指揮者に恋した元吹奏楽部員の後味悪い話

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社会人

結婚式に参列

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就職して5年が経ったころ、私が好きだったS先輩と、後輩のFちゃんの結婚式の招待状が届いた。

招待状を破かずに済んだ私を褒めてほしい。
参列した私を褒めてほしい。

「結婚式で何か起こって台無しになれー台無しになれー」と思いながら参列したが、私の念の力は弱いらしく、無事に式は終わった。

式で久しぶりに見る仲睦まじい二人については、そこまで心をえぐることは無かったが、嫌な気持ちになったのは、会場の入場口付近に置かれていたアルバムだった。そのアルバムには、新郎新婦が付き合っているときのデートでの写真がいっぱいあった。

時期的に、私が「きっとS先輩も私のことが好き。いつか付き合える❤︎」と妄想しているときのものもあり、「ああぁ、なんて私は馬鹿で惨めなんだろう」と辛くなった。

ともあれ、時間の経過や、私が地元を離れたことで冷静に自分を見ることができるようになって、トドメとして彼と彼女の結婚式にも参列。

私の長かったS先輩への恋愛はここで終焉した。これから末永くいっしょに暮らしてほしいと思っている。

まぁ、末永くお幸せにとは正直なところ思っていないが、末永くご一緒にとは願っている。
別れて私とどうのこうのなんて全く思わない。



つづく(次回最終回)
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