1 / 29
ハンター試験
しおりを挟む
「これより第98回ハンター登録試験を行うっ!!」
「ルールは事前に配っている紙に書いてある通りだ!!」
試験場に居る試験官の前方に立つ5人は1枚の紙を広げる。
○ハンター登録試験○
1.兜亀を30分以内に討伐、又は捕獲すること。
2.使用武器はギルドに申請している己の専用武器のみ。
3.アイテムは支給品のみ使用可。
○試験準番○
1.ラルク
2.エマ
3.シリス
4.キース
5.ガルダ
「今季の試験は5人!順番に行なっていく!それでは10分後開始する。それまで、待機!以上!」
俺は1番最後か。
ガヤガヤッ…
試験場の二階からは、大勢の大衆が俺達の試験を見学していた。
先輩ハンターの方々が自分のギルドに有能な人材ならスカウトしようと見に来ているのだ。
「よぉ、今日はお互い頑張ろうぜ」
1人の試験者が4人に向けて声を掛けてくる。
コイツはラルクだったけか?
高身長に短髪の爽やかイケメン、身体は試験用のアイアンアーマーを着ていても、相当鍛えられた筋肉質だと分かる位、腕が太い。
そして背中にバカでかい鉄の大剣(アイアンソード)を背負っている、大剣使いなのだろう。
「はいっ!頑張りましょう!上で先輩方も見てますし!!」
ラルクに元気良く答えた女、シリス。
150cm位の低身長のポニーテールに童顔だが有りより有りだ。豊胸でアイアンアーマーが身体に合っていないのか、少し窮屈そうにしている。
そして腰には短剣を左右に付けている。
短剣っていっても、其れなりに重量は有り、片方だけでも10Kgほど。
それを両手に女が軽々振れるのだから、この世界の人間は本当に筋力バランスがおかしい…
「俺はお前達と馴れ合うつもりはない」
おいおい…どストライクに言う奴だな…
少しクール気取りの男、キース。
180cm近く有る身長に茶色の長髪、吊り上がった目をしている。
コイツも同じくアイアンアーマーを着ていて、背中には二本の斧(アイアンアックス)を背負っている。
「………」
ラルクを無視し、弓の手入れをしている女 、エマ。
160cm位の身長に、カールのかかったツインテール。人形の様に整った顔をしている。
いい育ちなのか、駆け出しハンターなのに支給されるアイアンアローではなく、モンスターの素材で造られた弓を持っている。
噂で聞いた事ある、何処だかの貴族の娘らしい。
俺ものんびり楽しくお喋りしている暇は無い。
早く準備しないと10分しか無いんだ。
「あぁ」と返事だけ一応返し、そそくさと離れ、支給品が置いてある棚へ移動する。
「アイツ何してるんだ?」
「さぁ?」
「兜亀に支給品使うまでも無いだろ…」
後ろから、ラルクとシリスが話している声が聞こえてくる。
俺はお前らと違うんだよ…
そりゃぁ俺だって…武器を使いたい…
ガルダは反応せず、無言で用意されてる各支給品袋の中身を確認する。
・縄
・砥石
・投石
・剥ぎ取り用ナイフ
・ライポイル草 (モンスターの嫌う独特な臭いを発する草)が入っていた。
まぁ試験用の兜亀相手には必要最低限のアイテムってところだな…
とりあえず砥石半分を投石の石で砕いて粉末にしてと…
ゴリゴリッ…
それを支給品の袋に詰め、ライポイル草を握り潰し、煮汁を袋に垂らす。
縄で袋を縛り、余った部分を手持ちナイフで斬り込み、乱れさせる。
まぁこんな所か…
「それでは、準備はいいか!?第1試験者 ラルク殿 位置につけ!!」
「はい!」
ラルクは試験場の中心に駆け足で行き、他の試験者は待機場所に入っていく。
「これより、ラルク殿の試験を開始する。使用武器は大剣で良いな?」
「はい!」
「兜亀だからといって油断しない様に!万が一危険と判断した場合、即刻中止とする」
試験官が笛を取り出し、思いっきり息を吹き込む。
ピィィィッと甲高い音が試験場に響き、試験場の奥にある鉄格子が自動で開く。
その奥から、お腹を空かしているのか、唾液を口から溢れ出している兜亀がノソノソと出てくる。
--兜亀 肉食 甲羅種--
一本の角が生えた頭、口には鮫のような尖がった歯、背中には分厚い甲羅があり、4本の手足は甲羅の穴から出ている。
動きが遅い為、モンスターの中でも雑魚部類だ。
そう、この世界はこんな感じのモンスターが生息している弱肉強食の世界。
人間は弱い生き物に属しているが、先代の人間達はモンスターに対抗する為、知恵、技、武器を振るう筋力極め、対抗してきた。
そう昔から、人間達は生き長らえる為にモンスターを狩っている。
モンスターを食べ、モンスターの素材で服や防具、武器を作り、生活している。
