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7章 ウラボス&リアーナ、カップリング作戦

STORY121 二人は両思い!?③

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 「待たせてごめんね……って、あれ?」

 少し長めの入浴を終えてロビーに戻ってきたリアーナとリャッカだったが、ウラボスとグランザの姿が見当たらない。

 「先に休んだのかな……。お風呂、ちょっと長過ぎちゃったかな」

 リアーナが申し訳なさげに呟く。

 (ウラボスとグランザはどこ行ったニャ?)

 カチャッ

 リャッカも考えていた時、ウラボスがロビーに入ってきた。

 「あっ、ウラボス! よかった。寝ちゃったのかと思った。遅くなってごめんね」

 リアーナが浴室が空いたことを伝える。

 「ああ、気にすることはないさ」

 「うん、ありがと」

 微笑みを返すリアーナ。

 「ところで、ウラボス。グランザはどうしたのかニャ?」

 テーブルの上に置かれた2つのワイングラスを見つけたリャッカがウラボスに訊く。

 「たまには一緒に飲もうとか言ってたんだけど、先に酔い潰れて眠った。今、ベッドまで運んでいったところだ」

 「運んだって、ウラボス一人で!?」

 リアーナが驚く。サイクロプスを一人で寝室まで運べるなんて考えられない。

 「ああ。剛力魔術パワーを使えばそれほど難しいことでもないさ」

 「なるほど! さすがはウラボスだね!」

 リアーナが感心する。その一方でリャッカは怒りが沸々と込み上げてきていた。

 (グランザのやつ~! いったい何をやってるニャ! ウラボスの気持ちを聞き出す前に寝落ちしてどうするニャ!?)

 「リャッカちゃん、どうかしたの?」

 怒りにワナワナと震えているリャッカにリアーナが訊く。

 「アニャッ!? ななな、なんでもないニャ!」

 慌てるリャッカ。

 「グランザはどんな話をしてたのかニャ?」

 リャッカが訊く。

 「どんな話と言われてもなぁ……。気になる女性はいるのかとか訊いてきていたが……」

 ウラボスの言葉にリアーナとリャッカが強く反応する。

 「そ……それで、ウラボスはなんて答えた…の?…」

 緊張した面持ちで訊くリアーナ。リャッカも聞き耳を立てている。

 「どうだろうな、とだけ答えたが?」

 「グランザはそれで引っ込んだのかニャ?」

 リャッカはさらに質問する。

 「いや。それから少し飲んで眠ったぞ」

 ウラボスが答える。リアーナはガックリと肩を落とし、リャッカは全身の毛を逆立てて怒りをあらわにしている。

 (あのバカ野郎は本気で聞き出す気があるのかニャ!? 明日の朝、お仕置き決定だニャ!!)

 「どうした?」

 ウラボスがリャッカの異変に気付いて声をかける。

 「な、なんでもないニャ! ……それより、実際のところ、どうなのかニャ?」

 リャッカは自ら訊問じんもんすることにした。

 「なにがさ?」

 「とぼけちゃいけないニャ。吐いちまったほうが楽になるぜ?」

 リャッカはソファーに腰を落ち着けて足を組み、どこから取り出したのかサングラスまでかけている。

 「だから、なにがさ?」

 「気になる女性はいるのかってことニャ!」

 「はぁ……。おまえまでか……」

 ウラボスがうんざりした表情をする。だが、リャッカはそれにかまわず、ある種の期待を込めた視線をおくる。

 「……そんなことを知って、どうする気なんだよ?」

 「いいから、いいから! 仲間として気になるニャ!」

 「ただ面白がってるだけに見えるんだが?」

 「気のせいニャ!」

 「まぁ、いいか。答えたら寝るからな」

 「いいニャ! ウラボスたちが飲んだ後片付けは引き受けるニャ!」

 「ほぉ……。質問は気になる女性はいるかどうかだったな」

 リアーナとリャッカに緊張がはしる。

 「……いる…」

 ウラボスから返ってきた答えに、リアーナは目を見開き、リャッカは口角をあげる。

 「それはだれニャ!?」

 リャッカが掘り下げる。

 「なぜ、そこまで答えなきゃならんのだ?」

 「お願いニャ! このままだと余計に気になって眠れないニャ!!」

 「しょうがないな……」

 息をのんでウラボスの言葉を待つリアーナとリャッカ。

 「……ゼルアルは何者かに俺を抹殺するように依頼を受けたらしいんだが…」

 「「へ?……」」

 リアーナとリャッカがキョトンとする。ウラボスはそれにかまわず話を続ける。

 「どうやら、その依頼主というのが若い女だということまではわかったんだ」

 「まさか?」

 リャッカが嫌な予感を感じる。

 「ああ。気になる女とはそいつの……」

 全部言い終わらないうちに、跳躍したリャッカの飛び蹴りがウラボスの腹にくり出された。

 「……っと、なにするんだ?」

 それを受け止めて訊くウラボス。

 「この…おバカァァァ!」

 リャッカは怒声をあげて立ち去った。その後ろ姿を怪訝けげんな表情で見送るウラボス。その隣ではリアーナが苦笑していた。
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