177 / 207
11章 タレク島の決戦!!
STORY170 空中戦①
しおりを挟む
飛空艇バロン号はタレク島近海の上空を飛行していた。
「ここまでは順調だな」
ガリアンは前方を見据えながら呟く。敵方が仕掛けてくるとすればそろそろのはずだ。船内の空気は張り詰めていた。
「レーダーに反応!」
オペレーターの緊迫した声が艦橋に響く。クルーが大型望遠鏡で確認を急ぐ。
「多数のガーゴイルです! バロン号にまっすぐ向かってきています!」
「へっ……こんな所で遭遇するなんざ、やつらしかいねぇわな! 早速の歓迎、痛み入るぜ。こっちも応えなきゃねらねぇよな……大型魔機関銃で先制攻撃しろ!!」
「はっ!」
ガリアンの指示をだす。敵の方角と距離に見当をつける。
「大型魔機関銃、発射します!!」
バロン号に装備された大型機関銃が火を吹く。
「どうだ!?」
ガリアンが大型望遠鏡で確認中のクルーに訊く。
「命中です! ですが、ガーゴイルどもが魔術を発動しました。光線魔術です!」
「バロン号をなめるなよ、化け物め! バリアを展開しろ!」
「了解!」
ガーゴイルからの光線魔術に対してバロン号の前方に防御魔術によるシールドを張る。
ドォォォォォン!
直後、ガーゴイルの群れが放った光線と魔力の盾が激しくぶつかる。凄まじい衝撃に揺らされながらもバロン号は無傷であった。
「よぉし。このままタレク島まで一気に行くぞ! 加速魔術発動! それと同時に主砲を発射し続けてガーゴイルどもを撃ち落としてやれ!!」
「了解!!」
クルーたちはガリアンの指示どおりにバロン号を動かしていく。
◎
「間もなくタレク島上空に到着します!」
「よし!」
クルーからの報告にガリアンは笑んだ。
「油断してはダメです。タレク島にはあいつがいます!」
「あいつだと?」
グランザの言葉にガリアンは眉をひそめる。
「あいつってだれなの?」
リアーナが代表して訊く。
「タレク島の守護神タロスです」
「タロス……魔族なのかニャ?」
続いてリャッカが質問する。
「魔族というよりゴーレムに近いかな。太古の時代、神が魔族以外の者がタレク島へ侵入することを阻止するために造り出した青銅の超巨大ゴーレムです。恐ろしいほどの怪力と驚異的な硬度で、これまでどんな攻撃も全く通じなかったそうです……」
グランザの説明を聞いたウラボスが甲板へと向かおうと動く。
「待って! どこへ行くつもり!?」
リアーナが呼び止める。
「決まってるだろ? 邪魔者を排除するのさ」
「いくらウラボスだって無茶よ!」
「どれくらい強いのかはわからないけど、まっ……なんとかなるだろ。俺にはリア・ファルの杖があるしな」
「それでも!」
リアーナは引き下がらない。
「今回はリアーナの言い分が正しいニャ。たしかにリア・ファルの杖を手にしたウラボスなら、そのタロスとかいうのを倒せるかもしれないニャ。でも、今回の目的はタロスを倒すことじゃないニャ」
リャッカがリアーナの意見に賛成する。
「言いたいことはわかる。けど、この状況をどうするつもりだ?」
「それは……」
リャッカが言い淀む。
「前方に巨大な影です!!」
クルーの悲鳴にも似た叫び声に一同の視線が前方に注がれる。
そこには島に立つ、あまりにも巨大な影があった。
「……なぁ……ウラボスさんよ、全乗組員とこのバロン号を信じちゃくれねぇか? あんたらに絶対にあの島の土を踏ませてみせる。そうすりゃ、俺たちはあのデカブツに勝ったってことになるよな?」
「ガリアン……いいだろう。任せた」
承諾するウラボス。ガリアンは口元に笑みを浮かべた。
「感謝する。……おめぇら、気合い入れていくぜぇ!」
「了解!!!」
こうして、飛空艇バロン号とその乗組員によるタロスとの激戦が始まった。
