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生の始まりは混沌の粥に過ぎず
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「三百年ほど昔の事になります。北の方のピアレスト王国で、『転移魔法』というものが開発されました」
窓の外では段々と東の空が白んできた。もう夜明けも近い。蝋燭の明かりで薄暗く照らされる自分の屋敷の中の一室で“悪女”アルテグラは講釈を垂れていた。
生徒はもちろん天文館のギルドマスター、セゴー。
しかし彼女の難しい話に嫌気がさしたのか、それとも夜更けだからなのか、うんざりしたような表情をしている。
「ですが、その転移魔法は開発されてすぐに『おぞましいものである』とされて封印され、そしてその後誰も研究を続けようともしませンでした。便利だったのに。なんででしょうネ?」
「それがエイリアスなんとかだってのか?」
「その通りです」
骸骨の顔でも分かるくらいにドヤ顔でアルテグラが答える。しかしもうセゴーは限界のようだ。
「物質を転移させるときに、現物を高速で移動させようとすると物体には様々な抵抗がかかります。慣性力、圧力、温度、空気抵抗……とにかく物を無傷で送ろうなんて魂胆は潰えます。それが人ならさらに大きな問題になります。当然死にますからネ? そこで、転移魔法では物質の情報だけを相手側に送って現地にある物質で再構成……」
「もういい! もう十分だ!」
とうとう爆発してしまった。セゴーは小難しい話についていけなくて彼女の言葉を打ち切った。
物質を転送することが何だというのだ。エイリアスが何だというのだ。「一時的に同じ人間が二人存在してしまう」などと説明されたが、それがいったい何だというのか。
古い自分の身体を捨てて、目の前にある十代の新しい体を手に入れる。それを定期的に繰り返すことで永遠に生き続ける。たとえ殺されても竜の魔石さえあれば何度でも蘇ることができる。その気になれば今の自分と全く違う姿にも生まれ変われる。夢のような話だ。
その美味しそうなエサが目の前にぶら下がっているのにアルテグラはぐだぐだと小難しい話ばかり。
子を成せなくなるからなんだというのだ。エイリアス問題が何だというのだ。それが永遠の命よりも重要な事なのか。
「ええ~……ここからが重要な話なのにぃ……」
「よいではないか、アルテグラ」
ガックリと肩を落とすアルテグラに“聖金貨の”デュラエスが声をかける。
「転生法は我らにとっては既知の技術。かくいう俺もこれによって既に三百年以上の時を生きている。アルテグラは見ての通り使ってはおらんがな」
「私は転生法ができる前にリッチになりましたからネ」
「納得したうえで『説明が不要』というのならば俺達も時間の節約ができる。すでに『記憶の書き写し』と『埋め込み』は終わっているのだからな」
デュラエスがそう言うとセゴーはようやく安心したような顔を見せた。夜半頃に屋敷を訪れ、「竜の魔石」への記憶の書き写しには四時間もの時を要した。その後1時間強の手術により目の前にある若い死体に魔石を埋め込み、ようやく転生できる、となった時点でのこのアルテグラの長い講釈が始まったのだ。もう我慢の限界であった。
「まっ、そこまで言うならいいデしょう……セゴーさん、その魔法陣の中央に立ってください。儀式を始めるとしましょウ」
寝台に寝かされている、若く体躯のある青年の身体。これがもうすぐ自分のものになるのだ。
セゴーは笑いを押さえきれず、ニヤついた顔で寝台の手前にある魔法陣の中央に立った。
「え~、先ほども説明しましたが、素体のうなじに埋め込んだ『竜の魔石』には人の記憶を吸着する性質がありまス。細かく言うと魔石の中に仮想人格を形成できるほどの膨大な人間の記憶を記録することができる、ということで……まあ、有り体に言えば『人の魂を集める』効果があるんですネ。これによって……」
「アルテグラ」
眉間にしわを寄せ、睨みつける様に低い声でセゴーが呟く。
「御託はもういいと言ったはずだ」
もはや七聖鍵との力関係も無視するほどに怒りが募っているようであった。
「そ、そんな怖い顔しないで……いけませんネ。私の悪い癖です。説明するの好きなんですヨ。えへへ……」
言い訳するように取り繕うと、アルテグラは今度こそ呪文をぶつぶつと呟き始める。
黒い手袋を外し、白骨化した白い手が見える。不気味ではあるが、もはやそんな細かいことはセゴーには気にならない。
「世界を滅ぼす竜の欠片よ、人の悲しみが生み出した大いなる矛盾よ。送り出したるか弱きものの影を作り出し給え。
たとえそれが人の宿命であろうとも、形あるものの運命であろうとも、その欠片の中には永遠に在り給え」
アルテグラの呪文の中、セゴーは術の邪魔にならないように、深呼吸をしてゆっくりと気を落ち着ける。
「生の始まりは混沌の粥に過ぎず
神は人が生み出した慰めに過ぎず
魂は記憶の影に過ぎない」
ゆっくりと気を落ち着けていると、アルテグラの詠唱がなんだか子守歌のように聞こえてきていた。じわり、と足元の魔法陣から黒い靄のようなものが溢れているような気がする。
……本当に転生ができるのか。彼が考えていることは、ただそれだけであった。
「そして世界が残酷なのは
人が罪を犯し続けるが故
今ここに、罪人の躯を縛り給え」
ドサリ、とセゴーは糸が切れた操り人形のように魔法陣の中に崩れ落ちた。
「フッ、上手くいったようだな」
沈黙したアルテグラの代わりに、デュラエスが呟く。
すると、寝台に寝かされていた青年の目がゆっくりと開いた。小さくうめき声を上げ、辛そうに首をひねり、動かなくなったセゴーの身体を見て、そしてにやりと笑った。
「成功……したのか」
体が上手く動かないのか、顔をしかめ、歯を食いしばり、全身全霊の力を込めて、ようやく横向きに上半身だけを少し上げて、そして次に自分の手をゆっくりと観察する。
「は……ふはははは! 本当に! 本当に転生してるぞ! これが! ギルドマスター、セゴーの新しい姿か!」
「慣れるまでは無理に動かない方がいいですヨ? セゴーさん、ついさっきまで死んでた体なんですから」
しかしアルテグラの心配する声も聞こえないようで、目を彷徨わせるようにせわしなく自分の身体を見ている。
「わ、若返ってる! これが俺の身体か! う、上手く動けないようだが……?」
「だから、さっきまで死んでたからですって。じき慣れますよ。気分はどうですカ?」
問いかけられてセゴーは天を仰ぎ、嗚呼、とうめき声を上げる。
「最高の気分だ……生まれ変わったんだな。恩に着る、本当に……」
「いえいえ、喜んでもらえたようで良かったです。
ところで、そのぅ……古い体の方はどうします? こちらで処理しておきましょうか?」
「ああ、そんなもん早く捨ててくれ。おぞましい」
どうやら体の方はまだうまく動かないようではあるが、しかし意識ははっきりしており、己の若返った姿を認識して大変満足しているようであった。
すぐに控えていた色白のメイドが衣服をセゴーに手渡す。ぼそぼそと覇気のない声で、セゴーに「着替えを手伝う」と話しかけている。
「ボルデュー、セゴーさんの古い体をいつもの場所に運んでください」
アルテグラがそう声をかけると、巨漢の使用人が、少し反応が遅れてゆっくりと動き出す。
― どういうことだ? 術は失敗したのか? ―
― なぜ からだが うごかないんだ ―
窓の外では段々と東の空が白んできた。もう夜明けも近い。蝋燭の明かりで薄暗く照らされる自分の屋敷の中の一室で“悪女”アルテグラは講釈を垂れていた。
生徒はもちろん天文館のギルドマスター、セゴー。
しかし彼女の難しい話に嫌気がさしたのか、それとも夜更けだからなのか、うんざりしたような表情をしている。
「ですが、その転移魔法は開発されてすぐに『おぞましいものである』とされて封印され、そしてその後誰も研究を続けようともしませンでした。便利だったのに。なんででしょうネ?」
「それがエイリアスなんとかだってのか?」
「その通りです」
骸骨の顔でも分かるくらいにドヤ顔でアルテグラが答える。しかしもうセゴーは限界のようだ。
「物質を転移させるときに、現物を高速で移動させようとすると物体には様々な抵抗がかかります。慣性力、圧力、温度、空気抵抗……とにかく物を無傷で送ろうなんて魂胆は潰えます。それが人ならさらに大きな問題になります。当然死にますからネ? そこで、転移魔法では物質の情報だけを相手側に送って現地にある物質で再構成……」
「もういい! もう十分だ!」
とうとう爆発してしまった。セゴーは小難しい話についていけなくて彼女の言葉を打ち切った。
物質を転送することが何だというのだ。エイリアスが何だというのだ。「一時的に同じ人間が二人存在してしまう」などと説明されたが、それがいったい何だというのか。
古い自分の身体を捨てて、目の前にある十代の新しい体を手に入れる。それを定期的に繰り返すことで永遠に生き続ける。たとえ殺されても竜の魔石さえあれば何度でも蘇ることができる。その気になれば今の自分と全く違う姿にも生まれ変われる。夢のような話だ。
その美味しそうなエサが目の前にぶら下がっているのにアルテグラはぐだぐだと小難しい話ばかり。
子を成せなくなるからなんだというのだ。エイリアス問題が何だというのだ。それが永遠の命よりも重要な事なのか。
「ええ~……ここからが重要な話なのにぃ……」
「よいではないか、アルテグラ」
ガックリと肩を落とすアルテグラに“聖金貨の”デュラエスが声をかける。
「転生法は我らにとっては既知の技術。かくいう俺もこれによって既に三百年以上の時を生きている。アルテグラは見ての通り使ってはおらんがな」