この国、ガンバルムでは男性は18歳になると半強制的にモンスターを狩る職業『ハンター』になる事を命じ、定期的に18歳となった者にハンター試験を行っている。
俺も先週18歳になり、試験に駆り出されたのだ。
基本的にハンター以外の職業は怪我を負って、武器を振る事が出来なくなった者か、女性しかできない。
「ウォォォォォォ」
第一試験者ラルクは雄叫びを上げながら、兜亀に猪突猛進していく。
少し遅れて兜亀が反応、口を大きく広げて待っている。
兜亀は鈍動の為、待ち伏せし獲物を捕らえる習性があるのだ。
ラルクは走りながら右腕を上げ、背中の大剣の柄を握り、兜亀の手前まで近くと前傾姿勢を取り、その勢いで大剣を抜き、地面に叩き付けた。
『ドンッ!!』
大剣を地面に叩き付けた反動でラルクは宙に浮き、身体を翻し回転、そのまま兜亀の甲羅目掛けて振り下ろした。
『バギィッン!!』
兜亀の甲羅は粉砕し、大剣の刃先は兜亀の甲羅の内部の肉体に突き刺さっていた。
「「おぉ!!」」
「「パチパチパチパチ」」
二階のギャラリーが驚嘆の声上げ、拍手を捧げている。
どんな筋力してんだ…
親父が良く言っていたチートって奴だ…
その後の3人も危なげなく、兜亀を討伐していた。
エマは一本の矢を顔に放ち、兜亀が頭と手足を甲羅に引っ込めた所に矢を集中的に放ち討伐。
シリスは手足を切り刻み、行動不能に実質捕獲成功。
キースは一瞬にして頭部を切断して、討伐。
そして、俺の番がやってくる…
「おい…アイツ武器持って無いぞ」
この後、周りの反応を想像すると、気が重たいな…
重い足で試験場の中心に行くと試験官が喋る。
「最後はガルダ殿!!準備はいいな!?」
「はい…」
あぁ使用武器の確認くるのかな…
「えーと、使用武器は………」
……
試験官は一枚の紙を見て硬直する。
俺の詳しい事が書いてあるリストなのだろう。
「ガルダ殿…武器は申請していない様だが…」
「はい」
「何故だ?」
「筋力が無いので」
「は?」
試験場内が困惑の声で包まれる。
親父もこんな感じだったのか…
ハンターに成るのなんて辞めておけと口を酸っぱくして言っていたから、覚悟はしていたが…
そう…
俺は異世界人の父とこの世界の母から産まれた子。ハーフだが普通の人間である。
あんな大剣や斧や弓、片手剣さえも…
「重たくて持てません」
「ルールは事前に配っている紙に書いてある通りだ!!」
試験場に居る試験官の前方に立つ5人は1枚の紙を広げる。
○ハンター登録試験○
1.兜亀を30分以内に討伐、又は捕獲すること。
2.使用武器はギルドに申請している己の専用武器のみ。
3.アイテムは支給品のみ使用可。
○試験準番○
1.ラルク
2.エマ
3.シリス
4.キース
5.ガルダ
「今季の試験は5人!順番に行なっていく!それでは10分後開始する。それまで、待機!以上!」
俺は1番最後か。
ガヤガヤッ…
試験場の二階からは、大勢の大衆が俺達の試験を見学していた。
先輩ハンターの方々が自分のギルドに有能な人材ならスカウトしようと見に来ているのだ。
「よぉ、今日はお互い頑張ろうぜ」
1人の試験者が4人に向けて声を掛けてくる。
コイツはラルクだったけか?
高身長に短髪の爽やかイケメン、身体は試験用のアイアンアーマーを着ていても、相当鍛えられた筋肉質だと分かる位、腕が太い。
そして背中にバカでかい鉄の大剣(アイアンソード)を背負っている、大剣使いなのだろう。
「はいっ!頑張りましょう!上で先輩方も見てますし!!」
ラルクに元気良く答えた女、シリス。
150cm位の低身長のポニーテールに童顔だが有りより有りだ。豊胸でアイアンアーマーが身体に合っていないのか、少し窮屈そうにしている。
そして腰には短剣を左右に付けている。
短剣っていっても、其れなりに重量は有り、片方だけでも10Kgほど。
それを両手に女が軽々振れるのだから、この世界の人間は本当に筋力バランスがおかしい…
「俺はお前達と馴れ合うつもりはない」
おいおい…どストライクに言う奴だな…
少しクール気取りの男、キース。
180cm近く有る身長に茶色の長髪、吊り上がった目をしている。
コイツも同じくアイアンアーマーを着ていて、背中には二本の斧(アイアンアックス)を背負っている。
「………」
ラルクを無視し、弓の手入れをしている女 、エマ。
160cm位の身長に、カールのかかったツインテール。人形の様に整った顔をしている。
いい育ちなのか、駆け出しハンターなのに支給されるアイアンアローではなく、モンスターの素材で造られた弓を持っている。
噂で聞いた事ある、何処だかの貴族の娘らしい。
俺ものんびり楽しくお喋りしている暇は無い。
早く準備しないと10分しか無いんだ。
「あぁ」と返事だけ一応返し、そそくさと離れ、支給品が置いてある棚へ移動する。
「アイツ何してるんだ?」
「さぁ?」
「兜亀に支給品使うまでも無いだろ…」
後ろから、ラルクとシリスが話している声が聞こえてくる。
俺はお前らと違うんだよ…
そりゃぁ俺だって…武器を使いたい…
ガルダは反応せず、無言で用意されてる各支給品袋の中身を確認する。
・縄
・砥石
・投石
・剥ぎ取り用ナイフ
・ライポイル草 (モンスターの嫌う独特な臭いを発する草)が入っていた。
まぁ試験用の兜亀相手には必要最低限のアイテムってところだな…
とりあえず砥石半分を投石の石で砕いて粉末にしてと…
ゴリゴリッ…
それを支給品の袋に詰め、ライポイル草を握り潰し、煮汁を袋に垂らす。
縄で袋を縛り、余った部分を手持ちナイフで斬り込み、乱れさせる。
まぁこんな所か…
「それでは、準備はいいか!?第1試験者 ラルク殿 位置につけ!!」
「はい!」
ラルクは試験場の中心に駆け足で行き、他の試験者は待機場所に入っていく。
「これより、ラルク殿の試験を開始する。使用武器は大剣で良いな?」
「はい!」
「兜亀だからといって油断しない様に!万が一危険と判断した場合、即刻中止とする」
試験官が笛を取り出し、思いっきり息を吹き込む。
ピィィィッと甲高い音が試験場に響き、試験場の奥にある鉄格子が自動で開く。
その奥から、お腹を空かしているのか、唾液を口から溢れ出している兜亀がノソノソと出てくる。
--兜亀 肉食 甲羅種--
一本の角が生えた頭、口には鮫のような尖がった歯、背中には分厚い甲羅があり、4本の手足は甲羅の穴から出ている。
動きが遅い為、モンスターの中でも雑魚部類だ。
そう、この世界はこんな感じのモンスターが生息している弱肉強食の世界。
人間は弱い生き物に属しているが、先代の人間達はモンスターに対抗する為、知恵、技、武器を振るう筋力極め、対抗してきた。
そう昔から、人間達は生き長らえる為にモンスターを狩っている。
モンスターを食べ、モンスターの素材で服や防具、武器を作り、生活している。
この国、ガンバルムでは男性は18歳になると半強制的にモンスターを狩る職業『ハンター』になる事を命じ、定期的に18歳となった者にハンター試験を行っている。
俺も先週18歳になり、試験に駆り出されたのだ。
基本的にハンター以外の職業は怪我を負って、武器を振る事が出来なくなった者か、女性しかできない。
「ウォォォォォォ」
第一試験者ラルクは雄叫びを上げながら、兜亀に猪突猛進していく。
少し遅れて兜亀が反応、口を大きく広げて待っている。
兜亀は鈍動の為、待ち伏せし獲物を捕らえる習性があるのだ。
ラルクは走りながら右腕を上げ、背中の大剣の柄を握り、兜亀の手前まで近くと前傾姿勢を取り、その勢いで大剣を抜き、地面に叩き付けた。
『ドンッ!!』
大剣を地面に叩き付けた反動でラルクは宙に浮き、身体を翻し回転、そのまま兜亀の甲羅目掛けて振り下ろした。
『バギィッン!!』
兜亀の甲羅は粉砕し、大剣の刃先は兜亀の甲羅の内部の肉体に突き刺さっていた。
「「おぉ!!」」
「「パチパチパチパチ」」
二階のギャラリーが驚嘆の声上げ、拍手を捧げている。
どんな筋力してんだ…
親父が良く言っていたチートって奴だ…
その後の3人も危なげなく、兜亀を討伐していた。
エマは一本の矢を顔に放ち、兜亀が頭と手足を甲羅に引っ込めた所に矢を集中的に放ち討伐。
シリスは手足を切り刻み、行動不能に実質捕獲成功。
キースは一瞬にして頭部を切断して、討伐。
そして、俺の番がやってくる…
「おい…アイツ武器持って無いぞ」
この後、周りの反応を想像すると、気が重たいな…
重い足で試験場の中心に行くと試験官が喋る。
「最後はガルダ殿!!準備はいいな!?」
「はい…」
あぁ使用武器の確認くるのかな…
「えーと、使用武器は………」
……
試験官は一枚の紙を見て硬直する。
俺の詳しい事が書いてあるリストなのだろう。
「ガルダ殿…武器は申請していない様だが…」
「はい」
「何故だ?」
「筋力が無いので」
「は?」
試験場内が困惑の声で包まれる。
親父もこんな感じだったのか…
ハンターに成るのなんて辞めておけと口を酸っぱくして言っていたから、覚悟はしていたが…
そう…
俺は異世界人の父とこの世界の母から産まれた子。ハーフだが普通の人間である。
あんな大剣や斧や弓、片手剣さえも…
「重たくて持てません」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる