175 / 211
野風
しおりを挟む
「トルトゥーガ!!」
「そうはいかん!!」
全身全霊を込めたアルグスのトルトゥーガの投擲。しかしガスタルデッロは刃渡り2メートルほどもある十字剣でそれをいなす。本来は両手で制御する巨大な剣を片手で操って。
左手では何とかして逃げ出そうとするイリスウーフを後ろ手に拘束している。
確かに投擲されたトルトゥーガの芯を外し、いなしたのだが、それでもびりびりとガスタルデッロの右腕が痺れる。
「なかなかやるな。人の身でありながらここまで道を究めるとは、大したものよ」
「両手で来い。イリスウーフの身柄を拘束しながら戦えるほど僕は甘くないぞ!!」
事実ここまでの戦いはアルグスがガスタルデッロを押しているように見えた。
「そうはいかないな。先ほども言った通り彼女は『主賓』なのだ」
ガスタルデッロはそう言うとイリスウーフの体を左腕で抱えると、巨体に見合わぬ軽い身のこなしで後ろにあった塀の上に飛び乗り、さらにそのすぐ横にあった民家の屋根の上に跳んだ。
それでもトルトゥーガを投擲すれば届かない距離ではない。アルグスが身構えると、しかし黒い大きな影がそれを遮った。
「お命とりもす!!」
ガスタルデッロにも見劣りしない巨体の騎士。その巨大で刃厚の両手剣が振り下ろされる。
「くっ!!」
なんとかそれを盾で逸らし、アルグスは後ろに跳躍した。
「イザーク、相手をしてやれ」
シーマン家最強の近衛騎士、アルキナリアの横に控えていて、ガスタルデッロに一撃で蹴り飛ばされた男である。
「チェストォッ!!」
地を割るほどの大きな掛け声とともに横に構えた両手剣を全身全霊の力を以て叩き下ろす。「トンボの構え」から繰り出される一撃必殺の剣を盾で受けてアルグスは後ろに飛ばされた。
「『命を奪わぬように』などと言っていられるほどぬるい相手ではないぞ、アルグス」
殺魔武士の攻撃の最大の特徴はその全身全霊をもって望む「一の太刀」ではあるものの、しかし当然ながらそれが全てではない。
覚悟を決めたアルグスがトルトゥーガを投擲するが、しかしイザークは意外にも器用にこれを受け、いなして戦う。
そして彼の周りでは冒険者と魔族の連合軍対騎士団の激しい戦闘が繰り広げられていた。
血煙が舞い、矢が飛び交い、多くの人が倒れる。冒険者側には市民も助っ人に入り、投石などで応戦している。騎士団はモンスターも冒険者も市民も分け隔てなく、逆らう者にはすべて鉄槌を食らわせる。
「ガスタルデッロ! 兵を引け!! セゴーは倒したっていうのに、僕たちが戦う理由がどこにある!!」
「兵を退くのは貴様等だ。おとなしく抵抗をやめ、神妙にお縄につけ。暴動が収まり、抵抗をしなければ我らは無辜の市民を攻撃したりはせんぞ。多分」
しかし容赦なく非武装の市民を攻撃する騎士団を前にして戦いを止められるはずもない。アルグス達のいる場所だけではない。町のあちこちで火の手はまだ上がり続け、悲鳴と、断末魔の声が響き渡る。町のいたるところで市民達と、騎士団が衝突しているのだ。市民たちは冒険者と魔族の助力を得て抵抗しているものの、それでようやく騎士団と互角。互いに多くの死傷者を出している
「何が目的なんだ、ガスタルデッロ!!」
「目的か……フッ」
ガスタルデッロはアルグスの言葉に鼻で笑って答えない。代わりに暴力の炎に包まれる街の景色を満足そうに眺めるだけである。
「美しい景色だろう、イリスウーフ。もうじき朝日も昇り、雲が黄金色に輝く。町の炎の赤と朝日の金に彩られる街は見物だろうな」
「おぞましい……人と人とを殺し合わせて、何が楽しいんですか!!」
「楽しくはないが、しかし別段不快でもない」
ガスタルデッロはぐい、と後ろ手に掴んでいるイリスウーフの腕をひねりあげて上を向かせる。
「だがどうやら貴公は不快なようだな」
「それが……」
イリスウーフが何やら言おうとしたが、その言葉をガスタルデッロは遮る。
「不快なようであれば『止めて』も構わんぞ。『方法』があるのだろう」
「やはり、それが狙いですか」
ガスタルデッロは捉えていたイリスウーフの手首を放し、彼女の拘束を解いた。イリスウーフは屋根の先、その先端まで歩いて町の景色を見渡す。
死が溢れ、悲鳴と悲しみが噴き出す地獄のような光景。彼女はそれを見て瞳に涙を浮かべた。
「どうした? 三百年前を思い出したか?」
ガスタルデッロの言葉に彼女はキッと睨みつけたが、しかし何も言葉を発さず、黙って自身の右手だけを竜化させた。鱗の生えた巨大な手。その指先はナイフのように鋭い爪が備えられている。
イリスウーフは口を真一文字に結んで、強く歯を嚙み締め、そしてその鋭利な指先を自身の右太ももに突き刺した。
「クッ……」
苦悶に漏れる声。しかしそれでも震えながら脚に差し込んだ指をゆっくりと引き上げる。
「ほう、そんなところに隠していたのか。肌身離さず持っているのだろうとは思っていたが……」
やがてイリスウーフは痛みに声を上げながらも傷口から抉り出すように何か、黒い棒状のものを取り出した。
長さはおよそ一尺ほど。血にまみれて色はよく分からないが、真っ黒い色の細長いそれには、緑色の小さな石がはめられている。
はあはあと荒い息を吐きながらそれを取り出すと、イリスウーフは痛みのあまりその場にへたり込んでしまった。
しかしガスタルデッロは彼女の容態を気にすることなく、その黒い筒をイリスウーフから取り上げた。
「ようやく見つけたぞ、これが『野風』だな。
おそらくは言い伝えからも『剣』ではないだろうと思ってはいたが、『魔笛』とはな」
「か……返して」
満足げに野風を眺めるガスタルデッロに、何とか両手で体を支えているイリスウーフが言葉をかける。
「それを、返して……争いを……収めなければ」
「ふふ、いいだろう」
意外にもガスタルデッロはあっさりとその笛を彼女に手渡した。
もはやそれがどこにあるのかは分かったのだから、奪うのはいつでもできるという事であろう。
「やってみろ。三百年前にカルゴシアの町を滅ぼした『野風の笛』の力を見せてみろ」
「そうはいかん!!」
全身全霊を込めたアルグスのトルトゥーガの投擲。しかしガスタルデッロは刃渡り2メートルほどもある十字剣でそれをいなす。本来は両手で制御する巨大な剣を片手で操って。
左手では何とかして逃げ出そうとするイリスウーフを後ろ手に拘束している。
確かに投擲されたトルトゥーガの芯を外し、いなしたのだが、それでもびりびりとガスタルデッロの右腕が痺れる。
「なかなかやるな。人の身でありながらここまで道を究めるとは、大したものよ」
「両手で来い。イリスウーフの身柄を拘束しながら戦えるほど僕は甘くないぞ!!」
事実ここまでの戦いはアルグスがガスタルデッロを押しているように見えた。
「そうはいかないな。先ほども言った通り彼女は『主賓』なのだ」
ガスタルデッロはそう言うとイリスウーフの体を左腕で抱えると、巨体に見合わぬ軽い身のこなしで後ろにあった塀の上に飛び乗り、さらにそのすぐ横にあった民家の屋根の上に跳んだ。
それでもトルトゥーガを投擲すれば届かない距離ではない。アルグスが身構えると、しかし黒い大きな影がそれを遮った。
「お命とりもす!!」
ガスタルデッロにも見劣りしない巨体の騎士。その巨大で刃厚の両手剣が振り下ろされる。
「くっ!!」
なんとかそれを盾で逸らし、アルグスは後ろに跳躍した。
「イザーク、相手をしてやれ」
シーマン家最強の近衛騎士、アルキナリアの横に控えていて、ガスタルデッロに一撃で蹴り飛ばされた男である。
「チェストォッ!!」
地を割るほどの大きな掛け声とともに横に構えた両手剣を全身全霊の力を以て叩き下ろす。「トンボの構え」から繰り出される一撃必殺の剣を盾で受けてアルグスは後ろに飛ばされた。
「『命を奪わぬように』などと言っていられるほどぬるい相手ではないぞ、アルグス」
殺魔武士の攻撃の最大の特徴はその全身全霊をもって望む「一の太刀」ではあるものの、しかし当然ながらそれが全てではない。
覚悟を決めたアルグスがトルトゥーガを投擲するが、しかしイザークは意外にも器用にこれを受け、いなして戦う。
そして彼の周りでは冒険者と魔族の連合軍対騎士団の激しい戦闘が繰り広げられていた。
血煙が舞い、矢が飛び交い、多くの人が倒れる。冒険者側には市民も助っ人に入り、投石などで応戦している。騎士団はモンスターも冒険者も市民も分け隔てなく、逆らう者にはすべて鉄槌を食らわせる。
「ガスタルデッロ! 兵を引け!! セゴーは倒したっていうのに、僕たちが戦う理由がどこにある!!」
「兵を退くのは貴様等だ。おとなしく抵抗をやめ、神妙にお縄につけ。暴動が収まり、抵抗をしなければ我らは無辜の市民を攻撃したりはせんぞ。多分」
しかし容赦なく非武装の市民を攻撃する騎士団を前にして戦いを止められるはずもない。アルグス達のいる場所だけではない。町のあちこちで火の手はまだ上がり続け、悲鳴と、断末魔の声が響き渡る。町のいたるところで市民達と、騎士団が衝突しているのだ。市民たちは冒険者と魔族の助力を得て抵抗しているものの、それでようやく騎士団と互角。互いに多くの死傷者を出している
「何が目的なんだ、ガスタルデッロ!!」
「目的か……フッ」
ガスタルデッロはアルグスの言葉に鼻で笑って答えない。代わりに暴力の炎に包まれる街の景色を満足そうに眺めるだけである。
「美しい景色だろう、イリスウーフ。もうじき朝日も昇り、雲が黄金色に輝く。町の炎の赤と朝日の金に彩られる街は見物だろうな」
「おぞましい……人と人とを殺し合わせて、何が楽しいんですか!!」
「楽しくはないが、しかし別段不快でもない」
ガスタルデッロはぐい、と後ろ手に掴んでいるイリスウーフの腕をひねりあげて上を向かせる。
「だがどうやら貴公は不快なようだな」
「それが……」
イリスウーフが何やら言おうとしたが、その言葉をガスタルデッロは遮る。
「不快なようであれば『止めて』も構わんぞ。『方法』があるのだろう」
「やはり、それが狙いですか」
ガスタルデッロは捉えていたイリスウーフの手首を放し、彼女の拘束を解いた。イリスウーフは屋根の先、その先端まで歩いて町の景色を見渡す。
死が溢れ、悲鳴と悲しみが噴き出す地獄のような光景。彼女はそれを見て瞳に涙を浮かべた。
「どうした? 三百年前を思い出したか?」
ガスタルデッロの言葉に彼女はキッと睨みつけたが、しかし何も言葉を発さず、黙って自身の右手だけを竜化させた。鱗の生えた巨大な手。その指先はナイフのように鋭い爪が備えられている。
イリスウーフは口を真一文字に結んで、強く歯を嚙み締め、そしてその鋭利な指先を自身の右太ももに突き刺した。
「クッ……」
苦悶に漏れる声。しかしそれでも震えながら脚に差し込んだ指をゆっくりと引き上げる。
「ほう、そんなところに隠していたのか。肌身離さず持っているのだろうとは思っていたが……」
やがてイリスウーフは痛みに声を上げながらも傷口から抉り出すように何か、黒い棒状のものを取り出した。
長さはおよそ一尺ほど。血にまみれて色はよく分からないが、真っ黒い色の細長いそれには、緑色の小さな石がはめられている。
はあはあと荒い息を吐きながらそれを取り出すと、イリスウーフは痛みのあまりその場にへたり込んでしまった。
しかしガスタルデッロは彼女の容態を気にすることなく、その黒い筒をイリスウーフから取り上げた。
「ようやく見つけたぞ、これが『野風』だな。
おそらくは言い伝えからも『剣』ではないだろうと思ってはいたが、『魔笛』とはな」
「か……返して」
満足げに野風を眺めるガスタルデッロに、何とか両手で体を支えているイリスウーフが言葉をかける。
「それを、返して……争いを……収めなければ」
「ふふ、いいだろう」
意外にもガスタルデッロはあっさりとその笛を彼女に手渡した。
もはやそれがどこにあるのかは分かったのだから、奪うのはいつでもできるという事であろう。
「やってみろ。三百年前にカルゴシアの町を滅ぼした『野風の笛』の力を見せてみろ」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。
アーエル
ファンタジー
旧題:私は『聖女ではない』ですか。そうですか。帰ることも出来ませんか。じゃあ『勝手にする』ので放っといて下さい。
【 聖女?そんなもん知るか。報復?復讐?しますよ。当たり前でしょう?当然の権利です! 】
地震を知らせるアラームがなると同時に知らない世界の床に座り込んでいた。
同じ状況の少女と共に。
そして現れた『オレ様』な青年が、この国の第二王子!?
怯える少女と睨みつける私。
オレ様王子は少女を『聖女』として選び、私の存在を拒否して城から追い出した。
だったら『勝手にする』から放っておいて!
同時公開
☆カクヨム さん
✻アルファポリスさんにて書籍化されました🎉
タイトルは【 私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください 】です。
そして番外編もはじめました。
相変わらず不定期です。
皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます🙇💕
これからもよろしくお願いします。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
異世界転移は草原スタート?!~転移先が勇者はお城で。俺は草原~
ノエ丸
ファンタジー
「ステータスオープン!」シーン「——出ねぇ!」地面に両手を叩きつけ、四つん這いの体制で叫ぶ。「クソゲーやんけ!?」
――イキナリ異世界へと飛ばされた一般的な高校ソラ。
眩い光の中で、彼が最初に目にしたモノ。それは異世界を作り出した創造神――。
ではなくただの広い草原だった――。
生活魔法と云うチートスキル(異世界人は全員持っている)すら持っていない地球人の彼はクソゲーと嘆きながらも、現地人より即座に魔法を授かる事となった。そして始まる冒険者としての日々。
怖いもの知らずのタンクガールに、最高ランクの女冒険者。果てはバーサーカー聖職者と癖のある仲間達と共に異世界を駆け抜け、時にはヒーラーに群がられながらも日々を生きていく。
スキル【海】ってなんですか?
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
スキル【海】ってなんですか?〜使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女の鍵を握るスキルとして追われています〜
※書籍化準備中。
※情報の海が解禁してからがある意味本番です。
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは、謎のユニークスキル──〈海〉だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子ども以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父さまの弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
……まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていたし、僕が好きだったのは、幼なじみで我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有り難いかも。
それに〈海〉があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海につながってたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
──時空の海、って、なんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父さまのアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど……。ここにつながってたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人のアイテムボックスにつながっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと……、伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って……。
おまけに精霊の宿るアイテムって……。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者って……。ムリムリムリ!
そっとしておこう……。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!
そう思っていたんだけど……。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
──情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
逃げるが価値
maruko
恋愛
侯爵家の次女として生まれたが、両親の愛は全て姉に向いていた。
姉に来た最悪の縁談の生贄にされた私は前世を思い出し家出を決行。
逃げる事に価値を見い出した私は無事に逃げ切りたい!
自分の人生のために!
★長編に変更しました★
※作者の妄想の産物です
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
勇者ですか? いいえ……バグキャラです! 〜廃ゲーマーの異世界奮闘記! デバッグスキルで人生がバグッた仲間と世界をぶっ壊せ!〜
空クジラ
ファンタジー
「本上(もとがみ) 英雄(ひでお)さん。私の名はセレス。あなたからすれば、異世界であるガイヤを管理する三女神の一柱です」
「あの、すみません……違うんです」
「え? 何がですか?」
「名前の読みが違うんです……それ、本上(もとがみ) 英雄(◯◯◯◯)って読みます。
それが全ての始まりだった。
不慮な事故で命を絶ったゲーム好きのプログラマーは、ゲーム機が存在しない異世界ガイヤで勇者として生き返った。
「ガイヤの世界に危機が迫っています。どうか勇者となって、世界をお救い下さい」
「え? お断りします!」
女神に世界を救って欲しいと頼まれるが、ゲーム機が存在しない世界に興味はないと速攻でお断り!
泣き出す女神に困り果てた勇者は、異世界にゲーム機をもたらすのを条件に、渋々異世界に降り立つことに……。
女神から授かったスキルは、経験値取得にボーナスが入る……女神の祝福(呪い)や、一度だけ仲間のステータスを書き換えられるデバッグスキル、そしてなぜかゲームアクションのBダッシュ!
ゲーマーとプログラマーのスキル、そして呪いを引っ下げて、ゲーマー勇者が異世界を救うべく旅立つ!
ゲームに人生を捧げた真の廃ゲーマーが、ゲーム機がない異世界に転移したらどうなるか……勇者、ゲーマー、変態、ロリコン、これは数々の二つ名で語られる廃人ゲーマーの物語である。
注)この物語はフィクションです。
登場するゲーム機とソフトは架空の産物であり、実在の人物や団体などとは関係ありません。
サブタイトルに『☆」が入った話には、イメージ画像が差し込まれています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる