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かくかくしかじか
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「やったか……!?」
あ、これは口に出しちゃいけない言葉だっけ?
瓦礫の砂塵の中、石礫を打ち込まれたセゴーが徐々にその姿を現す。やっぱり……やれていなかった。
私の放った石礫は狙いは外してはおらず、見事に頭部目がけて飛んでいたようだったが、しかし左腕に阻まれていた。セゴーの前腕部は投擲を受けて粉々に粉砕骨折していたものの、しかしそれでは斃すことなどできない。
「ぐぅぅ……やりやがったな」
やっぱり駄目だったか、腕は破壊したけど頭部は無事。相当痛そうだけど。私はすぐにクオスさんの腕を引いて走り出す。
如何に再生能力を持っていると言ってもすぐには回復しないはず。少しの時間稼ぎは出来るはず。ところがそう甘くはなかった。
「逃がすかッ!!」
「キャアッ!」
セゴーは左腕を抑えながらも触手で建物を破壊してその瓦礫を私たち目がけて飛ばして来た。私のすぐ目の前に人の頭くらいの大きさの瓦礫が落下する。思わず足を止めた私達にすぐにセゴーは追いついて触手を振り上げた。
やられる。
そう思ってクオスさんの体を抱きしめたが、しかし奴の触手は私達に触れることなく何かに弾かれた。
触手は何か鋭利な刃物のようなもので切り裂かれたようだ。しかしそれでも攻撃の手を緩めないセゴー。次の触手が襲ってくるが、それも何か黒いものが飛び回り、私達に触れる直前で弾く。黒い影が辺りを飛び回り、セゴーはそれに翻弄されている。
「くそっ! 何者だ、獣臭い!!」
セゴーがそう叫ぶと黒い影は動きを止め、民家の屋根の上にその姿を現す。
満月の中姿を現したその陰の正体。はち切れんばかりの上半身の筋肉に対し、スリムで素早そうな獣脚、蒼黒の毛並みに胸の辺りは白く、ふさふさの尻尾をゆらゆらと振っている。
「ヴァンフルフ!」
「やっと見つけたよお姉ちゃん! まさか騒ぎの中心にいるなんてね」
私達を助けたのはムカフ島に巣くう魔族四天王の一人、ライカンスロープの獣王ヴァンフルフだった。
「くそっ、裏切り者め!!」
神速の動きで触手を打ち振るい、その姿を捕らえようとするものの、それより一瞬早くヴァンフルフは跳躍して私達の隣に立った。
「この匂い……こいつ、まさか、セゴー? なんでこんな姿に!? 気持ち悪ッ!!」
「貴様ッ!!」
今度はテイクバックを少なめにして素早く触手を振るセゴー。それをやはりすさまじい速さで避けるヴァンフルフ。セゴーは単発で攻撃を終わらせず連続で攻撃を仕掛けるが、しかしヴァンフルフはまるでトップスピードに乗った野良猫の様に目にもとまらぬ速さで避け続ける。いや、実際この暗闇の中では目で追う事すらできない。
「ふん、少し工夫しなきゃならんか」
ただのモンスターだと思い込んでいた。
それも仕方のないことだとは思う。だって実際現在のセゴーの身長は5メートルほど。下半身は触手になっていて、眼窩は落ちくぼみ、眼球の代わりにあるのは蠢く触手。人間を捕まえてはこれを喰らう。
こんな化け物が、元は化け物を狩っていた冒険者だなんて、誰が思うだろうか。その事実を知っていた私ですら抜け落ちていた。
だから本当は、セゴーの警戒しなきゃいけない攻撃は人間離れした体躯からくる膂力でもなく、蠢く触手でもなく、これまで培ってきた対モンスター戦のノウハウだった。
素早い触手による突き。当然ヴァンフルフは難なくそれを横に跳んで躱すが、そこにも別の触手が待ち受ける。小さく跳ねてそれを宙に躱す。しかし空中では翼でも持たない限り姿勢の制御ができない。
ムカフ島ダンジョンでアルグスさんと戦った時の様に天井や壁がある場所じゃない。ほんの小さい跳躍だったのに、しかしセゴーはその隙を見逃さずさらに別の触手でヴァンフルフを叩き落した。
「ぐうッ!!」
脇腹に触手を打ち込まれたヴァンフルフは地面に叩きつけられてうめき声をあげる。まずい、肋骨をやられたかもしれない。呼吸が止まり、次の行動にうつれない。
「犬はおとなしく人間様のケツの穴でも舐めてりゃいいんだよ!! 観念しろ!!」
一気に間合いを詰めて触手に包み込まれる!! そう思った時だった。
ヴァンフルフに襲い掛かる無数の触手を何かが切断する。それは地面に当たって甲高い金属音をさせると跳ねるようにとんで戻っていった。
「遅くなってすまない」
来た!!
