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満開
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「奥様、懐かしいものが出てまいりましたわ」
侍女から声をかけられ差し出された木箱
見覚えのない少し古びたそれを受け取り、首を傾げた
「なあに?」
「開けてみてくださいな」
「・・・教えてはくれないのね」
にこにこと進めるだけの彼女に苦笑し、そっと箱を開けてみた
中に入っていたのは数枚の文…のようなもの
取り出してみてみると書かれている文字はお世辞にも綺麗とは言えないものだった
「これは・・・?」
「わかりませんか?」
「わからないわ」
再び首をかしげると意外、という顔をした女房が言葉を発する
「姫様と、業平様の手習いですわ」
「手習い…」
「はい、幼い頃のお二人が好きな言葉を書かれたものです」
「へぇー…」
束になっていたそれを、数枚めくってふと手がとまった
そこに、幼い字で書かれていたのはあの日の言葉
‘ずっと一緒にいようね’
私と彼を繋いだのは、小さな頃の約束
大人になり、ところどころ色褪せてしまっても確かに残る
朝露のように輝く美しい思い出でした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これで一旦完結です
読んでいただいてありがとうございました
また番外編などアップする予定です
侍女から声をかけられ差し出された木箱
見覚えのない少し古びたそれを受け取り、首を傾げた
「なあに?」
「開けてみてくださいな」
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「これは・・・?」
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大人になり、ところどころ色褪せてしまっても確かに残る
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