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本編
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「何笑ってるんだい?」
声をかけられ二人してそちらを振り向く
そこに立っていたのは金色の長髪を緩く束ねた青年だった
あ…この方は確か、アンバー王国の…
「レオナルドか」
「ずいぶん楽しそうだったけど何かあった?」
「いや…楽しくはないな」
「えー?めちゃくちゃ笑ってたじゃないか」
「まぁ、笑ってはいたが…」
話し出した二人の邪魔にならないよう、一歩後ろに下がって頭を下げた
視線を伏せながら記憶を整理する
彼の名はレオナルド
アンバー王国の第三王子だ
儚げな容姿に優しい言葉遣いと柔らかな物腰が特徴の攻略対象者の一人
ただそれは表の顔で、本当は計算高い腹黒というのが彼のキャラクター設定だった
まぁ、そんなことはどうでもいい
他国の攻略対象の方々はキャラ的に面倒そうな方が多いからあまり関わりたくないのよね…
このまま私のことは放っておいて立ち去ってくれないかしら…?
そう思いつつ、そっと会話している二人を伺う
するとレオナルド様と目があってしまった
不味いと思って不自然にならない程度の勢いで目を剃らすが、時すでに遅し
彼は笑みを浮かべて殿下に尋ねる
「ところで、そちらのご令嬢は?」
「あぁ、面識なかったな・・・セシリア・リストだ」
「あ!噂の天才令嬢だね?
君の婚約者になったっていう…」
レオナルド様が瞳に好奇心をのせて此方に向き直る
…関わりたくなかったのに…
そんなことを考えているとはお首にも出さず、笑みを浮かべて正式な挨拶の姿勢を取った
「お初にお目にかかります
ラピス皇国、リスト公爵家のセシリアでございます
ご挨拶が遅れて申し訳御座いません」
「あぁ、頭を上げて?」
促されて顔をあげるとレオナルドがすぐ近くに立っていた
「初めまして、セシリア嬢
僕はアンバー王国第三王子のレオナルドだよ
お噂はかねがね。会えて嬉しいよ
仲良くしてくれると嬉しいな」
そう言いながらレオナルド様は流れるように私の手をとり、甲に口づけた
「本当は君とアルベルトの婚約発表会にも友人として顔を出すもりだったんだけどね
どうしても外せない用があって参加できなかったんだ」
「まぁ…そうでしたか」
「うん。でも、無理にでも参加すべきだったかな?
正式な婚約発表の前にこんなに綺麗な人だって知ってたら僕も求婚したのに…残念だよ」
「あら、お上手ですね」
「ん?本気だよ?」
手を握ったまま朗らかな笑顔で話し続けるキラキラ王子
端から見れば爽やかな王子様が友人の婚約者を誉めている図なのだろう
だがキャラクター設定を知っているせいか、どうも胡散臭く感じてしまう
早く離してくれないかしら…
軽く手を引いてみるが痛くない程度に…だが、しっかりと握られていてびくともしない
ひきつりそうになる頬を耐えながら軽く微笑む
「ご冗談を」
「本気なのに…
ま、何にせよ君みたいに美しい人が婚約者になったなんて、アルベルトが羨ましいよ」
そう言って彼の視線が殿下へと移る
それに反応し、今まで黙っていた殿下が口を開いた
「冗談言ってないで手を離せ」
「おや?嫉妬かい?」
「バカか」
殿下がからかうような言葉を切って捨てると、彼は本気なのにと呟きながらも肩をすくめて私の手を解放した
「そんなことより、何か用か?」
「あ、そうだった
魔法史のレポートが全然終わらなくてね
助けてくれない?」
「またか…仕方ないな」
「ありがとう、悪いね」
「そう思うならたまには自分でやれ
・・・魔法史なら明日の朝一か…
時間がない。さっさと行くぞ」
そう言ってこちらに背を向けて歩き出した殿下
「ごめんね、セシリア嬢
また今度」
ウインクを飛ばしてレオナルド様も殿下のあとを追った
頭を下げてそれを見送り、二人が見えなくなったところで息を吐き出す
ヒロインといいレオナルド様といい…
なんだか面倒なことが起きそうだわ…
声をかけられ二人してそちらを振り向く
そこに立っていたのは金色の長髪を緩く束ねた青年だった
あ…この方は確か、アンバー王国の…
「レオナルドか」
「ずいぶん楽しそうだったけど何かあった?」
「いや…楽しくはないな」
「えー?めちゃくちゃ笑ってたじゃないか」
「まぁ、笑ってはいたが…」
話し出した二人の邪魔にならないよう、一歩後ろに下がって頭を下げた
視線を伏せながら記憶を整理する
彼の名はレオナルド
アンバー王国の第三王子だ
儚げな容姿に優しい言葉遣いと柔らかな物腰が特徴の攻略対象者の一人
ただそれは表の顔で、本当は計算高い腹黒というのが彼のキャラクター設定だった
まぁ、そんなことはどうでもいい
他国の攻略対象の方々はキャラ的に面倒そうな方が多いからあまり関わりたくないのよね…
このまま私のことは放っておいて立ち去ってくれないかしら…?
