118 / 211
ダブルジョパディ
しおりを挟む
「クロスボウという武器がある。いわゆる弩だな。この武器は二百年ほど前に一般に広く知られるようになった」
冷静さを取り戻したデュラエスが滔々と語る。
「当初、引き金を引けば矢が発射されると一般には広く知られていなかったとしよう。当然これを人に向けて発射されても罪とする法がなかったとして、これをもって行った殺人が無罪となるだろうか?」
静まり返る聴衆。私達も、そしてドラーガさんもその問いには答えない。
「当然ならない。殺意を持って行った凶行が、その凶器が知られていなかったというだけで無罪となるはずなどないのだ」
「まあ……」
ドラーガさんが口を開く。よし、ドラーガさんのターンだ。一体どんな屁理屈で彼を言い負かすのか!
「それは一旦こっちに置いておいて……だ」
おおい!!
マジかよお前!! 荷物を脇に置いとくようなパントマイムしてんじゃねーよ!! 真面目にやれよ!! デュラエスも苦笑いだろうが!!
「あ、アルグスさん……?」
クオスさんが小声で、押し合いをやめて立ち尽くしてるアルグスさんに話しかける。
「これ、もしかして時間稼ぎなんじゃ……? もしかしたらこのくだらない会話をしてる間に刑場に近づいた方がいいんじゃ?」
「ん……? そ、そうなのか?」
アルグスさんが辺りを見回す。先ほどまで押し合い圧し合いしていた騎士団の男達も向きを変えて、アホづらさげて壇上に注目している。確かにチャンスと言えばチャンスなのかもしれない……でも。
「よし、一気に……」
「待ってください」
決意の炎を目に宿しかけたアルグスさんを……私が止めた。
「ごめんなさい、根拠はないんですけど、もう少しだけ待ってください」
そう。根拠はないのだが。
「ドラーガさんは、まだ『隠し玉』を持っています。……もう少しだけ、彼を信じてみましょう」
根拠はないのだが、私の本能が、もう少しだけ、彼を信じてみようと言ったのだ。彼の余裕の笑みに、何かありそうな、そんな気がしたんだ。
「確かに言ったな……? 『三百年前の裁判で決着がついている』と」
今度こそドラーガさんのターンが始まった。
「い、言ったからどうした」
「俺があんなしょぼい根拠でこんな町の外れくんだりまで出向いてきたとでも思ってんのか? おめでたい頭してやがんなぁ」
煽りに煽るドラーガさん。デュラエスのこめかみにはピクピクと血管が浮き出ている。
「はっきりと言おう。俺はその女、イリスウーフが無罪だなんて一言も言ってねえぜ? むしろ確かに有罪だと思っている」
ええええ? 何言いだすのこの人? 無罪だって言ってなかったっけ!? え? 言ってなかった? どういうこと?
イリスウーフさんの方を見る。てっきり彼女は信じていた人に裏切られたと、絶望の色を顔に浮かべているのだろうと思たのだけど……なんと彼女は、うっすらと笑顔を浮かべていたのだ。
「そしてもちろん、イリスウーフ自身も『有罪』だと思っている。『罪を償いたい』ともな」
なにを……何を言い出すの、この人は?
「その上で、この裁判と処刑は『無効だ』と言ってるんだ。分かるか?」
分からない。何を言っているのかさっぱり分からない。
「ふざけるな! 償いたいのならば、罪を償えばよい!! その首を地に落とすことでな!!」
もはや怒りの感情を隠すこともなくデュラエスが叫んだ。しかしそれでもドラーガさんは笑みを崩さない。
「だがもし、『すでに罪を償っている』としたらどうだ?」
その時確かに空気が変わった。
私達も市民も何が起きているのか、全く理解の範疇の外で思考が追いつかなかったけど、しかし確かにデュラエスの顔色が一気に蒼白になったのだ。
「首切り役人!!」
デュラエスが表情を一転、怒って……いや、あれは焦りの表情か? 首切りアーサーを呼びつける。
「何をしている! さっさと首を落とせ!! 令状はここにある!」
もはや最初の頃のような余裕はない。早く刑を執行しろと首切りアーサーにせっついている。ドラーガさんの言ったことはよほど触れられたくないことなのか。
「し……しかし」
「俺に逆らうか!! 貴様は黙って首を切ればよいのだ!!」
とうとう本性を現したというか……高圧的に、頭ごなしに怒鳴りつける。しかし首切りアーサーは斧を振りかぶろうとはしない。事態に対応できず、おろおろと戸惑っている感じだ。
そうこうしていると、ドラーガさんが二人のやり取りを無視して話し出した。
ぴっ、と人差し指を立てていつもの余裕の表情。「罪を償っている」とは一体どういうことか。
「法の原則ってのは他にもいろいろとある。そのうちの一つが二重処罰の禁止だ……」
ダブルジョパディ? 必殺技の名前みたいだけど。いったいそれは?
「何人たりとも同一の犯罪によって二度処罰されることがあってはならない」
「ぐっ……」
デュラエスがうめき声を上げる。なんとなく……私にもなんとなく分かってきたぞ。つまり、ドラーガさんが言っていたことは、そういう事か。
「お前さっき確かに言ったな? 『三百年前の裁判で決着がついている』、と」
ドラーガさんは懐からゴソゴソと何枚かの紙を取り出してそれを見ながら言葉を続ける。
「俺も気になったから調べてみたんだよ。当時の裁判記録やらなにやら、記録と名のつく物は片っ端からな。
結論から言うぜ。イリスウーフは旧カルゴシアの崩壊の件でたしかに三百年前に有罪判決を受けて、そして刑罰を受けている。ええと……どんな刑だったかな?」
そう言ってドラーガさんはイリスウーフさんに視線を送る。彼女は小さい声で「火口投下刑です」と答えた。そう、彼女は既にその件で刑の執行を受けているのだ。
当然と言えば当然。一度刑の執行を受けた人間が、同じ犯罪で何度も刑罰を受けるなどあり得るはずがない。法に詳しくない人間でも直感的にそれは分かる。ようやく私はドラーガさんの余裕の表情の根拠を知ることができた。
「ハイ、そういうわけで今っ度こそ解散! さあ~、娯楽の時間はお終いだ。お前ら帰った帰った」
「ま、待て! そんなことは認められん!」
しかしデュラエスは未だ諦めがつかないのか、必死でドラーガさんを止める。
「んだよ、この期に及んでまだ生き恥晒そうってのか? いいぜ、どこまでも付き合ってやるよ」
「ふざけるのもたいがいにしろ、『刑は執行された』だと? 現にイリスウーフはこうしてのうのうと生きているではないか! これでは被害者が報われん! その三百年前の無念をこの俺が晴らそうというのだ。市民達よ!」
デュラエスはドラーガさんではなく、市民達の方に向かって語り掛ける。
「お前達にも家族がいるだろう、愛する者がいるだろう。その者達が無残にも殺され、踏みにじられたというのに、当の犯人がのうのうと生きている。そんな無法が許されると思うのか? 許されていいのか!!」
とうとう情に訴えかけてきたのだ。もはやなりふり構わなくなってきた。
冷静さを取り戻したデュラエスが滔々と語る。
「当初、引き金を引けば矢が発射されると一般には広く知られていなかったとしよう。当然これを人に向けて発射されても罪とする法がなかったとして、これをもって行った殺人が無罪となるだろうか?」
静まり返る聴衆。私達も、そしてドラーガさんもその問いには答えない。
「当然ならない。殺意を持って行った凶行が、その凶器が知られていなかったというだけで無罪となるはずなどないのだ」
「まあ……」
ドラーガさんが口を開く。よし、ドラーガさんのターンだ。一体どんな屁理屈で彼を言い負かすのか!
「それは一旦こっちに置いておいて……だ」
おおい!!
マジかよお前!! 荷物を脇に置いとくようなパントマイムしてんじゃねーよ!! 真面目にやれよ!! デュラエスも苦笑いだろうが!!
「あ、アルグスさん……?」
クオスさんが小声で、押し合いをやめて立ち尽くしてるアルグスさんに話しかける。
「これ、もしかして時間稼ぎなんじゃ……? もしかしたらこのくだらない会話をしてる間に刑場に近づいた方がいいんじゃ?」
「ん……? そ、そうなのか?」
アルグスさんが辺りを見回す。先ほどまで押し合い圧し合いしていた騎士団の男達も向きを変えて、アホづらさげて壇上に注目している。確かにチャンスと言えばチャンスなのかもしれない……でも。
「よし、一気に……」
「待ってください」
決意の炎を目に宿しかけたアルグスさんを……私が止めた。
「ごめんなさい、根拠はないんですけど、もう少しだけ待ってください」
そう。根拠はないのだが。
「ドラーガさんは、まだ『隠し玉』を持っています。……もう少しだけ、彼を信じてみましょう」
根拠はないのだが、私の本能が、もう少しだけ、彼を信じてみようと言ったのだ。彼の余裕の笑みに、何かありそうな、そんな気がしたんだ。
「確かに言ったな……? 『三百年前の裁判で決着がついている』と」
今度こそドラーガさんのターンが始まった。
「い、言ったからどうした」
「俺があんなしょぼい根拠でこんな町の外れくんだりまで出向いてきたとでも思ってんのか? おめでたい頭してやがんなぁ」
煽りに煽るドラーガさん。デュラエスのこめかみにはピクピクと血管が浮き出ている。
「はっきりと言おう。俺はその女、イリスウーフが無罪だなんて一言も言ってねえぜ? むしろ確かに有罪だと思っている」
ええええ? 何言いだすのこの人? 無罪だって言ってなかったっけ!? え? 言ってなかった? どういうこと?
イリスウーフさんの方を見る。てっきり彼女は信じていた人に裏切られたと、絶望の色を顔に浮かべているのだろうと思たのだけど……なんと彼女は、うっすらと笑顔を浮かべていたのだ。
「そしてもちろん、イリスウーフ自身も『有罪』だと思っている。『罪を償いたい』ともな」
なにを……何を言い出すの、この人は?
「その上で、この裁判と処刑は『無効だ』と言ってるんだ。分かるか?」
分からない。何を言っているのかさっぱり分からない。
「ふざけるな! 償いたいのならば、罪を償えばよい!! その首を地に落とすことでな!!」
もはや怒りの感情を隠すこともなくデュラエスが叫んだ。しかしそれでもドラーガさんは笑みを崩さない。
「だがもし、『すでに罪を償っている』としたらどうだ?」
その時確かに空気が変わった。
私達も市民も何が起きているのか、全く理解の範疇の外で思考が追いつかなかったけど、しかし確かにデュラエスの顔色が一気に蒼白になったのだ。
「首切り役人!!」
デュラエスが表情を一転、怒って……いや、あれは焦りの表情か? 首切りアーサーを呼びつける。
「何をしている! さっさと首を落とせ!! 令状はここにある!」
もはや最初の頃のような余裕はない。早く刑を執行しろと首切りアーサーにせっついている。ドラーガさんの言ったことはよほど触れられたくないことなのか。
「し……しかし」
「俺に逆らうか!! 貴様は黙って首を切ればよいのだ!!」
とうとう本性を現したというか……高圧的に、頭ごなしに怒鳴りつける。しかし首切りアーサーは斧を振りかぶろうとはしない。事態に対応できず、おろおろと戸惑っている感じだ。
そうこうしていると、ドラーガさんが二人のやり取りを無視して話し出した。
ぴっ、と人差し指を立てていつもの余裕の表情。「罪を償っている」とは一体どういうことか。
「法の原則ってのは他にもいろいろとある。そのうちの一つが二重処罰の禁止だ……」
ダブルジョパディ? 必殺技の名前みたいだけど。いったいそれは?
