186 / 211
帰ってきた二人
しおりを挟む
「ドラーガさん、ここでこうしていても埒が明かないですよ、一回アジトに戻って体勢を立て直した方がいいんじゃ?」
「んん~……」
なんとも煮え切らない表情のドラーガさん。しかし結局ここにはイリスウーフさん以外誰もいなかったわけだし、何より私が怖いのは野風の笛をこんなところで普通に持っていてまたガスタルデッロがこれを奪いに来ないかってことなんだけど。
アルグスさんとガスタルデッロは一体どこに消えてしまったんだろう。
当然のことながら、アルグスさんとは合流したいけどガスタルデッロとは会いたくはない。
「マッピさん、一旦戻るにしてもアジトは街の中心部から遠すぎますし、天文館の方がいいんじゃ?」
とは、クオスさんの提案。
天文館かぁ……あそこは確かに私達冒険者の本拠地でもあるんだけど、敵のガスタルデッロの本拠地でもあるんだよなぁ。
でもまあ、アンセさんもクオスさんも疲弊しているし、イリスウーフさんも大分体力を消耗している。一旦この場は離れた方がいいのは間違いないんだけど、どうしたものか。
と、悩んでいると、目の前の景色が一瞬揺らいだような気がして、私達の目の前に二人の人物が現れた。
一人は我らが勇者アルグス。
うつ伏せに倒れていたようだけど、大声を出しながら剣を杖にして体を支え、気合で立ち上がる。
「アルグス!」
アルグスさんが行方不明になっていたことに意気消沈していたアンセさんが喜びの表情を見せる。
しかしその場に現れたもう一人の人物。巨大な十字剣を携えた、身の丈八尺にも及ぼうかという巨躯。いつも落ち着いてはいるものの、今日は一層穏やかな表情をしているようにも見える。
「ガスタルデッロ……」
まだ立ち上がることのできないイリスウーフさんの口から奴の名が漏れた。辺りが緊張感に包まれる。いきなりのラスボスのご登場というわけだ。
「イリスウーフ、立てるか」
全員がその姿に釘付けになっているけど、ドラーガさんだけは未だへたり込んだままだったイリスウーフさんを助け起こしていた。もしかして逃げる算段でも立てようというのだろうか。今までのガスタルデッロの言動を見れば問答無用で攻撃してきたりはしないだろうけど。
「ガスタルデッロ……ッ!!」
息を荒く吐きながらアルグスさんは奴に対して身構える。
今の様子からして、おそらくガスタルデッロとアルグスさんは私達が天文館でやられていたようにどこかの異次元迷宮に移動していたんだろう。そしてこのアルグスさんの形相を見るに、二人はその迷宮で戦っていたのが、何かのはずみでこちらの世界に戻ってきた?
という事は今は一触即発の状況なのかもしれない。
私もドラーガさんに合わせて退路の確認をする。幸いにも私達は全員がばらつかずに一方向に固まっているので逃げるのは容易いはずだ。それも、ガスタルデッロが追ってこなければ、の話だけど。
「大したものだな。さすが勇者だ、アルグス」
怒りの形相を見せるアルグスさんに対して、ガスタルデッロはあくまでも穏やかな表情を崩さない。
「だが、私がアカシックレコードを手に入れようと、貴様には何の関係もないだろう。大人しくいい夢を見て寝ていればいい物を、何故そうまでして戦おうとする」
アルグスさんとガスタルデッロのやり取りを見ていると後ろからドラーガさんに小さい声で話しかけられた。
「マッピ……いつでも逃げられるように準備をしろ」
彼の後ろにはイリスウーフさん達も真剣な表情でこちらを見ている。
「今聞いたが、アンセはまだ魔力が回復してねえし、そもそも回復したところでとても勝てるような相手じゃねえそうだ。しかも……」
ドラーガさんはちらりとガスタルデッロの方を見る。どうやらまだ二人の会話は続いているようだ。
「ドラーガ、準備だけはするけど私は逃げるつもりはないわよ」
アンセさんも小声で話しかける。
「魔力も少し回復してきた。ガスタルデッロを討つなら全員で一気に行くわよ」
「それでもかまわん。だがいざという時アルグスの足を引っ張るような事だけはするなよ」
ドラーガさんはどうしてそこまでガスタルデッロを警戒するんだろう。デュラエスも確かに強かったけど、私とドラーガさんの二人で協力して倒すことができた。……まあ、不意打ちではあったけど。
メッツァトルの全員が揃った状態なら、ガスタルデッロといえども敵ではないと思うんだけど……私はガスタルデッロの方に視線を戻した。
「何がそんなに気に食わないのだ。何か君の気に障るようなことをしたかね?」
「なんだと……」
アルグスさんの表情が怒りに燃える。
確かにガスタルデッロの最終的な目的が何であれ、アカシックレコードを手に入れること自体にはどうこう言うつもりはない。でもその野望のためにいったいどれだけの人間の命を犠牲にしてきたのか。
テューマさん達やセゴーを犠牲にして、七聖鍵の仲間も大勢死んで、多くの市民を犠牲にして、それでもそんなセリフが吐けるって言うのか。
「ふざけるなッ!!」
その言葉と同時にアルグスさんはトルトゥーガを投擲した。
完璧なタイミング。斜めに放物線を描いて、回り込むように、吸い込まれるように回転しながらトルトゥーガがガスタルデッロに向かって行く。
「無駄だ」
しかしガスタルデッロは剣を抜きながら半歩前に出て、その切っ先でトルトゥーガのチェーンの隙間を引っ掻けて地面に縫い止めた。
アルグスさんはその無駄のない動きに狼狽えることなく突進してショートソードで切りかかる。
ガスタルデッロはトルトゥーガを押さえている剣を戻すことなく、左手の人差し指と親指だけでアルグスさんの件の峰の部分を挟み込んで止めた。
「なに!?」
次の瞬間、ガスタルデッロの前蹴りがアルグスさんを突き飛ばし、彼は後方に飛ばされた。
いや、前蹴りなんてものじゃない。その動きは、歩く様に、ゆっくりと前に足を出しただけだった。剣と盾の攻撃を止められてアルグスさんは蹴りを放とうとしていた。それを読んでいたガスタルデッロが攻撃の「起こり」を止めたんだ。
理屈では分かる。それにしたって……
「こ……ここまで圧倒的な強さだなんて」
アンセさんがそう呟いた。そう、彼女はついさっき迷宮の中で奴と一戦交えているから知っているはず。奴の強さを。その彼女からしても今の動きは異様だったんだ。これまでは、強さを隠していたのか?
「思った通りだな……」
ドラーガさんが呟く。どういうこと? 何が「思った通り」なの!?
「奴は既に『アカシックレコード』を手に入れている」
「んん~……」
なんとも煮え切らない表情のドラーガさん。しかし結局ここにはイリスウーフさん以外誰もいなかったわけだし、何より私が怖いのは野風の笛をこんなところで普通に持っていてまたガスタルデッロがこれを奪いに来ないかってことなんだけど。
アルグスさんとガスタルデッロは一体どこに消えてしまったんだろう。
当然のことながら、アルグスさんとは合流したいけどガスタルデッロとは会いたくはない。
「マッピさん、一旦戻るにしてもアジトは街の中心部から遠すぎますし、天文館の方がいいんじゃ?」
とは、クオスさんの提案。
天文館かぁ……あそこは確かに私達冒険者の本拠地でもあるんだけど、敵のガスタルデッロの本拠地でもあるんだよなぁ。
でもまあ、アンセさんもクオスさんも疲弊しているし、イリスウーフさんも大分体力を消耗している。一旦この場は離れた方がいいのは間違いないんだけど、どうしたものか。
と、悩んでいると、目の前の景色が一瞬揺らいだような気がして、私達の目の前に二人の人物が現れた。
一人は我らが勇者アルグス。
うつ伏せに倒れていたようだけど、大声を出しながら剣を杖にして体を支え、気合で立ち上がる。
「アルグス!」
アルグスさんが行方不明になっていたことに意気消沈していたアンセさんが喜びの表情を見せる。
しかしその場に現れたもう一人の人物。巨大な十字剣を携えた、身の丈八尺にも及ぼうかという巨躯。いつも落ち着いてはいるものの、今日は一層穏やかな表情をしているようにも見える。
「ガスタルデッロ……」
まだ立ち上がることのできないイリスウーフさんの口から奴の名が漏れた。辺りが緊張感に包まれる。いきなりのラスボスのご登場というわけだ。
「イリスウーフ、立てるか」
全員がその姿に釘付けになっているけど、ドラーガさんだけは未だへたり込んだままだったイリスウーフさんを助け起こしていた。もしかして逃げる算段でも立てようというのだろうか。今までのガスタルデッロの言動を見れば問答無用で攻撃してきたりはしないだろうけど。
「ガスタルデッロ……ッ!!」
息を荒く吐きながらアルグスさんは奴に対して身構える。
今の様子からして、おそらくガスタルデッロとアルグスさんは私達が天文館でやられていたようにどこかの異次元迷宮に移動していたんだろう。そしてこのアルグスさんの形相を見るに、二人はその迷宮で戦っていたのが、何かのはずみでこちらの世界に戻ってきた?
