翠の桜

れぐまき

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満開

番外編(従妹姫の襲撃1)

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やっと思いを通わせ、今までの時間を埋めるように楽しく過ごしていた私たち



そう
・・・楽しく過ごしていたはずなんだけど…


この状況は何かしら・・・?


目の前には泣きはらし、少し赤みを帯びた目でこちらを…私を睨んでくる可愛らしい雰囲気の女性と、それに倣うようにこちらを睨む彼女付きらしき侍女
そしてそれを不機嫌そうに、でもどこか勝ち誇ったような表情で睨みつける私の女房達

…状況把握ができないので少しづつ整理していくことにしよう・・・

最初に、彼女は私の四つ下の、父方の従姉妹であるらしい
(もっとも、業平殿と違って今までほとんど交流がなかったので詳しくは知らないが…)
ちなみに、業平殿は母方の従兄弟なので彼女と彼に関係はない

次に、彼女がここにいるのは父の弟(私にとっては叔父にあたる人)に頼んだからのようだ
表向きには私と楽しくお話しすることが目的だったと聞いている
(・・・そんな風には全く見えないが)

さて、次が本題
彼女がここにいる本当の理由だが、簡単にまとめると…私のことが気に入らないらしい


もともと、彼女は業平殿に憧れていたそうな
ある時に彼の姿を見るてから、憧れは恋に変わった
そこから父親に頼み、それとなく恋心を仄めかしたり、縁談を持ち掛けてみたりとがんばっていたらしい
しかし、彼からいい返事は一向に帰ってこない
痺れを切らした彼女の父親が彼に娘との結婚を強引に迫ろうとしたところ
彼の結婚が決まったと噂が流れた
父親が慌てて確認を取ると、相手はなんと自分の兄の娘
立場上どうすることも出来なくなってしまった父親は、彼女に彼を諦めるように告げたらしい
しかし、彼女はあきらめきれなかった
次第に恋心は憎しみに変わり、自分がどれほど欲しても手に入れられなかった彼と結婚した私に向かった
そして直接抗議しに来た・・・と


そういうことだ


…え、私にどうしろと?
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