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8・依頼人①江崎葵
※その水で地固まる
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激しい痛みで目を覚ました。
どうやら、俺はケントさんに殴られていたらしい。
手枷はベッドから外され、俺は乱暴に頭をつかまれてケントさんの股間の前に引っ張られた。
ギャグボールを外され、ケントさんの陰茎が目の前にあった。
「舐めろ」
初めて話した、東雲病院の駐車場。
あの時のように容赦ない声色だ。
俺はぼうっとした頭で、以前覚えたやり方を思い出し、舌を伸ばして根元から舐めはじめた。
両手でケントさんの立派な陰茎を支え、てろんてろんと舐める。俺はあえて膝立ちをして尻を上げた。ケントさんからは俺の身体の曲線がなまめかしく見えることだろう。
ふぅ、ふぅと息を荒くし、舐める淫らな音を聞かせ、聴覚も刺激する。
ケントさん、気持ちよくなってきたかな……?
そう思いながら亀頭へと舌先を舐めあげていき、ケントさんを上目遣いで見ようとした。
ケントさんは、苦しそうな顔をしていた。
「ケントさん……? 気持ちよくない?」
朦朧となりながらやってみたが、うまくできなかったかな?と心配になって尋ねる。
「~~~やっぱダメ、別れない」
乱暴だったケントさんは、這いつくばった俺を起こして抱きしめた。
風呂場へ連れていかれ、湯を溜めている間に身体をやさしく洗ってくれた。俺も、ケントさんの柔らかい栗色の髪をクシュクシュと洗ってあげた。
しっかりうがいをさせられ、身体の泡を流してから湯船に浸かる。
殴られた上半身がズキズキと痛んだが、ぼうっとして気にならなかった。
「なにがダメなわけ?」
気づくと、ケントさんも湯船に入ってきた。
「……ケントさんと涼くんに、がんじがらめにされるのツラくなった」
「あまねは、なにがしたいんだよ」
無気力に、天井を見上げる。
今までの傾向からして、ケントさんとはわかり合える気がしなかった。俺は話し合うのを避けて寮に戻ろうとしたのに、連れ戻されて責められている。
あーもう。
いやだ。
ため息がでた。
「……あのさー、ケントさん。俺、ケントさんと涼くんのコンビすごく好きだよ? でも、オレのことになると、なんか過保護すぎてるよね? なんか隠してるんでしょ」
「あまねにしちゃ冴えてるな」
「ひっど。それがイヤなの。俺のこと、もう少し信用してよ」
「さらわれて、血抜かれて、殴られて、レイプされる奴がなんだって?」
「うっ……」
それを言われたらぐうの音も出ない。
ケントさん、歩み寄る気ないじゃん。
このままだといつものパターンになってしまう。
どう言えばいいんだ。
「隠してること言わないなら、やっぱり別れるよ。それか、もう少し俺のこと放っておいて」
「脅す気かよ」
「ケントさん、俺、ケントさんのこと本当に大好きなんだよ。でも今のままじゃダメだなって思ってるの。わかるでしょ?!」
語尾を強めに言ってみた。
「あまね……」
ケントさんは俺の腕をつかんで、強引に自分の胸元へ引っ張った。それからぎゅうーっと抱きしめてくれた。
「甘やかしたらダメだったか?」
ケントさんがしおれた声色に変わった。俺は続けて強めに言ってみる。
「……ケントさん、甘やかしすぎなんだよ……。俺、自分に課せられたこと、成し遂げたい。ダメ勇者だけど、がんばって前に進みたい。ケントさんて魔法使いとか賢者タイプでしょ。甘やかすばっかりじゃなくて、サポートしてよ」
「サポート、か。……わかった。だから、別れるだなんてもう言わないでくれ」
「ほんと? ほんとにわかってくれた?」
俺は嬉しくなって、笑顔を向けた。
「やっと笑ってくれた」
ホッとした様子で、ケントさんは俺の肩に顔をうずめた。
「はあ……あまねを失うのがこわい……」
年上のケントさんに強く言うなんて、と思ったけど。こういう方が効き目があったんだ。言い方って大事だな。
「……別れるだなんて言ってごめんね。2人が俺にとって麻薬みたいだなぁと思ったら、早く離れなきゃと思っちゃって。……このまま溺れたままでいたくない」
「そんなに甘美な誘惑だったか? 涼も、ってのが気にくわないが」
「ごめんね、ケントさん。大好きだよ」
ケントさんの首筋にキスをし、濡れた肌を舌先で舐めた。左耳をペロリと舌で刺激し、軟骨に刺さったピアスをチロチロと舐める。
「あ。舌にピアスつけたら、こんな感じかな。キスの時、ケントさん気持ちいいかもね。開けようか?」
「ダメ。……でも開ける時のあまねの顔想像したら、チンコ勃ちそう」
「エロそう?」
「エロい、たぶん」
「じゃあ、セックスがマンネリになったころ開けてね」
笑いながら、今度はケントさんの愛撫を首筋で受ける。
━━━ぴんぽん。
電子音がした。
「イチャイチャしてないで、早く出てくださいよっ」
俺とケントさんはまた笑って、そしてキスをした。至近距離で見つめあいながら、舌を絡めあうと、俺の股間はうずいた。ケントさんの膝に乗り、股間を合わせると、ケントさんも反り立っていた。
「早く出ろって言われたのに、するつもりか?」
とケントさんは意地悪く言うので、俺は
「そうだよ?」
といやらしい声でささやいてやった。
俺は少し身体を上げてケントさんの亀頭を後孔にあてがう。
「さっきはモノみたいに扱われて、すごく悲しかった」
「お前が別れるだなんて言うからだろ。他の奴ともしたいのかと思ったんだ」
「淫乱な俺はダメなの?」
「俺だけに見せろ」
「わかってる……」
ゆっくりと腰を下ろし、陰茎を咥えこむ。
ぬぽぬぽと侵入し、肉壁を進むと、快楽が一気に脳へと伝わった。
「ぁあ━━━っ!! ケント、さんっ気持ちいっぃ♡♡」
俺は挿入しただけで快感が押し寄せ、プルプルと震えてケントさんにしがみついた。
「ヤバい……なんかもうイキそ……」
「さっき根元しばってイカせなかったもんな。ほら、ナカでイケよ」
そう言ってまたチンコの根元を手で押さえてきた。俺は数度上下に動き、快感の波を呼んだ。
「んぁっ♡♡ほん、っとにナカでイき、そ━━━ああッ!!」
俺はいとも簡単に絶頂を迎え、ケントさんをギュッとにぎった。
━━━ガラッ
その時、涼くんが風呂場の扉を開けた。
「……うっわ、ほんとにイチャイチャしてた」
「はぁっはぁっ」
「あまねのイッた顔見るか?」
「ケ、ントさん~やめてぇ」
ケントさんにしがみついて顔を隠しながら、大きく肩で息をする。
「えっろ。さっきの険悪なムードは解消されたってことですよね?」
「ああ。仲直りセックス中」
「良かった~。じゃ、のぼせる前に上がってくださいね」
……この2人、ほんと信っじられない。
どうやら、俺はケントさんに殴られていたらしい。
手枷はベッドから外され、俺は乱暴に頭をつかまれてケントさんの股間の前に引っ張られた。
ギャグボールを外され、ケントさんの陰茎が目の前にあった。
「舐めろ」
初めて話した、東雲病院の駐車場。
あの時のように容赦ない声色だ。
俺はぼうっとした頭で、以前覚えたやり方を思い出し、舌を伸ばして根元から舐めはじめた。
両手でケントさんの立派な陰茎を支え、てろんてろんと舐める。俺はあえて膝立ちをして尻を上げた。ケントさんからは俺の身体の曲線がなまめかしく見えることだろう。
ふぅ、ふぅと息を荒くし、舐める淫らな音を聞かせ、聴覚も刺激する。
ケントさん、気持ちよくなってきたかな……?
そう思いながら亀頭へと舌先を舐めあげていき、ケントさんを上目遣いで見ようとした。
ケントさんは、苦しそうな顔をしていた。
「ケントさん……? 気持ちよくない?」
朦朧となりながらやってみたが、うまくできなかったかな?と心配になって尋ねる。
「~~~やっぱダメ、別れない」
乱暴だったケントさんは、這いつくばった俺を起こして抱きしめた。
風呂場へ連れていかれ、湯を溜めている間に身体をやさしく洗ってくれた。俺も、ケントさんの柔らかい栗色の髪をクシュクシュと洗ってあげた。
しっかりうがいをさせられ、身体の泡を流してから湯船に浸かる。
殴られた上半身がズキズキと痛んだが、ぼうっとして気にならなかった。
「なにがダメなわけ?」
気づくと、ケントさんも湯船に入ってきた。
「……ケントさんと涼くんに、がんじがらめにされるのツラくなった」
「あまねは、なにがしたいんだよ」
無気力に、天井を見上げる。
今までの傾向からして、ケントさんとはわかり合える気がしなかった。俺は話し合うのを避けて寮に戻ろうとしたのに、連れ戻されて責められている。
あーもう。
いやだ。
ため息がでた。
「……あのさー、ケントさん。俺、ケントさんと涼くんのコンビすごく好きだよ? でも、オレのことになると、なんか過保護すぎてるよね? なんか隠してるんでしょ」
「あまねにしちゃ冴えてるな」
「ひっど。それがイヤなの。俺のこと、もう少し信用してよ」
「さらわれて、血抜かれて、殴られて、レイプされる奴がなんだって?」
「うっ……」
それを言われたらぐうの音も出ない。
ケントさん、歩み寄る気ないじゃん。
このままだといつものパターンになってしまう。
どう言えばいいんだ。
「隠してること言わないなら、やっぱり別れるよ。それか、もう少し俺のこと放っておいて」
「脅す気かよ」
「ケントさん、俺、ケントさんのこと本当に大好きなんだよ。でも今のままじゃダメだなって思ってるの。わかるでしょ?!」
語尾を強めに言ってみた。
「あまね……」
ケントさんは俺の腕をつかんで、強引に自分の胸元へ引っ張った。それからぎゅうーっと抱きしめてくれた。
「甘やかしたらダメだったか?」
ケントさんがしおれた声色に変わった。俺は続けて強めに言ってみる。
「……ケントさん、甘やかしすぎなんだよ……。俺、自分に課せられたこと、成し遂げたい。ダメ勇者だけど、がんばって前に進みたい。ケントさんて魔法使いとか賢者タイプでしょ。甘やかすばっかりじゃなくて、サポートしてよ」
「サポート、か。……わかった。だから、別れるだなんてもう言わないでくれ」
「ほんと? ほんとにわかってくれた?」
俺は嬉しくなって、笑顔を向けた。
「やっと笑ってくれた」
ホッとした様子で、ケントさんは俺の肩に顔をうずめた。
「はあ……あまねを失うのがこわい……」
年上のケントさんに強く言うなんて、と思ったけど。こういう方が効き目があったんだ。言い方って大事だな。
「……別れるだなんて言ってごめんね。2人が俺にとって麻薬みたいだなぁと思ったら、早く離れなきゃと思っちゃって。……このまま溺れたままでいたくない」
「そんなに甘美な誘惑だったか? 涼も、ってのが気にくわないが」
「ごめんね、ケントさん。大好きだよ」
ケントさんの首筋にキスをし、濡れた肌を舌先で舐めた。左耳をペロリと舌で刺激し、軟骨に刺さったピアスをチロチロと舐める。
「あ。舌にピアスつけたら、こんな感じかな。キスの時、ケントさん気持ちいいかもね。開けようか?」
「ダメ。……でも開ける時のあまねの顔想像したら、チンコ勃ちそう」
「エロそう?」
「エロい、たぶん」
「じゃあ、セックスがマンネリになったころ開けてね」
笑いながら、今度はケントさんの愛撫を首筋で受ける。
━━━ぴんぽん。
電子音がした。
「イチャイチャしてないで、早く出てくださいよっ」
俺とケントさんはまた笑って、そしてキスをした。至近距離で見つめあいながら、舌を絡めあうと、俺の股間はうずいた。ケントさんの膝に乗り、股間を合わせると、ケントさんも反り立っていた。
「早く出ろって言われたのに、するつもりか?」
とケントさんは意地悪く言うので、俺は
「そうだよ?」
といやらしい声でささやいてやった。
俺は少し身体を上げてケントさんの亀頭を後孔にあてがう。
「さっきはモノみたいに扱われて、すごく悲しかった」
「お前が別れるだなんて言うからだろ。他の奴ともしたいのかと思ったんだ」
「淫乱な俺はダメなの?」
「俺だけに見せろ」
「わかってる……」
ゆっくりと腰を下ろし、陰茎を咥えこむ。
ぬぽぬぽと侵入し、肉壁を進むと、快楽が一気に脳へと伝わった。
「ぁあ━━━っ!! ケント、さんっ気持ちいっぃ♡♡」
俺は挿入しただけで快感が押し寄せ、プルプルと震えてケントさんにしがみついた。
「ヤバい……なんかもうイキそ……」
「さっき根元しばってイカせなかったもんな。ほら、ナカでイケよ」
そう言ってまたチンコの根元を手で押さえてきた。俺は数度上下に動き、快感の波を呼んだ。
「んぁっ♡♡ほん、っとにナカでイき、そ━━━ああッ!!」
俺はいとも簡単に絶頂を迎え、ケントさんをギュッとにぎった。
━━━ガラッ
その時、涼くんが風呂場の扉を開けた。
「……うっわ、ほんとにイチャイチャしてた」
「はぁっはぁっ」
「あまねのイッた顔見るか?」
「ケ、ントさん~やめてぇ」
ケントさんにしがみついて顔を隠しながら、大きく肩で息をする。
「えっろ。さっきの険悪なムードは解消されたってことですよね?」
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