「私は転生法ができる前にリッチになりましたからネ」
「納得したうえで『説明が不要』というのならば俺達も時間の節約ができる。すでに『記憶の書き写し』と『埋め込み』は終わっているのだからな」
デュラエスがそう言うとセゴーはようやく安心したような顔を見せた。夜半頃に屋敷を訪れ、「竜の魔石」への記憶の書き写しには四時間もの時を要した。その後1時間強の手術により目の前にある若い死体に魔石を埋め込み、ようやく転生できる、となった時点でのこのアルテグラの長い講釈が始まったのだ。もう我慢の限界であった。
「まっ、そこまで言うならいいデしょう……セゴーさん、その魔法陣の中央に立ってください。儀式を始めるとしましょウ」
寝台に寝かされている、若く体躯のある青年の身体。これがもうすぐ自分のものになるのだ。
セゴーは笑いを押さえきれず、ニヤついた顔で寝台の手前にある魔法陣の中央に立った。
「え~、先ほども説明しましたが、素体のうなじに埋め込んだ『竜の魔石』には人の記憶を吸着する性質がありまス。細かく言うと魔石の中に仮想人格を形成できるほどの膨大な人間の記憶を記録することができる、ということで……まあ、有り体に言えば『人の魂を集める』効果があるんですネ。これによって……」
「アルテグラ」
眉間にしわを寄せ、睨みつける様に低い声でセゴーが呟く。
「御託はもういいと言ったはずだ」
もはや七聖鍵との力関係も無視するほどに怒りが募っているようであった。
「そ、そんな怖い顔しないで……いけませんネ。私の悪い癖です。説明するの好きなんですヨ。えへへ……」
言い訳するように取り繕うと、アルテグラは今度こそ呪文をぶつぶつと呟き始める。
黒い手袋を外し、白骨化した白い手が見える。不気味ではあるが、もはやそんな細かいことはセゴーには気にならない。
「世界を滅ぼす竜の欠片よ、人の悲しみが生み出した大いなる矛盾よ。送り出したるか弱きものの影を作り出し給え。
たとえそれが人の宿命であろうとも、形あるものの運命であろうとも、その欠片の中には永遠に在り給え」
アルテグラの呪文の中、セゴーは術の邪魔にならないように、深呼吸をしてゆっくりと気を落ち着ける。
「生の始まりは混沌の粥に過ぎず
神は人が生み出した慰めに過ぎず
魂は記憶の影に過ぎない」
ゆっくりと気を落ち着けていると、アルテグラの詠唱がなんだか子守歌のように聞こえてきていた。じわり、と足元の魔法陣から黒い靄のようなものが溢れているような気がする。
……本当に転生ができるのか。彼が考えていることは、ただそれだけであった。
「そして世界が残酷なのは
人が罪を犯し続けるが故
今ここに、罪人の躯を縛り給え」
ドサリ、とセゴーは糸が切れた操り人形のように魔法陣の中に崩れ落ちた。
「フッ、上手くいったようだな」
沈黙したアルテグラの代わりに、デュラエスが呟く。
すると、寝台に寝かされていた青年の目がゆっくりと開いた。小さくうめき声を上げ、辛そうに首をひねり、動かなくなったセゴーの身体を見て、そしてにやりと笑った。
「成功……したのか」
体が上手く動かないのか、顔をしかめ、歯を食いしばり、全身全霊の力を込めて、ようやく横向きに上半身だけを少し上げて、そして次に自分の手をゆっくりと観察する。
「は……ふはははは! 本当に! 本当に転生してるぞ! これが! ギルドマスター、セゴーの新しい姿か!」
「慣れるまでは無理に動かない方がいいですヨ? セゴーさん、ついさっきまで死んでた体なんですから」
しかしアルテグラの心配する声も聞こえないようで、目を彷徨わせるようにせわしなく自分の身体を見ている。
「わ、若返ってる! これが俺の身体か! う、上手く動けないようだが……?」
「だから、さっきまで死んでたからですって。じき慣れますよ。気分はどうですカ?」
問いかけられてセゴーは天を仰ぎ、嗚呼、とうめき声を上げる。
「最高の気分だ……生まれ変わったんだな。恩に着る、本当に……」
「いえいえ、喜んでもらえたようで良かったです。
ところで、そのぅ……古い体の方はどうします? こちらで処理しておきましょうか?」
「ああ、そんなもん早く捨ててくれ。おぞましい」
どうやら体の方はまだうまく動かないようではあるが、しかし意識ははっきりしており、己の若返った姿を認識して大変満足しているようであった。
すぐに控えていた色白のメイドが衣服をセゴーに手渡す。ぼそぼそと覇気のない声で、セゴーに「着替えを手伝う」と話しかけている。
「ボルデュー、セゴーさんの古い体をいつもの場所に運んでください」
アルテグラがそう声をかけると、巨漢の使用人が、少し反応が遅れてゆっくりと動き出す。
― どういうことだ? 術は失敗したのか? ―
― なぜ からだが うごかないんだ ―
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