悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき

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恋愛編

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茶菓子を見て黙り混んでしまったセシリアに、俺は顔には出さないようにしながらも動揺した

なんだ?
なにか嫌いなものでもあったか?
一応、昔好んで食べていたものを中心に無難なものを用意させたつもりだが…

どうしたのかとじっとセシリアを観察する
よく見ると彼女の眉間にうっすら皺がよっていることに気がついた
それを見て俺はさらに動揺を強めた

なんだ!?
それとも茶菓子ではなく俺が何かしたか…?
…だめだ、わからん
何がいけなかったんだ…

ぐるぐると考えをめぐらせるが答えはでない
焦りつつも何も出来ず様子をうかがっていると、セシリアが困ったような、諦めたような表情で顔をあげた


なんだ…?
やはり俺か…?

ギクリと体を強張らせ、彼女が口を開くのを待つ
しかし出てきた言葉は予想外のものだった

「あの、よろしければこれを…」

おずおずと差し出された二つの包み
一つはこの学校に入学してから時々目にするカフェのテイクアウトのもの
もう一つは繊細な模様が描かれた水色の布に包まれた箱だった

「これは…?」
「お邪魔しますので手土産をと思いまして…」

その言葉に意図は理解するが・・・なぜ二つ?
疑問を投げかけると、いつも毅然とした態度を崩さない彼女には珍しく気まずげに目をそらしながら答えを口にした

「その、とても申し訳ないのですけれど…
私、殿下のお好みを把握できておりませんでしたの
ですので、手土産をと思った時に何を準備していいのか迷ってしまいまして…」

そこで言葉を区切り、セシリアはカフェの包みを手で示す

「こちらはいつものカフェのテイクアウトで、焼き菓子の詰め合わせです
よければ召し上がってください
甘いものが苦手でなければですが…」

次にもう一つを指し、俺が驚く言葉を口にする

「それで、こちらは私が作ったものなのです
甘さを控えたチーズクッキーとブランデーを聞かせたチョコレートなのですが…」

その言葉に俺はピタリと動きを止めた

手作り、だと・・・?
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