私の待ち望んでいた人が!!
「このメッツァトルがいる限り、貴様の様な化け物に好きにはさせない」
月明かりに照らされて、闇の中浮かび上がる鈍色のマント。その中心で存在を主張する明るい金色の髪。我らがリーダー、アルグスさんのトルトゥーガがセゴーの触手を切断したのだ!
すぐ後ろにはアンセさんとイリスウーフさん、そしてドラーガさんもいる……まあドラーガさんはこの場面で役に立つとは思えないけど。
悠然と前に進むアルグスさんに、セゴーは逆に後ずさりする。おそらくはレプリカントのセゴーを殺した今、彼にとっては最も憎むべき相手が彼だろう。だが、それだけにアルグスさんの実力もよく知っている。いつの間にか砕かれた左腕も回復しているようだが、それでもアルグスさんが負ける場面なんて思い浮かばない。
私は二人がにらみ合っている間に走ってヴァンフルフに駆け寄る。口からは血反吐を吐いて苦しそうに荒い息を吐いている。どうやら折れた肋骨が内臓を傷つけてるようだけど、まだ出血はそれほど激しくない。クオスさんは助けられなかったけど、これなら回復できそうだ。
私はすぐにヴァンフルフに回復魔法をかけると次第に彼の呼吸も落ち着いたものになっていった。
「マッピ、こりゃ一体どういう有様だ!?」
周りを見渡しながらドラーガさんが私に訊ねた。まあ、確かに訳の分からない状況だとは思う。
「衛兵や冒険者達は来てねえのか? セゴーのアホは何してやがる?」
「せ、セゴーなら、あそこに……」
私はアルグスさんと対峙している化け物を指さす。
「? ……あの化け物がなんだ?」
「あれがセゴー」
沈黙の時が流れた。
確かにちょっと説明不足だ。
「あれが、どうやら転生法を行った時に残ったオリジナルセゴーらしいんです」
「マジなのマッピちゃん……」
アンセさんも眉間に皺を寄せて「嘘だろ」という表情だ。まあ、唐突過ぎますからね。その困惑は私も分かります。
「それはそれで非常に興味をそそる内容じゃあるけどよ、そっちじゃなくてギルドマスターの方のセゴーはどうしたんだよ。まさかまだ天文館で居眠りでもしてんのか?」
「それは……あのセゴーに……」
私は再びセゴーの方を指さす。
「だからあれがセゴーなのは分かったっつってんだろうが! 人間の方のセゴーだよ!!」
「いや、だから、レプリカントセゴーはオリジナルセゴーに食べられちゃって……」
私も無茶苦茶なこと言ってるのは分かるんだけどさ、実際そうなんだから仕方ないじゃん。
「レプリカントとかオリジナルとかお前専門用語使い過ぎなんだよ! 知らない奴にも分かるように喋れねえのか!」
ああ、言われてみれば。今来たばかりのドラーガさん達には何が何だかわけわかめだよね。
……はあ、結構長くなるけどアレを一から説明しなきゃいけないのか。
「実はこれこれこういうことで」
「なるほど、それそれそういうことか」
説明は完了した。
あ、これは口に出しちゃいけない言葉だっけ?
