だろう。
どちらももう、決して戻ってくることはない。
もし、何か違うやり方をしていたなら、ギアンテも含め、四人で穏やかに暮らせるような未来が、どこかにあったのだろうか。ふと、そんな思いが頭をよぎったのだ。
「犬の鳴き声が、聞こえた気がします」
ギアンテが後ろを振り向きながらそう言った。
彼女だって以前の彼女ではない。
今はヤルノを「ヤルノ」と認識して彼の名を呼んではいるが、しかし最初は彼にこんな口の利き方をしていなかったはずだ。
少し前はヤルノとイェレミアスを混同するか、イェレミアスに対して話しかけるように話していたので少しはマシになったのだろうが、やはり壊れた心というものは完全には元には戻らないのだ。ひびの入った器が元には戻らないように。
時の流れというものは取り返しのつかない事の連続である。今までの自分の行動が、もし違っていたら、などと夢想するだけ時間の無駄ではあるが、思わずにはいられなかった。
「匂いを確認しながら追跡してるんでしょう。引き離してはいるようですが、進路を変えながら逃げても、見失わずに追ってきているように感じます」
町を抜け、民家がぐっと減っていき、それに反比例して木々が多くなってくる。以前にも述べたように「ここからがリィングリーツの森」という明確な区分けはないものの、大分森に近づいてきているのは事実だ。
森に入るとヤルノの感覚は昔を思い出してか、段々と鋭敏になってゆく。追ってくる者の気配を濃厚に感じていた。
「少しゆっくり行きましょう。これじゃ体力が続きません」
そう言って二人は息を整えながら歩き始める。空は白み始めていたが、それにつれて森の中に入っていっているため視界は明るくはならなかった。
「ギアンテは、イェーゲマイステルという人物を知っていますか?」
「狩人の棟梁? 話だけは、聞いたことがありますが」
「キシュクシュのお付きの騎士、僕がリィングリーツ宮の中庭で倒したヒルシェン、彼はイェーゲマイステルの縁者ではありませんか?」
「ああ……」
二人は手をつないだまま木々の間を歩き続ける。今は歩いているが、走るのなら両手は自由にした方が楽であったが、その手をヤルノが決して放そうとしなかったからだ。
「そうです。王宮にコネのあるイェーゲマイステルの孫がその縁で騎士となり、どこかの貴族の元で仕えているとは聞いたことがありますが、それがノーモル公の家だったのかも……」
二人のその姿は、まるで森の中で迷子になって、互いしか頼る者のいない小さな姉弟のようであった。
「ギアンテ」
再び沈黙を通過したのち、ヤルノは先ほど飲み込んだ言葉の先を言う事にした。
「なぜ、人は人を殺してはいけないんでしょうか」
彼の口からそんな質問が飛んでくるとは思いもよらなかったギアンテはぎょっとした表情を見せてしまった。ギアンテは、既にヤルノの告白を聞いて、彼の事は全て聞かされている。しかし全て聞いた上で、なお彼のことが全く分からない、理解できないのだ。ひょっとしたら、この質問への答えを間違えてしまえば、自分が彼に殺されてしまうのではないか、損な恐怖すら脳裏をよぎった。
「勿論、理屈は分かっています。誰だって、自分は殺されたくない。だから互いに「人を殺してはいけない』というルールを作って抑制しているんだと」
答えを待たずしてヤルノは語りだした。
「僕だって、人を殺すのが悪いことだって事は分かっています。だから今日まで、出来るだけそれが露呈しないように隠し通してきた」
社会通念上、殺しは良くない事だ。それは彼も分かっているのだ。
「いつだったか、あなたの前でコルアーレに言いましたよね」
王別の儀でのことだ。ギアンテは記憶の残滓を掘り返す。王子が死ぬ前の事は、もうなんだか遠い昔の事のように感じられた。まるで自分が生まれる前の歴史書でも読んでいるような気分だった。
「あれは僕の本音です。命はかけがえのない、尊いものだという考えは」
到底信じられない。同じ人間の言葉とは思えない。しかし彼女の繋いだ手から感じられるヤルノの体温は、暖かかった。
確かに自分と同じ、しかし少し考え方の違う人間が、語っているのだと、そのぬくもりが教えてくれた。
確かに彼は『仕事』で人を殺す騎士達とは違う。ある意味では彼らよりよほど敬意をもって命に相対しているのかもしれない。
「もしかして僕は、人を殺してはいけなかったんでしょうか」
その問いかけに、ギアンテは答えることができなかった。彼女もまた、人殺しだからだろうか。それも、彼が軽蔑する「仕事で人を殺す」人間だったのだから。
何も答えることができない代わりに、ギアンテはぎゅっと力強くヤルノの手を握った。ヤルノの手は、それに応えるかのように少しだけ強く握り返してきた。
森の中、二人とも、迷っているのだ。
その手を放せば自分を見失ってしまう。
歩きながら、ヤルノは小さな声でギアンテに話しかけた。ギアンテはそう言われて辺りをキョロキョロ見回すような迂闊な人物ではないが、しかし緊張した面持ちになった。
これでも近衛騎士のイェレミアス警護隊の隊長を務めている。女といえどもその腕は一流。よほどの相手でなければ後れを取ることはないが、今は武装もしておらず、あるのはクロークの内側に隠し持っている刃渡り三十センチほどの短剣のみ。
「少し急ぎますよ」
二人を追う者など想定していなかった。彼らの行動を予測できるものなど居るはずがないからだ。
この国難において、二人は争いを収めるために動いているわけでもなければ、国を手に入れるために暗躍しているわけでもない。
ただただ、逃げているのだ。
すでに王都の主要な通りからは外れ、民家もまばらな郊外を進んでいる。王宮に向かっているわけではない。目指す先はリィングリーツの森。
もし王国の人間がヤルノの凶行に気付いて下手人として追っていたのだとしても、この混乱の中においては王都を離れ、森へと向かうこの二人はまず捨て置くだろう。小康状態とは言え未だ民主化グループは気勢を上げ、王国側は迎撃の準備を進めているからだ。優先度が違う。
二人の目的、それはただこの国から逃げる事のみ。
ヤルノは再度ギアンテにこの国からの脱出を提案した。
王別の儀のおりに同じことを言ったことがあった。しかしその時は、迷いながらもギアンテはその誘いを断った。
あの時はまだイェレミアス王子も生きていた。彼女の陣営は、全てが上手くいくように見えるあの時に船を下りるなどということはあり得なかったのはヤルノにも分かる。
しかしそれでも、肌を重ね合わせ、心も通じ合っているのだとも思っていた。もし彼女がイェレミアスよりも自分を選んでくれたなら、自分を殺すことをためらってくれるのならば……そう思って一縷の望みを託したのだが、その気持ちは見事に裏切られ、そして最悪の結果を招くことになった。
だが今は違う。
王子は死に、王妃は正気を失い、国は滅びかけて、全ての望みを失って絶望の淵にいる彼女に、再度ヤルノは手を差し伸べた。
「救うための手」ではない。「救われるための手」でもない。壊れてしまった半端者同士、互いに支え合い、新しい場所で一から全てを始めたい。そう思って手を差し伸べたのだ。
ヤルノは後をついてくるギアンテの手を強く握った。
(僕は……賭けに勝ったんだ)
この手を決して放さない。そう強く決意した。
愛する人を奪い、使える主を壊し、住む国をボロボロにして、全てを奪ってようやく手に入れた自分だけの宝物。今度こそ、本当に望む物を手に入れたのだ。何があろうともこれを手放さない。何を犠牲にしてでも。
「ギアンテ……」
意識せず、小走りのまま小さく呟いていた。
「なに? ヤルノ……」
それに返すギアンテ。呼んだのは間違いなく彼の名だ。イェレミアスではない。彼は勝利を確信し、そして同時に胸の奥でチクリと何かが痛んだ。
(僕は、何に勝利したんだ……? イェレミアスに?)
結果的にはそうなったのだが、別にイェレミアスに勝利し、彼からギアンテを奪いたいなどという願望は彼にはなかった。
イェレミアスの事は別に嫌いではない。むしろ好きであった。王妃インシュラも同じだ。
彼は心の底から彼女の事を母のように慕っていたし、「母になってほしい」と思っていた。しかし結果として彼の好意はインシュラには受け入れられず、正気を失って今も王宮で涎を垂らしている事だろう。
どちらももう、決して戻ってくることはない。
もし、何か違うやり方をしていたなら、ギアンテも含め、四人で穏やかに暮らせるような未来が、どこかにあったのだろうか。ふと、そんな思いが頭をよぎったのだ。
「犬の鳴き声が、聞こえた気がします」
ギアンテが後ろを振り向きながらそう言った。
彼女だって以前の彼女ではない。
今はヤルノを「ヤルノ」と認識して彼の名を呼んではいるが、しかし最初は彼にこんな口の利き方をしていなかったはずだ。
少し前はヤルノとイェレミアスを混同するか、イェレミアスに対して話しかけるように話していたので少しはマシになったのだろうが、やはり壊れた心というものは完全には元には戻らないのだ。ひびの入った器が元には戻らないように。
時の流れというものは取り返しのつかない事の連続である。今までの自分の行動が、もし違っていたら、などと夢想するだけ時間の無駄ではあるが、思わずにはいられなかった。
「匂いを確認しながら追跡してるんでしょう。引き離してはいるようですが、進路を変えながら逃げても、見失わずに追ってきているように感じます」
町を抜け、民家がぐっと減っていき、それに反比例して木々が多くなってくる。以前にも述べたように「ここからがリィングリーツの森」という明確な区分けはないものの、大分森に近づいてきているのは事実だ。
森に入るとヤルノの感覚は昔を思い出してか、段々と鋭敏になってゆく。追ってくる者の気配を濃厚に感じていた。
「少しゆっくり行きましょう。これじゃ体力が続きません」
そう言って二人は息を整えながら歩き始める。空は白み始めていたが、それにつれて森の中に入っていっているため視界は明るくはならなかった。
「ギアンテは、イェーゲマイステルという人物を知っていますか?」
「狩人の棟梁? 話だけは、聞いたことがありますが」
「キシュクシュのお付きの騎士、僕がリィングリーツ宮の中庭で倒したヒルシェン、彼はイェーゲマイステルの縁者ではありませんか?」
「ああ……」
二人は手をつないだまま木々の間を歩き続ける。今は歩いているが、走るのなら両手は自由にした方が楽であったが、その手をヤルノが決して放そうとしなかったからだ。
「そうです。王宮にコネのあるイェーゲマイステルの孫がその縁で騎士となり、どこかの貴族の元で仕えているとは聞いたことがありますが、それがノーモル公の家だったのかも……」
二人のその姿は、まるで森の中で迷子になって、互いしか頼る者のいない小さな姉弟のようであった。
「ギアンテ」
再び沈黙を通過したのち、ヤルノは先ほど飲み込んだ言葉の先を言う事にした。
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彼の口からそんな質問が飛んでくるとは思いもよらなかったギアンテはぎょっとした表情を見せてしまった。ギアンテは、既にヤルノの告白を聞いて、彼の事は全て聞かされている。しかし全て聞いた上で、なお彼のことが全く分からない、理解できないのだ。ひょっとしたら、この質問への答えを間違えてしまえば、自分が彼に殺されてしまうのではないか、損な恐怖すら脳裏をよぎった。
「勿論、理屈は分かっています。誰だって、自分は殺されたくない。だから互いに「人を殺してはいけない』というルールを作って抑制しているんだと」
答えを待たずしてヤルノは語りだした。
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社会通念上、殺しは良くない事だ。それは彼も分かっているのだ。
「いつだったか、あなたの前でコルアーレに言いましたよね」
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「あれは僕の本音です。命はかけがえのない、尊いものだという考えは」
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確かに自分と同じ、しかし少し考え方の違う人間が、語っているのだと、そのぬくもりが教えてくれた。
確かに彼は『仕事』で人を殺す騎士達とは違う。ある意味では彼らよりよほど敬意をもって命に相対しているのかもしれない。
「もしかして僕は、人を殺してはいけなかったんでしょうか」
その問いかけに、ギアンテは答えることができなかった。彼女もまた、人殺しだからだろうか。それも、彼が軽蔑する「仕事で人を殺す」人間だったのだから。
何も答えることができない代わりに、ギアンテはぎゅっと力強くヤルノの手を握った。ヤルノの手は、それに応えるかのように少しだけ強く握り返してきた。
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