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番外編. 世話係の悩み【後編】
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慌てて廊下を駆けていくと、朱虎さんが志麻さんの部屋の前に立っているのが見えた。思わず隠れて様子を見てしまう。
固く閉じたドアの向こうからはどんどんと音がしていた。多分、枕か何かを壁に投げつけているのだろう。
しばらくドアを睨んでいた朱虎さんは、音が少しおさまったときにおもむろにノックした。
「――お嬢、入りますよ」
「えっ、朱虎……? うそ、ちょっと待って」
ドアの向こうからびっくりしたような声が上がる。朱虎さんは構わずドアを開けてさっさと中に入っていった。
俺は急いでドアに近寄った。薄く開いたドアの隙間から、中の様子に耳を傾ける。
「何ですかこの部屋は。酷い有様ですね」
「う……うるさいっ、いきなり帰ってくるなり何よ! ほっといてよあたしのことなんか!」
「そうはいきません。……失礼しますよ」
「えっ、何……きゃっ!? は、離して!」
どたばたと取っ組み合うような音がする。俺はハラハラとドアに耳を押し当てた。
まさか本当に実力行使で引きずり出すつもりだろうか。
「ちょっと! 下ろしてってば、どこ行くの!」
「ベッドです」
えっ、マジか? いきなりそういう展開?
俺は度肝を抜かれたけど、志麻さんも同じだったようだ。
「えっ、べっ、ベッドって、な、何それ!? いきなりすぎるでょ!? もう……何なの、もう!」
志麻さんの声が泣き声交じりになる。その気持ちはよく分かった。
いくら何でもムードってもんがなさすぎる!
「全然会えないし、連絡もよこさないし、朱虎のバカ! もう、あたし……きゃっ!?」
志麻さんの声が跳ね、俺は思わずドアノブを握りしめた。
どうする!?
行くか俺!?
放っといたら、あの二人は別れるかもしれない。そうしたら俺にだって、チャンスが――
不意に、いつか見た志麻さんの笑顔が頭に浮かんだ。
「朱虎ってあたしのこと好きかなあ?」
朱虎さんの気持ちを知りたがって、そわそわしていた時の顔だ。
あの時の志麻さんは、悔しいけど本当に可愛かった。
あの顔が曇るのは――嫌だ。
「よ、よし……!」
「やだっ、ちょっ……えっ?」
俺が覚悟を決めた時、志麻さんの声が再び跳ねた。
色っぽい感じじゃない。何だかびっくりしたような声だ。
「あの、……朱虎?」
一体何がどうなってるんだ?
俺はドアの隙間からそろっと中を覗き込んだ。
ベッドの上で二人がもつれ合っていた。
志麻さんの方は壁に背を預けて、ベッドに座り込んでいるような形だ。そして、朱虎さんは志麻さんの腰に腕を回し、膝のあたりに顔をうずめるような姿勢でベッドに突っ伏していた。
志麻さんは朱虎さんの頭を抱きかかえるようにしてきょとんとしている。
どういう状況だ、これ?
思わず面食らっていると、朱虎さんはその姿勢のまま大きくため息を漏らした。
「……ちょっとだけこのままで。疲れてるんです」
「え……えっ?」
「甘えさせてください」
「あ、甘えるって……」
「撫でてもらえますか」
普段しっかりしている朱虎さんのどこから出ているのかってくらい弱々しい声だ。
志麻さんは瞬いて、おずおずと朱虎さんの頭を撫でた。
「……あたしに会いたかったの?」
「当たり前でしょう」
即答だ。
志麻さんの顔がふにゃっと溶けた。
「それなら、会いに来てくれればいいのに」
「一度でも顔を見たらダメになっちまうんで」
「今は?」
「だから、ダメになってます」
「駄目になってるんだ、朱虎」
「はい。もう立てません。ずっとこうしてたいです」
志麻さんが朱虎さんの身体を抱きしめる。
「あたしも会いたかった。でも、邪魔しちゃいけないって思って」
「そんなにいい子にならないでください。こっちはいつあんたが事務所に飛び込んでくるかと期待してたのに」
「だって、朱虎に嫌われたくないもん」
「今さら……あんたどれだけ俺に我がまま言ってきたと思ってるんですか」
「そうだけど……」
「たまには俺のわがままも聞いてくださいよ。……もっと撫でてください」
志麻さんはくすぐったそうに笑うと、赤い髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
朱虎さんは今にも喉をゴロゴロと鳴らしそうな雰囲気だ。
これは……見ていてはいけない奴だ。
分かっていても俺は目の前の光景にくぎ付けになった。
「他に何かあるの? 朱虎のわがまま」
「ミカに八つ当たりしたんですか」
「えっ、……う、うん。ごめんなさい」
「許しません。俺以外に八つ当たりしないでください」
