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色は赤とピンク
模様はハートとダイヤ
家具は猫足
カーテンはふりふりレースの執務室
一応言っておくが私の趣味ではない
先代から受け継いだもので、模様替えも面倒だったからそのままにしているだけだ
そこで書類に目を通していると、扉がノックされた
「だぁれ?」
「赤の女王?アリスを連れてきたんだ
入ってもいいかい?」
聞こえてきたのは白ウサギの声
「そう・・・
どうぞ?お入りなさい」
了承すると扉が開いて姿を現したのは白ウサギと小柄な少女、そして・・・
「あら、チャシャ猫も一緒なの?」
私の呟きに律儀に白ウサギが答える
「城の前であったんだ」
「そうなの」
気のない返事を返し白ウサギの影に隠れるように立っていた少女に視線を移す
彼女は腰あたりまであるくるくるとした栗色の巻き髪をふわりと揺らし
水色のエプロンドレスに身を包んでいた
〝アリス〟の正装である
「貴女がアリス?」
「あ、はい!」
「そう、私は赤の女王よ」
「えっと、よろしくお願いします」
「えぇ、どうぞよろしく」
頬を染め頭を下げる少女にゆるりと笑みを向ける
挨拶を終えると同時、部屋の扉が音を立てて開いた
「「女王様ー!!」」
「アリスが来たってホントー!?」
「ホントー!?」
「あなたたちまたノックもなしに・・・
・・・まぁいいわ。ほらそこに」
手で示すとトランプ兵の見習い達は目を輝かせた
「「「わーい!アリスだー!!」」」
アリスは彼らに囲まれ、白ウサギはさりげなくアリスを庇うように前に出る
その様子を見るともなく見ていると、いきなり耳元で声がした
「女王はアリスとお話しなくていいのか?」
顔を向けるとトレードマークともいえるニヤニヤとした笑みを浮かべたチャシャ猫の顔がすぐ側にあった
特に動じることもなく、普通に答える
「今はあの子達が話しているから…
また機会があったらで構わないわ」
答えを聞いたチャシャ猫の笑顔が増す
「へー・・・
やっぱり女王も同類?」
「如何いう事かしら?」
チャシャ猫はニヤニヤと笑いながら耳に口を寄せ、囁くように言葉を紡いだ
「アリスの事、別に好きじゃないんだろ?」
模様はハートとダイヤ
家具は猫足
カーテンはふりふりレースの執務室
一応言っておくが私の趣味ではない
先代から受け継いだもので、模様替えも面倒だったからそのままにしているだけだ
そこで書類に目を通していると、扉がノックされた
「だぁれ?」
「赤の女王?アリスを連れてきたんだ
入ってもいいかい?」
聞こえてきたのは白ウサギの声
「そう・・・
どうぞ?お入りなさい」
了承すると扉が開いて姿を現したのは白ウサギと小柄な少女、そして・・・
「あら、チャシャ猫も一緒なの?」
私の呟きに律儀に白ウサギが答える
「城の前であったんだ」
「そうなの」
気のない返事を返し白ウサギの影に隠れるように立っていた少女に視線を移す
彼女は腰あたりまであるくるくるとした栗色の巻き髪をふわりと揺らし
水色のエプロンドレスに身を包んでいた
〝アリス〟の正装である
「貴女がアリス?」
「あ、はい!」
「そう、私は赤の女王よ」
「えっと、よろしくお願いします」
「えぇ、どうぞよろしく」
頬を染め頭を下げる少女にゆるりと笑みを向ける
挨拶を終えると同時、部屋の扉が音を立てて開いた
「「女王様ー!!」」
「アリスが来たってホントー!?」
「ホントー!?」
「あなたたちまたノックもなしに・・・
・・・まぁいいわ。ほらそこに」
手で示すとトランプ兵の見習い達は目を輝かせた
「「「わーい!アリスだー!!」」」
アリスは彼らに囲まれ、白ウサギはさりげなくアリスを庇うように前に出る
その様子を見るともなく見ていると、いきなり耳元で声がした
「女王はアリスとお話しなくていいのか?」
顔を向けるとトレードマークともいえるニヤニヤとした笑みを浮かべたチャシャ猫の顔がすぐ側にあった
特に動じることもなく、普通に答える
「今はあの子達が話しているから…
また機会があったらで構わないわ」
答えを聞いたチャシャ猫の笑顔が増す
「へー・・・
やっぱり女王も同類?」
「如何いう事かしら?」
チャシャ猫はニヤニヤと笑いながら耳に口を寄せ、囁くように言葉を紡いだ
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