瓦礫の砂塵の中、石礫を打ち込まれたセゴーが徐々にその姿を現す。やっぱり……やれていなかった。
私の放った石礫は狙いは外してはおらず、見事に頭部目がけて飛んでいたようだったが、しかし左腕に阻まれていた。セゴーの前腕部は投擲を受けて粉々に粉砕骨折していたものの、しかしそれでは斃すことなどできない。
「ぐぅぅ……やりやがったな」
やっぱり駄目だったか、腕は破壊したけど頭部は無事。相当痛そうだけど。私はすぐにクオスさんの腕を引いて走り出す。
如何に再生能力を持っていると言ってもすぐには回復しないはず。少しの時間稼ぎは出来るはず。ところがそう甘くはなかった。
「逃がすかッ!!」
「キャアッ!」
セゴーは左腕を抑えながらも触手で建物を破壊してその瓦礫を私たち目がけて飛ばして来た。私のすぐ目の前に人の頭くらいの大きさの瓦礫が落下する。思わず足を止めた私達にすぐにセゴーは追いついて触手を振り上げた。
やられる。
そう思ってクオスさんの体を抱きしめたが、しかし奴の触手は私達に触れることなく何かに弾かれた。
触手は何か鋭利な刃物のようなもので切り裂かれたようだ。しかしそれでも攻撃の手を緩めないセゴー。次の触手が襲ってくるが、それも何か黒いものが飛び回り、私達に触れる直前で弾く。黒い影が辺りを飛び回り、セゴーはそれに翻弄されている。
「くそっ! 何者だ、獣臭い!!」
セゴーがそう叫ぶと黒い影は動きを止め、民家の屋根の上にその姿を現す。
満月の中姿を現したその陰の正体。はち切れんばかりの上半身の筋肉に対し、スリムで素早そうな獣脚、蒼黒の毛並みに胸の辺りは白く、ふさふさの尻尾をゆらゆらと振っている。
「ヴァンフルフ!」
「やっと見つけたよお姉ちゃん! まさか騒ぎの中心にいるなんてね」
私達を助けたのはムカフ島に巣くう魔族四天王の一人、ライカンスロープの獣王ヴァンフルフだった。
「くそっ、裏切り者め!!」
神速の動きで触手を打ち振るい、その姿を捕らえようとするものの、それより一瞬早くヴァンフルフは跳躍して私達の隣に立った。
「この匂い……こいつ、まさか、セゴー? なんでこんな姿に!? 気持ち悪ッ!!」
「貴様ッ!!」
今度はテイクバックを少なめにして素早く触手を振るセゴー。それをやはりすさまじい速さで避けるヴァンフルフ。セゴーは単発で攻撃を終わらせず連続で攻撃を仕掛けるが、しかしヴァンフルフはまるでトップスピードに乗った野良猫の様に目にもとまらぬ速さで避け続ける。いや、実際この暗闇の中では目で追う事すらできない。
「ふん、少し工夫しなきゃならんか」
ただのモンスターだと思い込んでいた。
それも仕方のないことだとは思う。だって実際現在のセゴーの身長は5メートルほど。下半身は触手になっていて、眼窩は落ちくぼみ、眼球の代わりにあるのは蠢く触手。人間を捕まえてはこれを喰らう。
こんな化け物が、元は化け物を狩っていた冒険者だなんて、誰が思うだろうか。その事実を知っていた私ですら抜け落ちていた。
だから本当は、セゴーの警戒しなきゃいけない攻撃は人間離れした体躯からくる膂力でもなく、蠢く触手でもなく、これまで培ってきた対モンスター戦のノウハウだった。
素早い触手による突き。当然ヴァンフルフは難なくそれを横に跳んで躱すが、そこにも別の触手が待ち受ける。小さく跳ねてそれを宙に躱す。しかし空中では翼でも持たない限り姿勢の制御ができない。
ムカフ島ダンジョンでアルグスさんと戦った時の様に天井や壁がある場所じゃない。ほんの小さい跳躍だったのに、しかしセゴーはその隙を見逃さずさらに別の触手でヴァンフルフを叩き落した。
「ぐうッ!!」
脇腹に触手を打ち込まれたヴァンフルフは地面に叩きつけられてうめき声をあげる。まずい、肋骨をやられたかもしれない。呼吸が止まり、次の行動にうつれない。
「犬はおとなしく人間様のケツの穴でも舐めてりゃいいんだよ!! 観念しろ!!」
一気に間合いを詰めて触手に包み込まれる!! そう思った時だった。
ヴァンフルフに襲い掛かる無数の触手を何かが切断する。それは地面に当たって甲高い金属音をさせると跳ねるようにとんで戻っていった。
「遅くなってすまない」
来た!!