「何人たりとも同一の犯罪によって二度処罰されることがあってはならない」
「ぐっ……」
デュラエスがうめき声を上げる。なんとなく……私にもなんとなく分かってきたぞ。つまり、ドラーガさんが言っていたことは、そういう事か。
「お前さっき確かに言ったな? 『三百年前の裁判で決着がついている』、と」
ドラーガさんは懐からゴソゴソと何枚かの紙を取り出してそれを見ながら言葉を続ける。
「俺も気になったから調べてみたんだよ。当時の裁判記録やらなにやら、記録と名のつく物は片っ端からな。
結論から言うぜ。イリスウーフは旧カルゴシアの崩壊の件でたしかに三百年前に有罪判決を受けて、そして刑罰を受けている。ええと……どんな刑だったかな?」
そう言ってドラーガさんはイリスウーフさんに視線を送る。彼女は小さい声で「火口投下刑です」と答えた。そう、彼女は既にその件で刑の執行を受けているのだ。
当然と言えば当然。一度刑の執行を受けた人間が、同じ犯罪で何度も刑罰を受けるなどあり得るはずがない。法に詳しくない人間でも直感的にそれは分かる。ようやく私はドラーガさんの余裕の表情の根拠を知ることができた。
「ハイ、そういうわけで今っ度こそ解散! さあ~、娯楽の時間はお終いだ。お前ら帰った帰った」
「ま、待て! そんなことは認められん!」
しかしデュラエスは未だ諦めがつかないのか、必死でドラーガさんを止める。
「んだよ、この期に及んでまだ生き恥晒そうってのか? いいぜ、どこまでも付き合ってやるよ」
「ふざけるのもたいがいにしろ、『刑は執行された』だと? 現にイリスウーフはこうしてのうのうと生きているではないか! これでは被害者が報われん! その三百年前の無念をこの俺が晴らそうというのだ。市民達よ!」
デュラエスはドラーガさんではなく、市民達の方に向かって語り掛ける。
「お前達にも家族がいるだろう、愛する者がいるだろう。その者達が無残にも殺され、踏みにじられたというのに、当の犯人がのうのうと生きている。そんな無法が許されると思うのか? 許されていいのか!!」
とうとう情に訴えかけてきたのだ。もはやなりふり構わなくなってきた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
導きの暗黒魔導師
根上真気
ファンタジー
【地道に3サイト計70000PV達成!】ブラック企業勤めに疲れ果て退職し、起業したはいいものの失敗。公園で一人絶望する主人公、須夜埼行路(スヤザキユキミチ)。そんな彼の前に謎の女が現れ「承諾」を求める。うっかりその言葉を口走った須夜崎は、突如謎の光に包まれ異世界に転移されてしまう。そして異世界で暗黒魔導師となった須夜埼行路。一体なぜ異世界に飛ばされたのか?元の世界には戻れるのか?暗黒魔導師とは?勇者とは?魔王とは?さらに世界を取り巻く底知れぬ陰謀......果たして彼を待つ運命や如何に!?壮大な異世界ファンタジーが今ここに幕を開ける!
本作品は、別世界を舞台にした、魔法や勇者や魔物が出てくる、長編異世界ファンタジーです。
是非とも、気長にお付き合いくだされば幸いです。
そして、読んでくださった方が少しでも楽しんでいただけたなら、作者として幸甚の極みです。
勇者に滅ぼされるだけの簡単なお仕事です
天野ハザマ
ファンタジー
その短い生涯を無価値と魔神に断じられた男、中島涼。
そんな男が転生したのは、剣と魔法の世界レムフィリア。
新しい職種は魔王。
業務内容は、勇者に滅ぼされるだけの簡単なお仕事?
【アルファポリス様より書籍版1巻~10巻発売中です!】
新連載ウィルザード・サーガもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/375139834/149126713
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
異世界居酒屋さわこさん細腕繁盛記
鬼ノ城ミヤ(天邪鬼ミヤ)
ファンタジー
陸奥さわこ 3*才独身
父が経営していた居酒屋「酒話(さけばなし)」を父の他界とともに引き継いで5年
折からの不況の煽りによってこの度閉店することに……
家賃の安い郊外へ引っ越したさわこだったが不動産屋の手違いで入居予定だったアパートはすでに入居済
途方にくれてバス停でたたずんでいたさわこは、そこで
「薬草を採りにきていた」
という不思議な女子に出会う。
意気投合したその女性の自宅へお邪魔することになったさわこだが……
このお話は
ひょんなことから世界を行き来する能力をもつ酒好きな魔法使いバテアの家に居候することになったさわこが、バテアの魔法道具のお店の裏で居酒屋さわこさんを開店し、異世界でがんばるお話です
姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰しのための奮闘が賞賛される流れに~
果 一
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。
王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。
類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。
『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』
何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。
そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。
「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」
その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。
英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?
これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。
※本作はカクヨムでも公開しています。カクヨムでのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる