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しおりを挟む“アリスの事が好きではない”
それはこの世界では“異常”とされる
この猫は私がアリスを好きではないといった
つまり私が異常者だと言っていることになる
失礼な・・・
眉をひそめて猫を見やると相変わらずのニヤニヤした笑みをうかべていた
「そんなことないわ、かわいらしいお嬢さんじゃないの
なにを当たり前のことを言っているの?」
「いや、嘘だね」
さらりと否定され、溜息をつく
これ以上言葉を続けても無駄だと判断した私は、いまだにアリスに群がっているトランプ兵の見習い達に声をかけた
「おまえ達、いつまでもお客様を立たせていては失礼でしょう?
アリスとお話がしたいなら食堂でお茶でもしながらになさいな」
「「はーい!!」」
「行こう!アリス」
「お茶をしよう!!」
「お菓子もあるよ!」
「おいしいの!」
ハイテンションでアリスの手を引いて去って行った彼らを見送る
一つ息をついて執務を再開しようと再び椅子に腰かけると、ふと視線を感じた
顔を上げて視線の主を確認し首をかしげる
「あら…白ウサギはいかなくていいのかしら?」
「・・・いや、今から行くよ」
微妙な反応を残して部屋から出ていく白ウサギ
なんだか様子がおかしかった気もするが、特に興味もないのでそのまま流して羽ペンを取り上げた
「おい、オレのこと無視するなよ」
「・・・」
相変わらずにやにやとした笑みを浮かべてはいるが、どこか不機嫌な様子を醸し出すという器用なまねをしながら部屋に残っていたチャシャ猫にため息をつく
執務を再開するのはまだ先になりそうだ
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