朱虎さんが顔を上げて、志麻さんの頬をそっと撫でた。
「あんたが我がまま言って当たり散らすのは俺だけじゃないと嫌だ。他の奴にしちゃ駄目です」
「朱虎だけ?」
「そう。俺にだけうんと甘えてください」
「分かった。朱虎だけにする……」
そのまま吸い寄せられるように二人が唇を重ねる。
ズキリ、と胸が痛んだけど、俺は二人の姿に見惚れた。
それは、何だかお互いのことを確かめ合っているように見えた。
顔を離した朱虎さんが志麻さんに顔を寄せて何ごとかを囁く。志麻さんはビックリしたように目を丸くして、嬉しそうに朱虎さんの額にこつんと額をぶつけた。
「朱虎……大好きだよ」
「気持ちいいですね。もっと言ってください」
「朱虎も言ってよ。ちゃんと言葉にして」
朱虎さんは小さく笑った。
「俺はいつでもあんたのことを考えてますよ。我がまま言ってるんじゃないかとか、好き嫌いでみんなを困らせてるんじゃないかとか」
「もう、朱虎のバカ! そういうんじゃなくて、もっと……」
「あんたのことが頭から離れなくて困るんですよ。俺以外誰も知らないところに閉じ込めときたいくらいだ」
「あたしも。ずっと、朱虎のことばっかり考えてる」
「それは問題ですね。ちゃんと勉強してください」
「あ、朱虎こそ、ちゃんと仕事しないと。……手伝ってあげようか?」
今度は声をあげて笑った朱虎さんは、志麻さんを引き寄せてまたキスをした。
「……腹が減りました。飯はもう済ませましたか」
顔を離して、朱虎さんが囁く。頬を真っ赤にした志麻さんがぶんぶんと首を振った。
「まだ! あたしもちょうどご飯たべようかなって思ってたの」
「良かった。じゃ、一緒に行きましょう」
ヤバい、見入ってる場合じゃない。
俺は慌ててその場を離れた。今のを見てたことがバレたら、俺は多分二人から殺される。
廊下を走っていると、ふと笑いが込み上げてきた。
「志麻さんから迫って断り切れなかったって……コウさん、何も見えてねえよな」
どう見たって、朱虎さんは志麻さんにぞっこん惚れてる。あんな光景を見たら馬鹿でもわかる。何なら、志麻さんが朱虎さんに口説き落とされたんじゃないかとすら思う。一体何年計画だったんだろうか。
二人の姿を見ていると胸がかすかに痛んだけど、何だかあったかい気持ちで満たされていた。
これでいい。これが、あの子にとって一番幸せな形なんだ。
そして俺は――あの子が幸せになるのを、すぐ近くで見ていたい。
「……よし」
明日、一番に組長のところに行こう。ここで面倒見てください、盃をくださいって頼もう。
俺はひとり、そう心に決めて頷いた。
固く閉じたドアの向こうからはどんどんと音がしていた。多分、枕か何かを壁に投げつけているのだろう。
しばらくドアを睨んでいた朱虎さんは、音が少しおさまったときにおもむろにノックした。
「――お嬢、入りますよ」
「えっ、朱虎……? うそ、ちょっと待って」
ドアの向こうからびっくりしたような声が上がる。朱虎さんは構わずドアを開けてさっさと中に入っていった。
俺は急いでドアに近寄った。薄く開いたドアの隙間から、中の様子に耳を傾ける。
「何ですかこの部屋は。酷い有様ですね」
「う……うるさいっ、いきなり帰ってくるなり何よ! ほっといてよあたしのことなんか!」
「そうはいきません。……失礼しますよ」
「えっ、何……きゃっ!? は、離して!」
どたばたと取っ組み合うような音がする。俺はハラハラとドアに耳を押し当てた。
まさか本当に実力行使で引きずり出すつもりだろうか。
「ちょっと! 下ろしてってば、どこ行くの!」
「ベッドです」
えっ、マジか? いきなりそういう展開?
俺は度肝を抜かれたけど、志麻さんも同じだったようだ。
「えっ、べっ、ベッドって、な、何それ!? いきなりすぎるでょ!? もう……何なの、もう!」
志麻さんの声が泣き声交じりになる。その気持ちはよく分かった。
いくら何でもムードってもんがなさすぎる!
「全然会えないし、連絡もよこさないし、朱虎のバカ! もう、あたし……きゃっ!?」
志麻さんの声が跳ね、俺は思わずドアノブを握りしめた。
どうする!?
行くか俺!?
放っといたら、あの二人は別れるかもしれない。そうしたら俺にだって、チャンスが――
不意に、いつか見た志麻さんの笑顔が頭に浮かんだ。
「朱虎ってあたしのこと好きかなあ?」
朱虎さんの気持ちを知りたがって、そわそわしていた時の顔だ。
あの時の志麻さんは、悔しいけど本当に可愛かった。
あの顔が曇るのは――嫌だ。
「よ、よし……!」
「やだっ、ちょっ……えっ?」
俺が覚悟を決めた時、志麻さんの声が再び跳ねた。
色っぽい感じじゃない。何だかびっくりしたような声だ。
「あの、……朱虎?」
一体何がどうなってるんだ?
俺はドアの隙間からそろっと中を覗き込んだ。
ベッドの上で二人がもつれ合っていた。
志麻さんの方は壁に背を預けて、ベッドに座り込んでいるような形だ。そして、朱虎さんは志麻さんの腰に腕を回し、膝のあたりに顔をうずめるような姿勢でベッドに突っ伏していた。
志麻さんは朱虎さんの頭を抱きかかえるようにしてきょとんとしている。
どういう状況だ、これ?
思わず面食らっていると、朱虎さんはその姿勢のまま大きくため息を漏らした。
「……ちょっとだけこのままで。疲れてるんです」
「え……えっ?」
「甘えさせてください」
「あ、甘えるって……」
「撫でてもらえますか」
普段しっかりしている朱虎さんのどこから出ているのかってくらい弱々しい声だ。
志麻さんは瞬いて、おずおずと朱虎さんの頭を撫でた。
「……あたしに会いたかったの?」
「当たり前でしょう」
即答だ。
志麻さんの顔がふにゃっと溶けた。
「それなら、会いに来てくれればいいのに」
「一度でも顔を見たらダメになっちまうんで」
「今は?」
「だから、ダメになってます」
「駄目になってるんだ、朱虎」
「はい。もう立てません。ずっとこうしてたいです」
志麻さんが朱虎さんの身体を抱きしめる。
「あたしも会いたかった。でも、邪魔しちゃいけないって思って」
「そんなにいい子にならないでください。こっちはいつあんたが事務所に飛び込んでくるかと期待してたのに」
「だって、朱虎に嫌われたくないもん」
「今さら……あんたどれだけ俺に我がまま言ってきたと思ってるんですか」
「そうだけど……」
「たまには俺のわがままも聞いてくださいよ。……もっと撫でてください」
志麻さんはくすぐったそうに笑うと、赤い髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
朱虎さんは今にも喉をゴロゴロと鳴らしそうな雰囲気だ。
これは……見ていてはいけない奴だ。
分かっていても俺は目の前の光景にくぎ付けになった。
「他に何かあるの? 朱虎のわがまま」
「ミカに八つ当たりしたんですか」
「えっ、……う、うん。ごめんなさい」
「許しません。俺以外に八つ当たりしないでください」
朱虎さんが顔を上げて、志麻さんの頬をそっと撫でた。
「あんたが我がまま言って当たり散らすのは俺だけじゃないと嫌だ。他の奴にしちゃ駄目です」
「朱虎だけ?」
「そう。俺にだけうんと甘えてください」
「分かった。朱虎だけにする……」
そのまま吸い寄せられるように二人が唇を重ねる。
ズキリ、と胸が痛んだけど、俺は二人の姿に見惚れた。
それは、何だかお互いのことを確かめ合っているように見えた。
顔を離した朱虎さんが志麻さんに顔を寄せて何ごとかを囁く。志麻さんはビックリしたように目を丸くして、嬉しそうに朱虎さんの額にこつんと額をぶつけた。
「朱虎……大好きだよ」
「気持ちいいですね。もっと言ってください」
「朱虎も言ってよ。ちゃんと言葉にして」
朱虎さんは小さく笑った。
「俺はいつでもあんたのことを考えてますよ。我がまま言ってるんじゃないかとか、好き嫌いでみんなを困らせてるんじゃないかとか」
「もう、朱虎のバカ! そういうんじゃなくて、もっと……」
「あんたのことが頭から離れなくて困るんですよ。俺以外誰も知らないところに閉じ込めときたいくらいだ」
「あたしも。ずっと、朱虎のことばっかり考えてる」
「それは問題ですね。ちゃんと勉強してください」
「あ、朱虎こそ、ちゃんと仕事しないと。……手伝ってあげようか?」
今度は声をあげて笑った朱虎さんは、志麻さんを引き寄せてまたキスをした。
「……腹が減りました。飯はもう済ませましたか」
顔を離して、朱虎さんが囁く。頬を真っ赤にした志麻さんがぶんぶんと首を振った。
「まだ! あたしもちょうどご飯たべようかなって思ってたの」
「良かった。じゃ、一緒に行きましょう」
ヤバい、見入ってる場合じゃない。
俺は慌ててその場を離れた。今のを見てたことがバレたら、俺は多分二人から殺される。
廊下を走っていると、ふと笑いが込み上げてきた。
「志麻さんから迫って断り切れなかったって……コウさん、何も見えてねえよな」
どう見たって、朱虎さんは志麻さんにぞっこん惚れてる。あんな光景を見たら馬鹿でもわかる。何なら、志麻さんが朱虎さんに口説き落とされたんじゃないかとすら思う。一体何年計画だったんだろうか。
二人の姿を見ていると胸がかすかに痛んだけど、何だかあったかい気持ちで満たされていた。
これでいい。これが、あの子にとって一番幸せな形なんだ。
そして俺は――あの子が幸せになるのを、すぐ近くで見ていたい。
「……よし」
明日、一番に組長のところに行こう。ここで面倒見てください、盃をくださいって頼もう。
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