上 下
11 / 27

※11、ごめんなさい

しおりを挟む
「ん゛ッあ゛ぁ゛あああ!!!!!」

ケントさんは有り余るほどの力で激しく突いた。

「や゛っあ゛ぁ゛ケン、トさっん!! いっかい゛やめ゛てっ!!!! おね゛がぃっ!!!!」

「伊織とはヤッたんだろうが」

「んぁ゛あ゛ゴメン゛なさっ!!くるしぃ゛ッからケントさん゛っ!!!」

ゴキュゴキュと音を立て俺のナカを激しくピストンする。帰ってきた途端に乱暴にベッドに押し倒され、怒りに満ちた態度で俺をいたぶり犯した。




昨夜までは俺が何度言ってもセックスしようとしなかったのに。今はなにかに憑かれているかのように豹変している。
俺は怖くて、でも気持ち良くて、性器を硬くしながら「やめて」と懇願する。

後ろから首を押さえられ、枕に顔を押しつけられながら激しく犯された。両手は自由だったけど、揺れ動く身体がずれないように必死に力を入れた。
バチンッと何度も尻を叩かれ、ビリビリと快楽の刺激が身体を這うと共に涙がこぼれる。

枕は涙とヨダレでぐちょぐちょに濡れた。

「はぁ゛っはぁ゛っケント、さんッごめんなさぃ゛おねがいか、顔み゛せてよ」

ずっと後ろから突かれているため、ケントさんの表情がわからなかった。
せめて、顔が見たい。

「ね゛ぇ、ケントさん゛っああああ!!!!」

「伊織の方がいいのか」

「な゛んでっケ、ケントさんとしたかったに決まってるでしょ!!!!」

俺は喘ぐ声をこらえて叫んだ。

だいたいケントさんが許可しちゃったからじゃないか。怒るくらいなら、許可しないで欲しかった。

でも、それは言えない。
ケントさんと対等でない俺はそんな文句言う資格なんてない。俺は犯されながら、ひたすら謝ることしかできなかった。

それでもケントさんの怒りがおさまることはなく、俺は何度も果てて気を失うまで揺さぶられた。







痛みで目が覚めた。

ゆっくり起き上がると、鼻血がどろりと落ちた。目元は涙が渇き、カピカピとしていた。唇も裂けたようでピリピリと痛んだ。
身体はだるく、おなかも太ももも精液にまみれてこびりついていた。


ぼんやりとした頭で周りを見渡す。



ケントさんの姿は見えない。


拭かずにいなくなるなんて、初めてだ。ケントさんの精神異常を感じ取れた。



俺はティッシュを鼻にあてながら、寝室を出た。





シャワーの音がした。浴室を開けると、ケントさんは頭からシャワーをかぶって微動だにしなかった。

「ケントさん……」

俺は枯れた声で話しかける。


ケントさんは、ゆっくりとこちらを向いてくれた。

シャワーの水で確かではないが、ケントさんは泣いてるようだった。

「やっと顔見れたぁ」

俺はほんの少しだけ、伊織くんの言い方を真似してみた。相手を警戒させない、ほんわかした態度。
ケントさんが反省して自己嫌悪に陥っているのはわかっているから。俺のためにと伊織くんとのセックスを許可してくれたのに、嫉妬を抑え切れずに爆発してしまったんだ。感情をコントロールできない彼が、俺は愛おしくてたまらなかった。
俺は、ケントさんをギュウッと抱きしめた。
水しぶきがかかるシャワーの下でケントさんを見上げて、キスをせがんだ。
ケントさんの柔らかい舌が恋しかった。性器は硬くて乱暴だけど、舌から得る快感はいつどこでもたまらなくなる。

両手で包むように顔を覆われて、舌先と舌先で挨拶をしたあとは咥内をぐちゅぐちゅにかき乱してくれた。上顎を舐められるとゾクゾクと小さな電流が走り、俺は股間がまた反応しそうになった。

「あまね……」

ケントさんの低くて魅力的な声は、俺の脳内をバグらせる。このままいっそ終わりを迎えたい。
ああ、どうせ終わらせるならと思考が狂い始め、再び破滅への道を進もうと思った。


ケントさんは俺の髪の毛から足の裏まで、そしてナカも丁寧に洗ってくれた。謝りはしないけど、その仕草で彼の後悔の念は簡単に読み取れる。

「ケントさん、俺のお尻舐めてよ」

暴力振るったこと、反省しているんでしょ? なら俺のお願い聞けるよね。

耳元で囁くように、恋人に命令した。

シャワーの音で、実際聞こえたかはわからない。

かけ、だった。

ケントさんの舌を、俺のアナルに入れて欲しかった。舌先で後孔をこじ開けて、クチュクチュと刺激を与えて欲しかった。


きれい好きでフェラすら嫌がるケントさんに、俺はひどいお願いをしてる。それなのに俺は壁に手をついて、お尻を突き出してみた。ケントさんはしゃがんでお尻を撫でてくれた。

俺はドキドキしながら、ケントさんに声が届いたことにかけ、その瞬間を待ち望む。

半ば脅迫したようなものだけど、俺は舌先でどこまでも愛して欲しかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・不定期

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!? ※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。 いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。 しかしまだ問題が残っていた。 その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。 果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか? また、恋の行方は如何に。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

処理中です...