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森の中
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「はぁっ…はぁっ…」
頼む…間に合ってくれ…もう少しだ…
ガルダは森のすぐ手前まで戻って来ていた。
しかし森はかなり広い。
手かがりが何かある訳でも無いのだから、問題はエマを見つけるまで時間…。
でも手かがりは無いが可能性なら考えられる。
大型モンスター ベァクドルド
狼獣種 肉食 生息地バルム山
一際大きな鼻が特徴で嗅覚は人の5億倍と云われている。特に血の匂いには敏感。
頭上に尖った耳を持ち、身体は高強度の黒紺色の体毛で覆われている。そして頭から尾にかけて背中の中心に白色の立髪を生やしている。
背中にはコウモリの様な翼を持ち、滅多に飛ぶ事は無いが、山の岩場から岩場へ飛び移る時などに飛翔する。飛ぶ事も可能な4足モンスター。
ベァクドルドはバルム山に生息しているモンスターの筈…
バルム山から降りてくる事は殆ど無いと云われている。
しかし、降りてきたという事は何かしらの理由があるのだろう。
1番考えられるとしたら、食料だ。
ベァクドルドは食欲が並のモンスターの比ではない。
何かしらの理由でバルム山で食料が取れず、降りて来たと考えるのが1番可能性がある。
だとしたら、森の中でモンスターが集まりやすい場所に現れた? 水辺か?
モンスターが水分補給する場所なら、森の中で唯一バルム山の雪解け水が溜まる場所がある。
場所は知っている。
地図は既に頭の中に入っていたーー
ガルダは森に着くと、一目散に水辺エリアがある方角へ草木を分けながら進んだ。比較的森の中は見晴らしが良く、木々が一定間隔で地から伸びている。
ガルダは走りながら考える。
無鉄砲に突っ込んでも死ぬだけ。
ただでさえ、武器が無い自分は攻撃を防ぐ事も出来ない。
考えろ。
自分ができることを。
今ある物で助けられる可能性を少しでも高くするんだ。
もしエマが今にも捕食されそうになって居たらどうする。
こちらにどうやって気を引きつける?
ベァクドルドの嗅覚…。
血だ…。腹が減っているなら、血に異常に敏感になっている筈。
ガルダは直ぐ様、剥ぎ取り用ナイフで手首を軽く切り、鮮血を流した。
だが気を引きつけてどうする。
動きを止めなければ逃げれない。
エマが負傷している可能性もある。
倒すか、動けない状態にする必要がある。
しかし倒すのは無理だ。
てことは、麻痺、睡眠状態にさせるか、此方に来れない様にする方法…
麻痺弾や睡眠弾を破裂させた所で匂いで直ぐに気づき、吸い込まないようにするだろう。それに大型モンスターは効果が現れるまで時間を要する。
だとしたら直接体内に入れるか?
いや、ベァクドルドは俊敏だ。
試験の兜亀みたく鈍動じゃない。直ぐ様腕を噛み千切られる。それも一つの手だが…
さっき剥ぎ取って置いた。ゲルフォースの馬肉に紛れ込ませ、喰わせよう。
しかし体内に入れる事に成功しても効果が現れるまでどう持ちこたえる…
今持っている物で期待できるとしたら。
3つの光弾。
2つのライポイル玉。
5つの手榴弾。
100つの撒菱。
小型ツルハシ。
剥ぎ取り用ナイフ。
どれも短時間の時間稼ぎにしかならない。
そもそも森なんて入る予定が無かったんだ。必要最低限の物しか持って来ていない…。
何か使えそうなアイテムを探しにいく暇もない。今ある物で睡眠弾の効果が効くまで何とか凌ぐしか無い。
「クソッ!もっと準備しておいたら良かった…」
その時ーー
突然地面に付けた右足が地面から離れず滑足が絡まり、視界に見える筈の無い地面が迫って来る。
『アベブァッ!!」
突然の事に喉から変な声を上げながら、ガルダは顔面から地面に盛大に転けた。
口の中に土のフレーバーとジャリジャリとした不快な食感が広がる。
いてて…何が起きた…
足が地面にくっ付いている…。
後方を振り向き、右足下の地面を見ると、黄色いネバネバした物体がウネウネと動いていた。
『アメーバイム』だ。
ジェル状の微生物。別名『イエロースライム』。粘着性が高くトラップなどにも使われる事がある。だがトラップとして使うには量が足りないが少量でも何かしら使えるかもしれないと。
ガルダは直ぐ前足裏に剥ぎ取り用ナイフを差し込み剥がした後、採取。
身体を起こし再び走りだす。
もう少しで、水辺エリアだ。
他に何か無いか…
ガルダは走りながら左右を見渡す。
すると右側の木の根本に沢山のキノコが生えているのに気づき、近寄り確認。
生えていたのは毒キノコ「無痛岳」。
毒キノコだが死ぬ訳ではない種類。
食べると下痢と痛覚が麻痺する。
100°で煮ると下痢作用は無くなり、鎮痛剤として使えるキノコだ。
これはそのままでも、鎮痛剤として使える。1時間後に下痢を起こすが…
キノコを採取しようと掴んだ時ーー
『グオォォァッ!!』
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
水辺の方から女性の叫び声と怒声の様な威圧した雄叫びが森全体に轟々と響き渡ったーー
頼む…間に合ってくれ…もう少しだ…
ガルダは森のすぐ手前まで戻って来ていた。
しかし森はかなり広い。
手かがりが何かある訳でも無いのだから、問題はエマを見つけるまで時間…。
でも手かがりは無いが可能性なら考えられる。
大型モンスター ベァクドルド
狼獣種 肉食 生息地バルム山
一際大きな鼻が特徴で嗅覚は人の5億倍と云われている。特に血の匂いには敏感。
頭上に尖った耳を持ち、身体は高強度の黒紺色の体毛で覆われている。そして頭から尾にかけて背中の中心に白色の立髪を生やしている。
背中にはコウモリの様な翼を持ち、滅多に飛ぶ事は無いが、山の岩場から岩場へ飛び移る時などに飛翔する。飛ぶ事も可能な4足モンスター。
ベァクドルドはバルム山に生息しているモンスターの筈…
バルム山から降りてくる事は殆ど無いと云われている。
しかし、降りてきたという事は何かしらの理由があるのだろう。
1番考えられるとしたら、食料だ。
ベァクドルドは食欲が並のモンスターの比ではない。
何かしらの理由でバルム山で食料が取れず、降りて来たと考えるのが1番可能性がある。
だとしたら、森の中でモンスターが集まりやすい場所に現れた? 水辺か?
