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ローランド国へ
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国の周りには石の壁が囲うように聳え立ち、モンスターの侵入を防いでいる。その壁の北と南に国出入りする為の大きな鉄門があり、通行証を門番に見せる事で通れるようになっている。
二人はガンバルム国側の南門に辿り着いた。
門の前に立っていた門番らしき人間に「ハンターか?」と聞かれ、ハンタープレートを見せる。それを確認した門番はレバーを回し鉄門が開く。
開いた門の奥にはヨーロッパ風の綺麗な建物が立ち並び、沢山の人々で賑わい、活気で溢れていた。
ガンバルム国とは違い、防具屋とは別に服屋、装飾品、雑貨屋、宝石屋など様々な商売が盛んになっていて、寧ろハンターの方が人数が少なく感じる。
そして煌びやかな夜景がこの街の裕福さを語っていた。
「ガンバルムとの格差社会はんぱねぇな…」
「まぁ貴族の国と云われているくらいだからね…」
俺達はとりあえず宿屋に一泊分の手続きをしに行き、宿屋に泊まるのを後にした。
その前に先程、手に入れたハードンの材料を売る為に商店街へ足を運んだ。
モンスター素材の買取なら武具店が需要があり、高値で買い取ってくれるだろうと。
一番派手そうな看板を掲げている武具店に入った。
中に入るとツルツル頭のちょび髭を生やした筋肉盛り盛りのオッさんが出迎えてくれて、とてもオッさんの外見からは想像出来ない程に店内の至る所には武器が綺麗に並べて飾ってある。
「いらっせぃっ!!」
「あのぉモンスターの素材売りたいんですけど」
「ほいほいっ。何の素材だ?」
俺はハードンの爪とエラを台の上に置いた。
「何だこれぇ!?ハードンの素材か!?」
「ふふ…そうなんだよ。このハードン恐らく十年に一度位のデカさだったんだ」
「こりゃたまげた…。こんなの見たこともねぇ!!」
「オッちゃんも目が高えな。で、どのくらいの価値がある?」
「両方で5000Bellだな」
「「やっすっ!!」」
「ハードンの素材なんて大して使わねぇからな」
「そ、そんな…」
エマが何とか色気をつかい交渉を試みたが効果は薄く5500Bellで仕方がなく手を打つ。
「私の色気は500Bellの価値なのね…」とぼそぼそと嘆きしばらく落ち込んでいたーー
しかし宿屋に戻るのにもチェックインまで時間に余裕があったので、次に二人はローランド国ハンター総支部に向かった。早速、受付にエマの姉の事を聞く為に。
外見は違えども、ハンタークエスト受注やハンターランクの仕様などはガンバルム国と変わりは無くすべて全国共通。
ハンターの資格さえ持っていれば何処に行っても仕事は受けれるようになっている。
二人が受付に近づくとそれに気づいた受付嬢が先に声を掛ける。
「こんばんわ。クエストの受注ですか?」
「いやっ。あの、フォーリアル・エリスって方ご存知ですか?」
「すいません…。私、最近受付に配属されたばかりでしてその様なハンターはご存知有りません」
「そ、そうなんですか……」
「ハンター履歴から最後に受けた依頼などなら検索できますが、お調べしますか?」
エマは身を乗り出し、声を荒げる。
「お願いします!!」
受付嬢は焦るエマに少々お待ち下さいと伝え、機械を弄り始めた。
数分後、何か見つかった様子を見せる受付嬢。
「最後に依頼を受けたのは、二年前の2月12日になりますね。パーティーメンバーは「フォーリアル・エリス」「ダル・クーネ」「オーランド・イライヌ」「サラン・モーダン」の四人。依頼クエストは「 黒鉛竜ベルクリデスの討伐」。達成失敗に加え、パーティーメンバーの「フォーリアル・エリス」以外は死亡との報告になっています。クエスト失敗理由は記載されていませんね」
私が家出したのは、その日の一週間後だ。
やはり…クエスト中に何かあった事は間違いない。姉が薬を飲んで変身したのは…黒鉛竜ベルクリデスだったんだから。
「その当時、受付をしていた人って今もここに居ますか?」
「えーと、二年前でしたら…。今のハンター総支部管理取締役「アマンダ・レイン」様ですね。今日は既に帰宅されていますので、明日また来て頂けたら居られるとは思いますよ」
「ならまた明日ここに来よう」
「そうね…」
エマは全ての自分の取った行動選択を悔やんだ。
何であの時、まず此処に来なかったのか。もっと早く聞きに来ていれば姉は既に見つかっていたのかも知れない。
こうなったのは自分が選んだ選択の末路。
ああしていれば良かった。
過去を変えたい。
やり直したい。と
とても後悔した。
しかしその後悔が今のエマを動かす原動力となるーー
何故人は後悔するのか。
それは現状が自分の思い描いていた理想と違うからである。
理想に気付いた時。
また理想に近づく為に成長する為に過去の自分の過ちを理解しているからこそ、後悔は生まれる。
決して時は戻らないのだから、大事な物は、過去でも未来でもなく。
現在。
気付いた過ちを糧に生きる命が有るならば
現在の行動選択により、未来は変えることだって出来るかもしれない。
二人は受付嬢に礼を伝え、その場を離れた。
