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ガッツァ・ウルム

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 首の断面から吹き荒れる血が散る。
 「な!?なんじゃ!? 奴は何をしたのじゃ!?」

 俺のスキルの内容は見えていないのか。プロテクトなんてスキルは持っていないが見えないなら、好都合だ。

 「俺は触れた者を奴隷に出来る」

 「それが本当なら厄介なスキルだ…」
 「何!?いつ奴に触れたのじゃ!?」

 「紙を渡す時に触れて、奴隷にした」

 「あの時か!!」

 「お前らも奴隷にしてやる…」

--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--
--奴隷の灯火使用  ステータス倍加--

 み王っ!お下がりくださいっ!! 奴のオーラが変わりました!!む

 「ヒィィ…」
 王はウルムに引っ張られ尻餅をつく。

 「やはり協力しないのなら、レベルも高く無い今!殺すべきです!! 敵になればかなり厄介になります!」

 「空刃」「炎息」「雷指」
 
 リョウガは身体の上半身を仰け反り、息を肺に溜め込み、雷を纏った両手を筒の様な形にしそこに息を吹き込んだ。
 放たれた息は雷を纏いながら、燃え上がるり、その周りには見えない刃を纏い、ウルム目掛けて一直線に疾る。

 「絶剣」

 『ドシュバッ シュバシュバババババッ』

 放ったブレスはウルムに当たる事なく、ウルムの目の前で一瞬にしてコッパ微塵になり消えていく。


「驚いた…レベル1であろうにスキルを4つも使えるとは。いや奴隷に出来るというスキルが本当なら5つもか」

 な…速過ぎて、太刀筋が全く見えなかった…

 「しかし奴隷に出来るというスキルを触れなければ意味がなかろう」

 ウルムはその場から突きの構えを取り、刃先をこちらに向ける。

 「お返しだ!進剣波!」
 刃先から波動の様な波が放たれる。

 避けれない…範囲が広い…防ぐ術も無い…下だ!!

 『ダンッ』

 リョウガは両手の掌を床に密着させる。
 「石破」

 『バゴッガラッガラッ』

 『ドガァァァァンッ!!』

 間一髪、リョウガとリザは破砕した床の窪みに収まり避けたが、背後の壁は吹き飛んでいる。
 吹き飛んだ壁向こう側で騎士達が警戒態勢で待機していた。

 奴隷の灯火でステータスは倍加されているというのに、アラートが鳴っている…
 ウルムは更に格上のステータスなのだろう。
 動きも技の威力も桁違い。それに背後には多数の騎士…

 俺が死ぬとリザまでも…

 前を向くとウルムのオーラに背筋がゾッとし、身体が強張り硬直する。
 今の俺ではガッツァ・ウルムに恐らく負ける。奴隷の灯火を使っているのに足下にも及ばない。
 ここの騎士全員を奴隷にしても勝てる気がしない。
 覇気で身体に重圧を段違いに感じる。
怒りのままに行動し、もし俺が負けたら、リザまでも犠牲にしてしまう。

 「レベル1で私に勝てるとでも思ったか。転生後すぐ死ぬ事になるとは残念だな…この地に転生させた神を恨め」


 ウルムはリョウガとリザに近づき、剣を振り上げ、力を溜め振りかざす。
 「無剣」
 剣の通り道は空間ごと、床も抉られて無くなっていた。
 リョウガとリザ諸共その姿は無い。

 「やったのか!?」

 「はい…しかしレベル1でスキル何個持っていたんでしょうね」

 「ん……何だこの霧…」
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