そう思いつつ、そっと会話している二人を伺う
するとレオナルド様と目があってしまった
不味いと思って不自然にならない程度の勢いで目を剃らすが、時すでに遅し
彼は笑みを浮かべて殿下に尋ねる
「ところで、そちらのご令嬢は?」
「あぁ、面識なかったな・・・セシリア・リストだ」
「あ!噂の天才令嬢だね?
君の婚約者になったっていう…」
レオナルド様が瞳に好奇心をのせて此方に向き直る
…関わりたくなかったのに…
そんなことを考えているとはお首にも出さず、笑みを浮かべて正式な挨拶の姿勢を取った
「お初にお目にかかります
ラピス皇国、リスト公爵家のセシリアでございます
ご挨拶が遅れて申し訳御座いません」
「あぁ、頭を上げて?」
促されて顔をあげるとレオナルドがすぐ近くに立っていた
「初めまして、セシリア嬢
僕はアンバー王国第三王子のレオナルドだよ
お噂はかねがね。会えて嬉しいよ
仲良くしてくれると嬉しいな」
そう言いながらレオナルド様は流れるように私の手をとり、甲に口づけた
「本当は君とアルベルトの婚約発表会にも友人として顔を出すもりだったんだけどね
どうしても外せない用があって参加できなかったんだ」
「まぁ…そうでしたか」
「うん。でも、無理にでも参加すべきだったかな?
正式な婚約発表の前にこんなに綺麗な人だって知ってたら僕も求婚したのに…残念だよ」
「あら、お上手ですね」
「ん?本気だよ?」
手を握ったまま朗らかな笑顔で話し続けるキラキラ王子
端から見れば爽やかな王子様が友人の婚約者を誉めている図なのだろう
だがキャラクター設定を知っているせいか、どうも胡散臭く感じてしまう
早く離してくれないかしら…
軽く手を引いてみるが痛くない程度に…だが、しっかりと握られていてびくともしない
ひきつりそうになる頬を耐えながら軽く微笑む
「ご冗談を」
「本気なのに…
ま、何にせよ君みたいに美しい人が婚約者になったなんて、アルベルトが羨ましいよ」
そう言って彼の視線が殿下へと移る
それに反応し、今まで黙っていた殿下が口を開いた
「冗談言ってないで手を離せ」
「おや?嫉妬かい?」
「バカか」
殿下がからかうような言葉を切って捨てると、彼は本気なのにと呟きながらも肩をすくめて私の手を解放した
「そんなことより、何か用か?」
「あ、そうだった
魔法史のレポートが全然終わらなくてね
助けてくれない?」
「またか…仕方ないな」
「ありがとう、悪いね」
「そう思うならたまには自分でやれ
・・・魔法史なら明日の朝一か…
時間がない。さっさと行くぞ」
そう言ってこちらに背を向けて歩き出した殿下
「ごめんね、セシリア嬢
また今度」
ウインクを飛ばしてレオナルド様も殿下のあとを追った
頭を下げてそれを見送り、二人が見えなくなったところで息を吐き出す
ヒロインといいレオナルド様といい…
なんだか面倒なことが起きそうだわ…
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