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社会人

後味の悪さは続く

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これまで書いてきたこと。

中学や高校でクラスでは目立たないが、吹奏楽部ではパートリーダーになるなど居心地がよく、その居心地の良さから生活の大部分を吹奏楽部に費やした。

高校で出会った指揮者には「これだけ貢献しているのだから私のことが好きだろう」と妄想して、最後には、指揮者と私の後輩とが付き合っていること知り失恋。
自暴自棄になったが、カウンセリングを受けたり就職したりで心に整理がつき、彼らの結婚式にも参列。ジ・エンド。

である。


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私自身の反省の前に、まずはS先輩や、S先輩に限らず指導対象の生徒と恋愛関係になった指揮者について書きたい。けっこうそういう話聞くので。

私が失恋してその後は手痛い目にあっているのでポジショントークになるが、成人している指揮者が、指導対象の未成年の学生と恋愛することはやめてほしい。たとえ学生の方から好意を示されたとしても、自分はそういう気が無いことを断固として示してほしい。

また、これはS先輩だけかもしれないが……吹奏楽部の活動に熱心であったり楽器が上手い子に、そうでない他の子のことについて「あの子は使えない」と、言って欲しくない。

私は吹奏楽部の活動にかなり熱心だったし、学区内でもトップの中学吹奏楽部にいたこともあり、高校吹奏楽部に入ったときは既に他の子より上手かった。指揮者にとって都合が良かった。

けれど、それがあたかも自分が優れていると思ったり、ましてや本来は仲間の同期を見下すことを「あの子は使えない」と指揮者から言われると冗長してしまう。

S先輩から夜の公園でこういったことを言われているとき、とても心地良かった。もっと頑張ろうと思った。
けれど、指揮者にとってはもっと頑張ってくれることは都合が良いが、言われた方はその意味を考えなくてはならない。

そもそも使える使えないなんて言葉も嫌だ。


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では次に私について。
ツッコミどころ満載である。

なぜそんなに思い込んで付き合えると思ってしまうのか。
楽器の技能や吹奏楽部への貢献が、なぜ恋愛的な好印象にダイレクトにつながると信じれるのか。

具体的には「これだけ楽器や副部長業を頑張ったのだから、指揮者と付き合えるはず」となぜ思うのか。
「これだけ●●をしたのだから、▲▲できるはず」は、そりゃ、これだけ勉強したからテストで良い点とれるはず。なら良いけど。

本来は相関の弱い●●と▲▲が、妄想力によって、あたかも相関が強いように思い込んでしまう。思い込みたい。


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高校生の私にアドバイスできるなら、目をそらすなと言いたい。

指揮者に恋したことは止められなかったかもしれないが、目を逸らさずに、つまりは妄想して自分に都合の良い世界に浸ってはいけない。そうすれば、傷は浅かった。

傷を深くしたのは、間違いなく私である。

もう指揮者への恋は終わった、ということで整理がついている。そして整理はついているが後味は悪い。
その後味の悪さの原因は、今現在も、恋愛や仕事や家のことで、現実から目を逸らしていないか?に向き合い続けないといけないからだ。

指揮者とのことは終わったが、目の前のことを直視できているのか問うことは終わっていない。


ここまでお読みくださり本当にありがとうございました!
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