という事は今は一触即発の状況なのかもしれない。
私もドラーガさんに合わせて退路の確認をする。幸いにも私達は全員がばらつかずに一方向に固まっているので逃げるのは容易いはずだ。それも、ガスタルデッロが追ってこなければ、の話だけど。
「大したものだな。さすが勇者だ、アルグス」
怒りの形相を見せるアルグスさんに対して、ガスタルデッロはあくまでも穏やかな表情を崩さない。
「だが、私がアカシックレコードを手に入れようと、貴様には何の関係もないだろう。大人しくいい夢を見て寝ていればいい物を、何故そうまでして戦おうとする」
アルグスさんとガスタルデッロのやり取りを見ていると後ろからドラーガさんに小さい声で話しかけられた。
「マッピ……いつでも逃げられるように準備をしろ」
彼の後ろにはイリスウーフさん達も真剣な表情でこちらを見ている。
「今聞いたが、アンセはまだ魔力が回復してねえし、そもそも回復したところでとても勝てるような相手じゃねえそうだ。しかも……」
ドラーガさんはちらりとガスタルデッロの方を見る。どうやらまだ二人の会話は続いているようだ。
「ドラーガ、準備だけはするけど私は逃げるつもりはないわよ」
アンセさんも小声で話しかける。
「魔力も少し回復してきた。ガスタルデッロを討つなら全員で一気に行くわよ」
「それでもかまわん。だがいざという時アルグスの足を引っ張るような事だけはするなよ」
ドラーガさんはどうしてそこまでガスタルデッロを警戒するんだろう。デュラエスも確かに強かったけど、私とドラーガさんの二人で協力して倒すことができた。……まあ、不意打ちではあったけど。
メッツァトルの全員が揃った状態なら、ガスタルデッロといえども敵ではないと思うんだけど……私はガスタルデッロの方に視線を戻した。
「何がそんなに気に食わないのだ。何か君の気に障るようなことをしたかね?」
「なんだと……」
アルグスさんの表情が怒りに燃える。
確かにガスタルデッロの最終的な目的が何であれ、アカシックレコードを手に入れること自体にはどうこう言うつもりはない。でもその野望のためにいったいどれだけの人間の命を犠牲にしてきたのか。
テューマさん達やセゴーを犠牲にして、七聖鍵の仲間も大勢死んで、多くの市民を犠牲にして、それでもそんなセリフが吐けるって言うのか。
「ふざけるなッ!!」
その言葉と同時にアルグスさんはトルトゥーガを投擲した。
完璧なタイミング。斜めに放物線を描いて、回り込むように、吸い込まれるように回転しながらトルトゥーガがガスタルデッロに向かって行く。
「無駄だ」
しかしガスタルデッロは剣を抜きながら半歩前に出て、その切っ先でトルトゥーガのチェーンの隙間を引っ掻けて地面に縫い止めた。
アルグスさんはその無駄のない動きに狼狽えることなく突進してショートソードで切りかかる。
ガスタルデッロはトルトゥーガを押さえている剣を戻すことなく、左手の人差し指と親指だけでアルグスさんの件の峰の部分を挟み込んで止めた。
「なに!?」
次の瞬間、ガスタルデッロの前蹴りがアルグスさんを突き飛ばし、彼は後方に飛ばされた。
いや、前蹴りなんてものじゃない。その動きは、歩く様に、ゆっくりと前に足を出しただけだった。剣と盾の攻撃を止められてアルグスさんは蹴りを放とうとしていた。それを読んでいたガスタルデッロが攻撃の「起こり」を止めたんだ。
理屈では分かる。それにしたって……
「こ……ここまで圧倒的な強さだなんて」
アンセさんがそう呟いた。そう、彼女はついさっき迷宮の中で奴と一戦交えているから知っているはず。奴の強さを。その彼女からしても今の動きは異様だったんだ。これまでは、強さを隠していたのか?
「思った通りだな……」
ドラーガさんが呟く。どういうこと? 何が「思った通り」なの!?
「奴は既に『アカシックレコード』を手に入れている」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる