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5章 幸運の獣
STORY84 盗賊ゼヴァノンを探して③
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「ここに情報屋がいるのね?」
「そうらしいニャ……」
チンピラたちから聞き出したスラムの一角。リアーナとリャッカの視線の先には《情報屋のジョー あなたの知りたいこと調べます。ご依頼はお気軽に!》と書かれた看板が堂々と掲げられている。
「なんか、イメージしてたのとはだいぶ違うんだけど……」
リアーナの言葉にリャッカも同意するように首を縦に振る。
「なんにしても、ここにいてもしかたない。中に入るぞ」
ウラボスが先頭に立って扉を開け、中に入っていく。
◎
「あっ、お客様ですか!? こんな所まで来ていただいて申し訳ありませんねぇ! 今、お茶でもお持ちいたしますので、ちょっと待っててもらえます?」
ウラボスたちが中に入ると、愛想笑いを浮かべた男が揉み手をしながら話しかけてきて、すぐにお茶の用意を始めた。
「なんだか、キャルトの町の武器屋さんを思い出すね…」
後ろにいたリアーナが男の様子をみてウラボスに囁く。
「…なるほど。言われてみれば似ているな」
ウラボスも微笑する。
「お待たせいたしました! どうぞ、お掛けになってください」
3人がソファーに腰をおろすと男は向かいの席に座る。
「あっしは情報屋のジョーといいます。それで、お客様は何を知りたいので?」
「この街にカーバンクルがいるそうなんだが、その居場所を探してほしい…というのが依頼内容だ」
ウラボスが依頼内容を告げると、ジョーは口元に手をあて、なにやら考えだした。
「どうかしたのかニャ?」
リャッカが訊く。
「いやね。最近なんですが、あっしの知り合いの情報屋もカーバンクルを探してほしいって依頼を受けたそうなんですよ」
「ニャニャ!? その依頼主がゼヴァノンに違いないニャ!」
「ゼヴァノン!? お客様たちはゼヴァノンを探しておいでですか?」
「はい。ジョーさんは何かご存知なんですか?」
リアーナに訊かれ、ジョーは暫し黙る。
「ゼヴァノンを探してどうするおつもりで?」
ジョーはリアーナの質問には答えず、さらなる質問を投げ掛けてくる。
「わたしたちはゼヴァノンの討伐依頼を受けてるんです。それで、ゼヴァノンはこの街でカーバンクルを探してる可能性があるんです」
「なるほど。それで、やつを探してるんですかい。実はですね、あっしの親友の情報屋がゼヴァノンの殺られちまったんでさぁ。もし、皆さんがあっしの親友の敵打ちをしてくれるのなら、無料で調べましょう!」
「どのみちゼヴァノンは倒さねばならない相手だ」
「わたしたちの依頼達成はそのままジョーさんのお友達の敵打ちになりますから、お引き受けします」
ウラボスとリアーナの返事にジョーは嬉々とした表情を見せる。
「それじゃ、交渉成立ですね! カーバンクルとゼヴァノンの居所はあっしが全力で見つけてみせやす! おそらく2、3日以内には……」
「わかりました。わたしたちはニギヤカ亭っていう宿屋に宿泊しています」
「了解です。それじゃ、見つかり次第お伺いいたしやすのでお待ちを……」
「お願いします」
リアーナとジョーは誓いの握手を交わした。
「そうらしいニャ……」
チンピラたちから聞き出したスラムの一角。リアーナとリャッカの視線の先には《情報屋のジョー あなたの知りたいこと調べます。ご依頼はお気軽に!》と書かれた看板が堂々と掲げられている。
「なんか、イメージしてたのとはだいぶ違うんだけど……」
リアーナの言葉にリャッカも同意するように首を縦に振る。
「なんにしても、ここにいてもしかたない。中に入るぞ」
ウラボスが先頭に立って扉を開け、中に入っていく。
◎
「あっ、お客様ですか!? こんな所まで来ていただいて申し訳ありませんねぇ! 今、お茶でもお持ちいたしますので、ちょっと待っててもらえます?」
ウラボスたちが中に入ると、愛想笑いを浮かべた男が揉み手をしながら話しかけてきて、すぐにお茶の用意を始めた。
「なんだか、キャルトの町の武器屋さんを思い出すね…」
後ろにいたリアーナが男の様子をみてウラボスに囁く。
「…なるほど。言われてみれば似ているな」
ウラボスも微笑する。
「お待たせいたしました! どうぞ、お掛けになってください」
3人がソファーに腰をおろすと男は向かいの席に座る。
「あっしは情報屋のジョーといいます。それで、お客様は何を知りたいので?」
「この街にカーバンクルがいるそうなんだが、その居場所を探してほしい…というのが依頼内容だ」
ウラボスが依頼内容を告げると、ジョーは口元に手をあて、なにやら考えだした。
「どうかしたのかニャ?」
リャッカが訊く。
「いやね。最近なんですが、あっしの知り合いの情報屋もカーバンクルを探してほしいって依頼を受けたそうなんですよ」
「ニャニャ!? その依頼主がゼヴァノンに違いないニャ!」
「ゼヴァノン!? お客様たちはゼヴァノンを探しておいでですか?」
「はい。ジョーさんは何かご存知なんですか?」
リアーナに訊かれ、ジョーは暫し黙る。
「ゼヴァノンを探してどうするおつもりで?」
ジョーはリアーナの質問には答えず、さらなる質問を投げ掛けてくる。
「わたしたちはゼヴァノンの討伐依頼を受けてるんです。それで、ゼヴァノンはこの街でカーバンクルを探してる可能性があるんです」
「なるほど。それで、やつを探してるんですかい。実はですね、あっしの親友の情報屋がゼヴァノンの殺られちまったんでさぁ。もし、皆さんがあっしの親友の敵打ちをしてくれるのなら、無料で調べましょう!」
「どのみちゼヴァノンは倒さねばならない相手だ」
「わたしたちの依頼達成はそのままジョーさんのお友達の敵打ちになりますから、お引き受けします」
ウラボスとリアーナの返事にジョーは嬉々とした表情を見せる。
「それじゃ、交渉成立ですね! カーバンクルとゼヴァノンの居所はあっしが全力で見つけてみせやす! おそらく2、3日以内には……」
「わかりました。わたしたちはニギヤカ亭っていう宿屋に宿泊しています」
「了解です。それじゃ、見つかり次第お伺いいたしやすのでお待ちを……」
「お願いします」
リアーナとジョーは誓いの握手を交わした。
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