モンスターが水分補給する場所なら、森の中で唯一バルム山の雪解け水が溜まる場所がある。
場所は知っている。
地図は既に頭の中に入っていたーー
ガルダは森に着くと、一目散に水辺エリアがある方角へ草木を分けながら進んだ。比較的森の中は見晴らしが良く、木々が一定間隔で地から伸びている。
ガルダは走りながら考える。
無鉄砲に突っ込んでも死ぬだけ。
ただでさえ、武器が無い自分は攻撃を防ぐ事も出来ない。
考えろ。
自分ができることを。
今ある物で助けられる可能性を少しでも高くするんだ。
もしエマが今にも捕食されそうになって居たらどうする。
こちらにどうやって気を引きつける?
ベァクドルドの嗅覚…。
血だ…。腹が減っているなら、血に異常に敏感になっている筈。
ガルダは直ぐ様、剥ぎ取り用ナイフで手首を軽く切り、鮮血を流した。
だが気を引きつけてどうする。
動きを止めなければ逃げれない。
エマが負傷している可能性もある。
倒すか、動けない状態にする必要がある。
しかし倒すのは無理だ。
てことは、麻痺、睡眠状態にさせるか、此方に来れない様にする方法…
麻痺弾や睡眠弾を破裂させた所で匂いで直ぐに気づき、吸い込まないようにするだろう。それに大型モンスターは効果が現れるまで時間を要する。
だとしたら直接体内に入れるか?
いや、ベァクドルドは俊敏だ。
試験の兜亀みたく鈍動じゃない。直ぐ様腕を噛み千切られる。それも一つの手だが…
さっき剥ぎ取って置いた。ゲルフォースの馬肉に紛れ込ませ、喰わせよう。
しかし体内に入れる事に成功しても効果が現れるまでどう持ちこたえる…
今持っている物で期待できるとしたら。
3つの光弾。
2つのライポイル玉。
5つの手榴弾。
100つの撒菱。
小型ツルハシ。
剥ぎ取り用ナイフ。
どれも短時間の時間稼ぎにしかならない。
そもそも森なんて入る予定が無かったんだ。必要最低限の物しか持って来ていない…。
何か使えそうなアイテムを探しにいく暇もない。今ある物で睡眠弾の効果が効くまで何とか凌ぐしか無い。
「クソッ!もっと準備しておいたら良かった…」
その時ーー
突然地面に付けた右足が地面から離れず滑足が絡まり、視界に見える筈の無い地面が迫って来る。
『アベブァッ!!」
突然の事に喉から変な声を上げながら、ガルダは顔面から地面に盛大に転けた。
口の中に土のフレーバーとジャリジャリとした不快な食感が広がる。
いてて…何が起きた…
足が地面にくっ付いている…。
後方を振り向き、右足下の地面を見ると、黄色いネバネバした物体がウネウネと動いていた。
『アメーバイム』だ。
ジェル状の微生物。別名『イエロースライム』。粘着性が高くトラップなどにも使われる事がある。だがトラップとして使うには量が足りないが少量でも何かしら使えるかもしれないと。
ガルダは直ぐ前足裏に剥ぎ取り用ナイフを差し込み剥がした後、採取。
身体を起こし再び走りだす。
もう少しで、水辺エリアだ。
他に何か無いか…
ガルダは走りながら左右を見渡す。
すると右側の木の根本に沢山のキノコが生えているのに気づき、近寄り確認。
生えていたのは毒キノコ「無痛岳」。
毒キノコだが死ぬ訳ではない種類。
食べると下痢と痛覚が麻痺する。
100°で煮ると下痢作用は無くなり、鎮痛剤として使えるキノコだ。
これはそのままでも、鎮痛剤として使える。1時間後に下痢を起こすが…
キノコを採取しようと掴んだ時ーー
『グオォォァッ!!』
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
水辺の方から女性の叫び声と怒声の様な威圧した雄叫びが森全体に轟々と響き渡ったーー
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