姉の変わった姿も黒鉛竜ベルクリデスと何か関係があるに違いない。二人はそう確信し、さらなる手がかりが見つかる事を願い、朝日が登るのを宿屋に戻り待った。
二人はガンバルム国側の南門に辿り着いた。
門の前に立っていた門番らしき人間に「ハンターか?」と聞かれ、ハンタープレートを見せる。それを確認した門番はレバーを回し鉄門が開く。
開いた門の奥にはヨーロッパ風の綺麗な建物が立ち並び、沢山の人々で賑わい、活気で溢れていた。
ガンバルム国とは違い、防具屋とは別に服屋、装飾品、雑貨屋、宝石屋など様々な商売が盛んになっていて、寧ろハンターの方が人数が少なく感じる。
そして煌びやかな夜景がこの街の裕福さを語っていた。
「ガンバルムとの格差社会はんぱねぇな…」
「まぁ貴族の国と云われているくらいだからね…」
俺達はとりあえず宿屋に一泊分の手続きをしに行き、宿屋に泊まるのを後にした。
その前に先程、手に入れたハードンの材料を売る為に商店街へ足を運んだ。
モンスター素材の買取なら武具店が需要があり、高値で買い取ってくれるだろうと。
一番派手そうな看板を掲げている武具店に入った。
中に入るとツルツル頭のちょび髭を生やした筋肉盛り盛りのオッさんが出迎えてくれて、とてもオッさんの外見からは想像出来ない程に店内の至る所には武器が綺麗に並べて飾ってある。
「いらっせぃっ!!」
「あのぉモンスターの素材売りたいんですけど」
「ほいほいっ。何の素材だ?」
俺はハードンの爪とエラを台の上に置いた。
「何だこれぇ!?ハードンの素材か!?」
「ふふ…そうなんだよ。このハードン恐らく十年に一度位のデカさだったんだ」
「こりゃたまげた…。こんなの見たこともねぇ!!」
「オッちゃんも目が高えな。で、どのくらいの価値がある?」
「両方で5000Bellだな」
「「やっすっ!!」」
「ハードンの素材なんて大して使わねぇからな」
「そ、そんな…」
エマが何とか色気をつかい交渉を試みたが効果は薄く5500Bellで仕方がなく手を打つ。
「私の色気は500Bellの価値なのね…」とぼそぼそと嘆きしばらく落ち込んでいたーー
しかし宿屋に戻るのにもチェックインまで時間に余裕があったので、次に二人はローランド国ハンター総支部に向かった。早速、受付にエマの姉の事を聞く為に。
外見は違えども、ハンタークエスト受注やハンターランクの仕様などはガンバルム国と変わりは無くすべて全国共通。
ハンターの資格さえ持っていれば何処に行っても仕事は受けれるようになっている。
二人が受付に近づくとそれに気づいた受付嬢が先に声を掛ける。
「こんばんわ。クエストの受注ですか?」
「いやっ。あの、フォーリアル・エリスって方ご存知ですか?」
「すいません…。私、最近受付に配属されたばかりでしてその様なハンターはご存知有りません」
「そ、そうなんですか……」
「ハンター履歴から最後に受けた依頼などなら検索できますが、お調べしますか?」
エマは身を乗り出し、声を荒げる。
「お願いします!!」
受付嬢は焦るエマに少々お待ち下さいと伝え、機械を弄り始めた。
数分後、何か見つかった様子を見せる受付嬢。
「最後に依頼を受けたのは、二年前の2月12日になりますね。パーティーメンバーは「フォーリアル・エリス」「ダル・クーネ」「オーランド・イライヌ」「サラン・モーダン」の四人。依頼クエストは「 黒鉛竜ベルクリデスの討伐」。達成失敗に加え、パーティーメンバーの「フォーリアル・エリス」以外は死亡との報告になっています。クエスト失敗理由は記載されていませんね」
私が家出したのは、その日の一週間後だ。
やはり…クエスト中に何かあった事は間違いない。姉が薬を飲んで変身したのは…黒鉛竜ベルクリデスだったんだから。
「その当時、受付をしていた人って今もここに居ますか?」
「えーと、二年前でしたら…。今のハンター総支部管理取締役「アマンダ・レイン」様ですね。今日は既に帰宅されていますので、明日また来て頂けたら居られるとは思いますよ」
「ならまた明日ここに来よう」
「そうね…」
エマは全ての自分の取った行動選択を悔やんだ。
何であの時、まず此処に来なかったのか。もっと早く聞きに来ていれば姉は既に見つかっていたのかも知れない。
こうなったのは自分が選んだ選択の末路。
ああしていれば良かった。
過去を変えたい。
やり直したい。と
とても後悔した。
しかしその後悔が今のエマを動かす原動力となるーー
何故人は後悔するのか。
それは現状が自分の思い描いていた理想と違うからである。
理想に気付いた時。
また理想に近づく為に成長する為に過去の自分の過ちを理解しているからこそ、後悔は生まれる。
決して時は戻らないのだから、大事な物は、過去でも未来でもなく。
現在。
気付いた過ちを糧に生きる命が有るならば
現在の行動選択により、未来は変えることだって出来るかもしれない。
二人は受付嬢に礼を伝え、その場を離れた。
姉の変わった姿も黒鉛竜ベルクリデスと何か関係があるに違いない。二人はそう確信し、さらなる手がかりが見つかる事を願い、朝日が登るのを宿屋に戻り待った。
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