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6・依頼人②一ノ瀬涼

涼くんにさっそくバレる

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「うわー、ケント先生、えっぐぅ」

「りょ、涼くん」

涼くんが身体の痣に気付いて、のけぞっていた。


風呂共同だって言ったのに、あれから何度も吸われ、いく箇所も噛まれ、首から背中が痣だらけになっていた。

月曜の夜、見られるのを避けるため、最後にこそこそ浴場に来たが、涼くんにバレた。

「あまねが風呂入らないなぁーと思って様子見てたら、これか」

俺は何も言えず、唇を噛みしめた。

「まあとりあえず、最後オレたちだけだからゆっくり湯船でも浸かろ」

と言って涼くんはシャワーで軽く流し、浴槽へ向かった。


ちゃぽん……

俺は涼くんから少し離れた場所に浸かった。

涼くんの長いお説教を、近くでは聞けなかったからだ。

「……お前がさらわれたって聞いて、ホントに心配したんだ。でもケント先生があまねのこと助けに行ってくれて、入院中も看ててくれたんだろ。退院してからの週末も気にかけてもらえて、この人ならあまねのこと任せていいなって安心してたんだ」

「はい」

「だけど、なに?!  退院してさ、そりゃあラインはもらってたけど、日曜に帰ってきて久々なのにオレのこと避けるしさ、今日の学校でも目も合わせてくれなかったじゃん。その理由がこれなわけ?」


突如、涼くんはジャバジャバと湯を蹴ってこちらにやってきた。

「よく見せて」

涼くんは俺の腕をつかみ、左肩を眺めた。


「痛かったよな?」

一番深く噛まれた左肩を見て、涼くんは不安そうな顔をして聞いてきた。俺がケントさんに無理やりヤられてると思って心配しているようだ。

「ち、違うんだよ。涼くん、あのさ」

「大丈夫か?  イヤならちゃんと言えるように、オレも手伝ってやるから」

「い、いやほんとに違うの」

ケントさんに引き続き、涼くんにもなんて告白をしなければならないんだ。なんかのプレイか?

「あのさ、涼くん。……俺、こういうので感じちゃうみたい」

俺は顔を合わせることができず、うつむいた。

「……あーそうなんだ?  無理やりじゃないんだな?  良かったー」

涼くんは安心したようで、顔の筋肉がゆるんだ。

が、はっと驚いた顔に変わる。

「え、じゃあ乱暴な方が好みってこと?」

ポチャン

俺は火照る顔を湯船につけ、両手で耳をふさいだ。

そ、それ以上聞かないで……


しばし間をおくと、涼くんは何を思ったか、俺のうなじにそっとキスをしてきた。

何事かと驚いた俺は、顔を水面から上げると、涼くんは俺のあごに手を添えて頬にキスを落とした。

「え……」

そのまま離れることなく、涼くんは愛おしそうに俺を見つめた。





涼くんは俺の下唇を甘噛みし、濡れた舌をそっと挿し込んできた。

「━━ッ」

思わず俺も舌で応え、ちろちろと淫らに絡め合うと、性器がじんじんとしびれてきた。



くちゅ、くちゅ、



くちゅ、くちゅ、



ちゅぽっ

「っは━━━ッあ」

気持ちよすぎて、吐息が漏れる。

「あまね、気持ちいい?」

ひどく官能的で淫らな声だった。ゾクゾクと耳元を刺激し、俺は拒めない。

「もっとして……」

俺は、懇願した。



再び唇を合わせる。
咥内を、涼くんの舌がまさぐり、先ほどより激しく吸われる。両耳をふさがれ、グチュグチュと絡まる音が脳内に反響し、ふわふわと浮いた心地になった。やがて涼くんは舌先で唾液を流し入れ、俺は咥内に受け入れる。とろりとした涼くんの唾液は舌の奥へゆっくりと流れ、やがて喉を通過した。

こくん……

「はぁはぁ、涼くんのおいしい……」

「あまね、エロすぎ……」


涼くんはぎゅっと、優しく抱きしめてくれた。



「乱暴にしなくても、十分感じてるじゃん……」



……あれ、ほんとだ。



涼くんとなら、優しいセックスができそうだな、と思った。






いや、しないけど……






たぶん……




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