私の待ち望んでいた人が!!
「このメッツァトルがいる限り、貴様の様な化け物に好きにはさせない」
月明かりに照らされて、闇の中浮かび上がる鈍色のマント。その中心で存在を主張する明るい金色の髪。我らがリーダー、アルグスさんのトルトゥーガがセゴーの触手を切断したのだ!
すぐ後ろにはアンセさんとイリスウーフさん、そしてドラーガさんもいる……まあドラーガさんはこの場面で役に立つとは思えないけど。
悠然と前に進むアルグスさんに、セゴーは逆に後ずさりする。おそらくはレプリカントのセゴーを殺した今、彼にとっては最も憎むべき相手が彼だろう。だが、それだけにアルグスさんの実力もよく知っている。いつの間にか砕かれた左腕も回復しているようだが、それでもアルグスさんが負ける場面なんて思い浮かばない。
私は二人がにらみ合っている間に走ってヴァンフルフに駆け寄る。口からは血反吐を吐いて苦しそうに荒い息を吐いている。どうやら折れた肋骨が内臓を傷つけてるようだけど、まだ出血はそれほど激しくない。クオスさんは助けられなかったけど、これなら回復できそうだ。
私はすぐにヴァンフルフに回復魔法をかけると次第に彼の呼吸も落ち着いたものになっていった。
「マッピ、こりゃ一体どういう有様だ!?」
周りを見渡しながらドラーガさんが私に訊ねた。まあ、確かに訳の分からない状況だとは思う。
「衛兵や冒険者達は来てねえのか? セゴーのアホは何してやがる?」
「せ、セゴーなら、あそこに……」
私はアルグスさんと対峙している化け物を指さす。
「? ……あの化け物がなんだ?」
「あれがセゴー」
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「あれが、どうやら転生法を行った時に残ったオリジナルセゴーらしいんです」
「マジなのマッピちゃん……」
アンセさんも眉間に皺を寄せて「嘘だろ」という表情だ。まあ、唐突過ぎますからね。その困惑は私も分かります。
「それはそれで非常に興味をそそる内容じゃあるけどよ、そっちじゃなくてギルドマスターの方のセゴーはどうしたんだよ。まさかまだ天文館で居眠りでもしてんのか?」
「それは……あのセゴーに……」
私は再びセゴーの方を指さす。
「だからあれがセゴーなのは分かったっつってんだろうが! 人間の方のセゴーだよ!!」
「いや、だから、レプリカントセゴーはオリジナルセゴーに食べられちゃって……」
私も無茶苦茶なこと言ってるのは分かるんだけどさ、実際そうなんだから仕方ないじゃん。
「レプリカントとかオリジナルとかお前専門用語使い過ぎなんだよ! 知らない奴にも分かるように喋れねえのか!」
ああ、言われてみれば。今来たばかりのドラーガさん達には何が何だかわけわかめだよね。
……はあ、結構長くなるけどアレを一から説明しなきゃいけないのか。
「実はこれこれこういうことで」
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