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8・依頼人①江崎葵
※ヤるのかヤられるのか
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ケントさんはゆっくりと左手を抜き、キッチンから湯で湿らせたタオルを持ってきた。顔を拭き、それから上半身を丁寧に拭いてくれた。それなのに、内ももにケントさんの手が触れた時、俺はガタガタと震えがきた。気持ち良かったのと同時に、これまでにない恐怖が襲ってきたのだ。
「痛かったか?」
と聞くケントさんに、俺はフルフルと首をふった。それでも、痙攣が止まらなかった。
「あまね、」
ケントさんと目を合わせるが、俺は瞬きができなくなっていた。ただただブルブルと小刻みに震え、芯からわき出る恐怖に耐えていた。
「拘束はずすから、もう少し待ってろ」
ケントさんはもう一度キッチンへ行き、新しく湿らせたタオルを持って戻ってきた。股間を優しく拭きあげ、足首の拘束を解いた。
続けて手の拘束を外し、ゆっくりと俺を抱きしめて、ケントさんは謝った。
ち、違います、気持ち良かったです、と言いたかったが、身体が言うことを聞かなかった。優しく抱きしめられても、痙攣は続いた。
それでも、ケントさんはずっと、ずっと抱きしめてくれた。
どのくらいの時を抱きしめられただろうか。
ケントさんはなにも聞かず、ただずっとそばにいてくれた。
震えが少しずつ弱まり、緊張した身体がゆるむとようやく声を出せるようになった。
「ケントさん、ごめん……」
俺を抱きしめてくれたケントさんを、俺は両手で抱きしめた。
ケントさんが風呂に入ろうと誘い、抱きかかえられて浴室へと向かった。
「……ケントさん、さっきのすごく気持ち良かったよ」
と湯船に浸かりながら小さい声で感想を述べる。
「ほんとか?」
「セックスは気持ち良かった。違うこと思い出しちゃって……」
「聞いていい話か?」
「……どう話せばいいのかわからない。順番が……。あー、……その前にケントさんに謝らなきゃいけないかな……」
ケントさんに寄りかかり、抱きしめられた腕をつかみながら、思案する。
別のことを考えながら、ふと自分が発したセックスという単語に疑問を抱く。
「……待って、ケントさんまだイッてないね?」
ハッと気づいて俺は後ろを向く。
「ごめん~ケントさん。俺自分だけイッちゃったね」
「いや、別にいいよ」
「良くなーいっ。俺だけ気持ち良くなってごめんね。口でしようか? それとも挿れる?」
「オレの突っ込んで大丈夫なのか?」
「挿れてほしい♡」
俺は先ほどの悪くなった空気を挽回しようと、ふしだらな自分を見せつけることにした。
俺はケントさんの膝にまたがり、性器を軽くこすりつけた。ケントさんの陰茎はやがて反り立ち、俺はゆっくりと腰を沈める。
先ほどのハードな拡張のせいで、簡単に飲み込めた。湯と共にケントさんの硬い肉棒が俺を犯す。
「んあっ♡ケントさんの形♡気持ちいい━━━」
湯船の中で、俺はケントさんのために上下に腰を動かす。深く射し込まれたまま根元でグリグリとかき回すと、ケントさんは吐息を漏らした。
「あまね、どんどんうまくなっていってるな」
「淫乱だからね。ゆるくなってない?」
ザブザブと水面が揺れて、洗い場に湯がこぼれ落ちる。
「毎日アレしたらゆるくなるかもな」
「じゃあ時々にしてね。あんッ♡」
熱を帯びた舌をケントさんに差し出すと、舌先をケントさんに吸われ、絡めて応えてくれた。俺はがんばって呼吸しながら、ケントさんの咥内を愛撫する。
クチュッ
チュポチュポッ
汗の混じった水滴が顔をつたい、ポタリポタリと顎から落ちていく。
唇を離すと絡まった唾液が糸をひき、俺とケントさんの口を淫らに繋げていた。
「ケントさん、大好き……」
俺はケントさんの首元にしがみつき、ナカを締めながら上から一気に腰を下ろした。
グヂョッ!!
胸元を密着させながら、俺がケントさんを犯すかのように、グチョグチョと肉棒をさすった。
ウッ……とケントさんが堪えた声を発し、俺の腰を力強くつかむ。
それから、ケントさんは強引に性器を抜いた。
「イキそうになっただろ……」
と、悔しそうに言うのでおかしくなった。
「俺にヤられるのいや?」
「イヤ。フェラでも悔しいのに」
年上なのに子供みたいだと、ケントさんのかわいいところを見つけて愛おしくなる。されるのはイヤで、させるのはいいのか。……まあキス好きケントさんはフェラさせないだろうけど。
「のぼせるから出るぞ」
俺はケントさんに促され、湯船から上がり洗い場の壁に手をついて、お尻をつき出した。
「この姿勢初めてかも……」
立ったまま。
なんていやらしいんだ。
「ベッドまで我慢できない。ほら、腰だけもうちょっと下げろ……そう、反らして」
ズチョンッ
「あ━━━━ッ!!」
いきなり激しく突く。
「オレが、お前を犯してるんだからなッ」
「あ゛ッ」
ズチョッズチョッ
ズボッズボッ
「ぁあ゛━━━ッきもちぃいッ━━━」
グチョングチョン
グチョングチョンッ
「お前のすべて、オレのものなんだよッ」
ズボッ!!
ズボッ!!
「ウッ━━━」
ケントさんは、俺のナカに熱い精液を吐き出した。そして、お尻をギュッとつかみ、フウフウと荒げた息を吐きながらブルッと痙攣した。
「はぁ、あまね……」
果てた肉棒を抜くと、ケントさんはバスタブの縁に腰かけた。
「お掃除フェラしようか?」
「ダメ……」
そんなことをかわいく言うもんだから、俺は息の荒いケントさんの口をふさぎ、酸欠状態になるようなディープキスをしてやった。
今夜の夕食はしゃぶしゃぶだった。
「これで肉も野菜も豆腐もとれるから、今夜これだけでいいか?」
とケントさんが聞いてきたので「もちろん」と返事した。
「今夜は、料理する時間より、あまねに寄り添っていたいんだ」
と注釈を加える。
そんなこと言わなくても、手抜きだなんて思わないのに。料理できる人って、食卓いっぱいに料理並べないと気が済まないのかな。
「ねえ、ケントさん。今日は向かい合ってじゃなくて、隣で食べませんか? ケントさん左手で食べるから、手を繋げるでしょ」
「いいよ」
ケントさんは承諾してくれ、椅子の位置をずらした。
軽く味を整えただし汁に、薄切りしたにんじんと大根、それから水菜、長ネギ、白菜、豆腐を入れて茹でる。卓上鍋がグツグツと湯気を出してきたので弱めて蓋を取り、薄切りの豚肉を湯にくぐらせた。
すぐに色が変わり、食べごろとなる。ケントさんはそのまま鍋の中の野菜を肉で巻き、俺の皿に置いてくれた。
「ポン酢かゴマだれな」
「初めて食べます。おいしそう♡」
「オレの手抜き料理。これからはたまに食べさせられるぞ~」
「ケントさんが、俺に溺れてイっちゃった時ですね♡」
と意地悪く言ってやった。いつもの仕返しだ。
「相性いいんだろうな。気持ち良さが全然違う」
俺の意地悪発言に全く動じず、ケントさんはビールを飲みながら、次の肉をしゃぶしゃぶしていった。
「痛かったか?」
と聞くケントさんに、俺はフルフルと首をふった。それでも、痙攣が止まらなかった。
「あまね、」
ケントさんと目を合わせるが、俺は瞬きができなくなっていた。ただただブルブルと小刻みに震え、芯からわき出る恐怖に耐えていた。
「拘束はずすから、もう少し待ってろ」
ケントさんはもう一度キッチンへ行き、新しく湿らせたタオルを持って戻ってきた。股間を優しく拭きあげ、足首の拘束を解いた。
続けて手の拘束を外し、ゆっくりと俺を抱きしめて、ケントさんは謝った。
ち、違います、気持ち良かったです、と言いたかったが、身体が言うことを聞かなかった。優しく抱きしめられても、痙攣は続いた。
それでも、ケントさんはずっと、ずっと抱きしめてくれた。
どのくらいの時を抱きしめられただろうか。
ケントさんはなにも聞かず、ただずっとそばにいてくれた。
震えが少しずつ弱まり、緊張した身体がゆるむとようやく声を出せるようになった。
「ケントさん、ごめん……」
俺を抱きしめてくれたケントさんを、俺は両手で抱きしめた。
ケントさんが風呂に入ろうと誘い、抱きかかえられて浴室へと向かった。
「……ケントさん、さっきのすごく気持ち良かったよ」
と湯船に浸かりながら小さい声で感想を述べる。
「ほんとか?」
「セックスは気持ち良かった。違うこと思い出しちゃって……」
「聞いていい話か?」
「……どう話せばいいのかわからない。順番が……。あー、……その前にケントさんに謝らなきゃいけないかな……」
ケントさんに寄りかかり、抱きしめられた腕をつかみながら、思案する。
別のことを考えながら、ふと自分が発したセックスという単語に疑問を抱く。
「……待って、ケントさんまだイッてないね?」
ハッと気づいて俺は後ろを向く。
「ごめん~ケントさん。俺自分だけイッちゃったね」
「いや、別にいいよ」
「良くなーいっ。俺だけ気持ち良くなってごめんね。口でしようか? それとも挿れる?」
「オレの突っ込んで大丈夫なのか?」
「挿れてほしい♡」
俺は先ほどの悪くなった空気を挽回しようと、ふしだらな自分を見せつけることにした。
俺はケントさんの膝にまたがり、性器を軽くこすりつけた。ケントさんの陰茎はやがて反り立ち、俺はゆっくりと腰を沈める。
先ほどのハードな拡張のせいで、簡単に飲み込めた。湯と共にケントさんの硬い肉棒が俺を犯す。
「んあっ♡ケントさんの形♡気持ちいい━━━」
湯船の中で、俺はケントさんのために上下に腰を動かす。深く射し込まれたまま根元でグリグリとかき回すと、ケントさんは吐息を漏らした。
「あまね、どんどんうまくなっていってるな」
「淫乱だからね。ゆるくなってない?」
ザブザブと水面が揺れて、洗い場に湯がこぼれ落ちる。
「毎日アレしたらゆるくなるかもな」
「じゃあ時々にしてね。あんッ♡」
熱を帯びた舌をケントさんに差し出すと、舌先をケントさんに吸われ、絡めて応えてくれた。俺はがんばって呼吸しながら、ケントさんの咥内を愛撫する。
クチュッ
チュポチュポッ
汗の混じった水滴が顔をつたい、ポタリポタリと顎から落ちていく。
唇を離すと絡まった唾液が糸をひき、俺とケントさんの口を淫らに繋げていた。
「ケントさん、大好き……」
俺はケントさんの首元にしがみつき、ナカを締めながら上から一気に腰を下ろした。
グヂョッ!!
胸元を密着させながら、俺がケントさんを犯すかのように、グチョグチョと肉棒をさすった。
ウッ……とケントさんが堪えた声を発し、俺の腰を力強くつかむ。
それから、ケントさんは強引に性器を抜いた。
「イキそうになっただろ……」
と、悔しそうに言うのでおかしくなった。
「俺にヤられるのいや?」
「イヤ。フェラでも悔しいのに」
年上なのに子供みたいだと、ケントさんのかわいいところを見つけて愛おしくなる。されるのはイヤで、させるのはいいのか。……まあキス好きケントさんはフェラさせないだろうけど。
「のぼせるから出るぞ」
俺はケントさんに促され、湯船から上がり洗い場の壁に手をついて、お尻をつき出した。
「この姿勢初めてかも……」
立ったまま。
なんていやらしいんだ。
「ベッドまで我慢できない。ほら、腰だけもうちょっと下げろ……そう、反らして」
ズチョンッ
「あ━━━━ッ!!」
いきなり激しく突く。
「オレが、お前を犯してるんだからなッ」
「あ゛ッ」
ズチョッズチョッ
ズボッズボッ
「ぁあ゛━━━ッきもちぃいッ━━━」
グチョングチョン
グチョングチョンッ
「お前のすべて、オレのものなんだよッ」
ズボッ!!
ズボッ!!
「ウッ━━━」
ケントさんは、俺のナカに熱い精液を吐き出した。そして、お尻をギュッとつかみ、フウフウと荒げた息を吐きながらブルッと痙攣した。
「はぁ、あまね……」
果てた肉棒を抜くと、ケントさんはバスタブの縁に腰かけた。
「お掃除フェラしようか?」
「ダメ……」
そんなことをかわいく言うもんだから、俺は息の荒いケントさんの口をふさぎ、酸欠状態になるようなディープキスをしてやった。
今夜の夕食はしゃぶしゃぶだった。
「これで肉も野菜も豆腐もとれるから、今夜これだけでいいか?」
とケントさんが聞いてきたので「もちろん」と返事した。
「今夜は、料理する時間より、あまねに寄り添っていたいんだ」
と注釈を加える。
そんなこと言わなくても、手抜きだなんて思わないのに。料理できる人って、食卓いっぱいに料理並べないと気が済まないのかな。
「ねえ、ケントさん。今日は向かい合ってじゃなくて、隣で食べませんか? ケントさん左手で食べるから、手を繋げるでしょ」
「いいよ」
ケントさんは承諾してくれ、椅子の位置をずらした。
軽く味を整えただし汁に、薄切りしたにんじんと大根、それから水菜、長ネギ、白菜、豆腐を入れて茹でる。卓上鍋がグツグツと湯気を出してきたので弱めて蓋を取り、薄切りの豚肉を湯にくぐらせた。
すぐに色が変わり、食べごろとなる。ケントさんはそのまま鍋の中の野菜を肉で巻き、俺の皿に置いてくれた。
「ポン酢かゴマだれな」
「初めて食べます。おいしそう♡」
「オレの手抜き料理。これからはたまに食べさせられるぞ~」
「ケントさんが、俺に溺れてイっちゃった時ですね♡」
と意地悪く言ってやった。いつもの仕返しだ。
「相性いいんだろうな。気持ち良さが全然違う」
俺の意地悪発言に全く動じず、ケントさんはビールを飲みながら、次の肉をしゃぶしゃぶしていった。
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