「ここまでは順調だな」
ガリアンは前方を見据えながら呟く。敵方が仕掛けてくるとすればそろそろのはずだ。船内の空気は張り詰めていた。
「レーダーに反応!」
オペレーターの緊迫した声が艦橋に響く。クルーが大型望遠鏡で確認を急ぐ。
「多数のガーゴイルです! バロン号にまっすぐ向かってきています!」
「へっ……こんな所で遭遇するなんざ、やつらしかいねぇわな! 早速の歓迎、痛み入るぜ。こっちも応えなきゃねらねぇよな……大型魔機関銃で先制攻撃しろ!!」
「はっ!」
ガリアンの指示をだす。敵の方角と距離に見当をつける。
「大型魔機関銃、発射します!!」
バロン号に装備された大型機関銃が火を吹く。
「どうだ!?」
ガリアンが大型望遠鏡で確認中のクルーに訊く。
「命中です! ですが、ガーゴイルどもが魔術を発動しました。光線魔術です!」
「バロン号をなめるなよ、化け物め! バリアを展開しろ!」
「了解!」
ガーゴイルからの光線魔術に対してバロン号の前方に防御魔術によるシールドを張る。
ドォォォォォン!
直後、ガーゴイルの群れが放った光線と魔力の盾が激しくぶつかる。凄まじい衝撃に揺らされながらもバロン号は無傷であった。
「よぉし。このままタレク島まで一気に行くぞ! 加速魔術発動! それと同時に主砲を発射し続けてガーゴイルどもを撃ち落としてやれ!!」
「了解!!」
クルーたちはガリアンの指示どおりにバロン号を動かしていく。
◎
「間もなくタレク島上空に到着します!」
「よし!」
クルーからの報告にガリアンは笑んだ。
「油断してはダメです。タレク島にはあいつがいます!」
「あいつだと?」
グランザの言葉にガリアンは眉をひそめる。
「あいつってだれなの?」
リアーナが代表して訊く。
「タレク島の守護神タロスです」
「タロス……魔族なのかニャ?」
続いてリャッカが質問する。
「魔族というよりゴーレムに近いかな。太古の時代、神が魔族以外の者がタレク島へ侵入することを阻止するために造り出した青銅の超巨大ゴーレムです。恐ろしいほどの怪力と驚異的な硬度で、これまでどんな攻撃も全く通じなかったそうです……」
グランザの説明を聞いたウラボスが甲板へと向かおうと動く。
「待って! どこへ行くつもり!?」
リアーナが呼び止める。
「決まってるだろ? 邪魔者を排除するのさ」
「いくらウラボスだって無茶よ!」
「どれくらい強いのかはわからないけど、まっ……なんとかなるだろ。俺にはリア・ファルの杖があるしな」
「それでも!」
リアーナは引き下がらない。
「今回はリアーナの言い分が正しいニャ。たしかにリア・ファルの杖を手にしたウラボスなら、そのタロスとかいうのを倒せるかもしれないニャ。でも、今回の目的はタロスを倒すことじゃないニャ」
リャッカがリアーナの意見に賛成する。
「言いたいことはわかる。けど、この状況をどうするつもりだ?」
「それは……」
リャッカが言い淀む。
「前方に巨大な影です!!」
クルーの悲鳴にも似た叫び声に一同の視線が前方に注がれる。
そこには島に立つ、あまりにも巨大な影があった。
「……なぁ……ウラボスさんよ、全乗組員とこのバロン号を信じちゃくれねぇか? あんたらに絶対にあの島の土を踏ませてみせる。そうすりゃ、俺たちはあのデカブツに勝ったってことになるよな?」
「ガリアン……いいだろう。任せた」
承諾するウラボス。ガリアンは口元に笑みを浮かべた。
「感謝する。……おめぇら、気合い入れていくぜぇ!」
「了解!!!」
こうして、飛空艇バロン号とその乗組員によるタロスとの激戦が始まった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる