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※17、あいつとは違う
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「ん♡あっあっ♡♡」
殴られるかと思ったのに、今日は甘く甘く俺を抱いてくれている。正面を向いて突かれ、顔が見えるセックスに喘ぎ声が止まらない。
「ぁあっ♡ケン、トさっん♡♡なん♡でっ??」
「昨日のおわび」
「ん♡も、おれ気にしてなっ♡いよ♡♡」
俺はケントさんが無理してる方が辛いから、乱暴にしていいのに。優しく、とろけるような愛撫で俺を昇天させる。
「縛るか?」
「ぁ♡あ♡やだ、ケン・トさんに、だきつきた、い♡」
俺はピストンをするケントさんの腕を掴んでいた。いっしょに揺れ動いて、脳も揺さぶられ幸福な空間を感じながら、何度も果てようとしていた。
ケントさんは俺に覆い被さってくれたので、俺はケントさんの首に腕を回して抱きついた。
「はあ♡」
若干、伊織くんを気にしたキャラを演じていることは否めないが、仕方ないよね。
彼の受けなら、きっとこんな感じなんだろうな、って。
甘いセックスを堪能する、かわいらしいネコちゃん。
古賀くんは幸せ者だ。
まがいものでごめんね、ケントさん。
これが気に食わなかったら、殴っていいからね。
喘ぎながら、脳の片隅でそんなことを考えていた。
「んあん♡♡あっ♡♡きもちっいっ♡♡きもちいっ♡♡ケントさん♡♡だいすきぃ━━━♡♡♡♡♡あ、あ、んあ゛♡」
やがて、思考をすべて奪われるかのように何度も何度も昇りつめさせられる。
口を閉じることを忘れて、甘く叫びながらよだれを流し、性器からは先走りがとろとろとこぼれていった。
イキそうになると突如弱くなり、ケントさんはわざとイカせないようにコントロールしているのだと知った。
「や、もぉ♡♡ケント、さんっ」
「イキたいか?」
「うんっ♡いっぱいついてよぉ♡♡」
俺はかわいくおねだりする。膨張した性器は限界だし、1度俺がイッて息絶え絶えなところにまた激しく突いてほしい。ケントさんがイクとき俺の息が詰まるのは最高だから。
ああ。俺、ドMじゃないか。
これで涼くんのチンコのどの奥に突かれたら興奮しすぎて壊れてしまいそうだ。
あ、違うな。
涼くんはそんな乱暴なことしないから、ケントさんが2人ほしいな。
めちゃくちゃに、ぐちゃぐちゃにして、俺の身体を体液まみれに汚して、それでも俺を犯し続けてほしい。
それで気付いたら外は少し明るくなっていて、キレイに身体を拭かれた俺の横に添い寝しててほしい。
俺は壊れておかしくなって、すべて忘れるほど狂うけれど、そこに愛を感じて、性欲にまみれた汚い身体で幸福の時間を受け止めるんだ。
━━━俺にもそれなりの価値があるって、確認したい。
とろとろと脳髄まで溶けてまどろむ空間に、俺はどのくらいいたのだろう。
気付くとカーテンの隙間から光が差し込んでいた。
━━━え?
「うそっ?! ほんとに朝?! ケントさん??」
慌てて起き上がり、辺りを見回す。
ベッドルームにいたはずの俺は、なぜか今リビングにいる。
状況が飲み込めず、衣服をまとわぬままベッドルームに向かうと、目を疑うほどに乱雑に汚れたベッドが見えた。
信じられない。
また?
昨日は一度、片付けたよね??
2日連続?
ケントさんが?
あ、先にお風呂行ってるのかな?
俺はベッドルームから出て浴室に行ったけど、ケントさんの姿はなかった。
「??」
え、ていうか今何時なんだろ?
浴槽そばのモニターをのぞくと、8時半だった。
昨日ケントさんとセックスはじめてから、すでに半日以上経ってる。
どういうこと?
もうケントさん仕事行っちゃったのかな。
昨夜はごはん食べる前にいっしょにお風呂入って、どろっどろに甘やかされたセックスが始まったよね。それからリビングに移動して、俺寝ちゃったのかな。あ、終わった後まったり映画でも観たかな?
全く記憶にないけど。
……もしかして、これは夢の中?
淡く望んだ光景を、半分くらい採用された夢を見ているのかな。それは狂うほど壊されて愛された証だ。
3ヶ月も眠っていた頃、俺は夢だとは思わなかった。まどろみの中で、俺はずっとずっと、幸せな時を過ごしていた。不幸で辛かった過去はぼんやりとフィルターがかかり、つじつまが合わないはずなのに、目の前の幸福をすんなりと受け止めた。
だから、きっとこれは夢の中なんだ。
……だって、俺はカメラアイだから。
俺は瞬間記憶能力があり、すべてのことを鮮明に覚えることができる。劣化版だけど、基本的には覚えていられるはずだ。
その俺が覚えてないなんて。
絶対に、ありえない。
キッチンで裸のままコップに水をつぎ、ゴクゴクと飲んだ。
口元から水が少し滴り、あごをつたった。
その感触は、やけにリアルで。
あれ、やっぱり現実なのかな、って。
滴を拭った左手を何気なく見ると、その手首には縛られた痕が残っていた。
自分の身体に意識を向けると、ひどく疲れていて、今すぐにでも横になりたいほど倦怠感があった。首をさすると、少しヒリヒリする。脚を見ると、太ももやすねにも縛られたようなあか黒い痕がついていた。
━━━そうだ、全身が痛い。ジンジンと鈍い痛みが身体のあちこちから感じられ、ひどい頭痛もあった。
記憶にないけれど、どうやらこれは現実のようだ。
ケントさん、俺のこといっぱい愛してくれたんだな。
そう思うと、記憶がなくてもホッとした。
ああ、良かったぁ。
満足してくれたよね?
返していけてる、よね?
俺はもらってばかりじゃない。
お金はないし、この身一つしかないけれど……
相互利益がある。
俺とケントさんは、そう、ウィンウィンの関係なはずだ。
━━━俺は、あいつとは違う。
殴られるかと思ったのに、今日は甘く甘く俺を抱いてくれている。正面を向いて突かれ、顔が見えるセックスに喘ぎ声が止まらない。
「ぁあっ♡ケン、トさっん♡♡なん♡でっ??」
「昨日のおわび」
「ん♡も、おれ気にしてなっ♡いよ♡♡」
俺はケントさんが無理してる方が辛いから、乱暴にしていいのに。優しく、とろけるような愛撫で俺を昇天させる。
「縛るか?」
「ぁ♡あ♡やだ、ケン・トさんに、だきつきた、い♡」
俺はピストンをするケントさんの腕を掴んでいた。いっしょに揺れ動いて、脳も揺さぶられ幸福な空間を感じながら、何度も果てようとしていた。
ケントさんは俺に覆い被さってくれたので、俺はケントさんの首に腕を回して抱きついた。
「はあ♡」
若干、伊織くんを気にしたキャラを演じていることは否めないが、仕方ないよね。
彼の受けなら、きっとこんな感じなんだろうな、って。
甘いセックスを堪能する、かわいらしいネコちゃん。
古賀くんは幸せ者だ。
まがいものでごめんね、ケントさん。
これが気に食わなかったら、殴っていいからね。
喘ぎながら、脳の片隅でそんなことを考えていた。
「んあん♡♡あっ♡♡きもちっいっ♡♡きもちいっ♡♡ケントさん♡♡だいすきぃ━━━♡♡♡♡♡あ、あ、んあ゛♡」
やがて、思考をすべて奪われるかのように何度も何度も昇りつめさせられる。
口を閉じることを忘れて、甘く叫びながらよだれを流し、性器からは先走りがとろとろとこぼれていった。
イキそうになると突如弱くなり、ケントさんはわざとイカせないようにコントロールしているのだと知った。
「や、もぉ♡♡ケント、さんっ」
「イキたいか?」
「うんっ♡いっぱいついてよぉ♡♡」
俺はかわいくおねだりする。膨張した性器は限界だし、1度俺がイッて息絶え絶えなところにまた激しく突いてほしい。ケントさんがイクとき俺の息が詰まるのは最高だから。
ああ。俺、ドMじゃないか。
これで涼くんのチンコのどの奥に突かれたら興奮しすぎて壊れてしまいそうだ。
あ、違うな。
涼くんはそんな乱暴なことしないから、ケントさんが2人ほしいな。
めちゃくちゃに、ぐちゃぐちゃにして、俺の身体を体液まみれに汚して、それでも俺を犯し続けてほしい。
それで気付いたら外は少し明るくなっていて、キレイに身体を拭かれた俺の横に添い寝しててほしい。
俺は壊れておかしくなって、すべて忘れるほど狂うけれど、そこに愛を感じて、性欲にまみれた汚い身体で幸福の時間を受け止めるんだ。
━━━俺にもそれなりの価値があるって、確認したい。
とろとろと脳髄まで溶けてまどろむ空間に、俺はどのくらいいたのだろう。
気付くとカーテンの隙間から光が差し込んでいた。
━━━え?
「うそっ?! ほんとに朝?! ケントさん??」
慌てて起き上がり、辺りを見回す。
ベッドルームにいたはずの俺は、なぜか今リビングにいる。
状況が飲み込めず、衣服をまとわぬままベッドルームに向かうと、目を疑うほどに乱雑に汚れたベッドが見えた。
信じられない。
また?
昨日は一度、片付けたよね??
2日連続?
ケントさんが?
あ、先にお風呂行ってるのかな?
俺はベッドルームから出て浴室に行ったけど、ケントさんの姿はなかった。
「??」
え、ていうか今何時なんだろ?
浴槽そばのモニターをのぞくと、8時半だった。
昨日ケントさんとセックスはじめてから、すでに半日以上経ってる。
どういうこと?
もうケントさん仕事行っちゃったのかな。
昨夜はごはん食べる前にいっしょにお風呂入って、どろっどろに甘やかされたセックスが始まったよね。それからリビングに移動して、俺寝ちゃったのかな。あ、終わった後まったり映画でも観たかな?
全く記憶にないけど。
……もしかして、これは夢の中?
淡く望んだ光景を、半分くらい採用された夢を見ているのかな。それは狂うほど壊されて愛された証だ。
3ヶ月も眠っていた頃、俺は夢だとは思わなかった。まどろみの中で、俺はずっとずっと、幸せな時を過ごしていた。不幸で辛かった過去はぼんやりとフィルターがかかり、つじつまが合わないはずなのに、目の前の幸福をすんなりと受け止めた。
だから、きっとこれは夢の中なんだ。
……だって、俺はカメラアイだから。
俺は瞬間記憶能力があり、すべてのことを鮮明に覚えることができる。劣化版だけど、基本的には覚えていられるはずだ。
その俺が覚えてないなんて。
絶対に、ありえない。
キッチンで裸のままコップに水をつぎ、ゴクゴクと飲んだ。
口元から水が少し滴り、あごをつたった。
その感触は、やけにリアルで。
あれ、やっぱり現実なのかな、って。
滴を拭った左手を何気なく見ると、その手首には縛られた痕が残っていた。
自分の身体に意識を向けると、ひどく疲れていて、今すぐにでも横になりたいほど倦怠感があった。首をさすると、少しヒリヒリする。脚を見ると、太ももやすねにも縛られたようなあか黒い痕がついていた。
━━━そうだ、全身が痛い。ジンジンと鈍い痛みが身体のあちこちから感じられ、ひどい頭痛もあった。
記憶にないけれど、どうやらこれは現実のようだ。
ケントさん、俺のこといっぱい愛してくれたんだな。
そう思うと、記憶がなくてもホッとした。
ああ、良かったぁ。
満足してくれたよね?
返していけてる、よね?
俺はもらってばかりじゃない。
お金はないし、この身一つしかないけれど……
相互利益がある。
俺とケントさんは、そう、ウィンウィンの関係なはずだ。
━━━俺は、あいつとは違う。
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