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100. 親父の役割とか、もう一つの罪とか
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「オヤジ、この度は誠に申し訳ありませんでした。自分の身勝手で、組にもオヤジにもご迷惑をおかけいたしました」
「……おゥ」
朱虎の言葉におじいちゃんは一言唸ったまま、むっつりと黙り込んだ。重苦しい空気のなか誰も言葉を発さず、身じろぎもしないまま時間が流れていく。
「……おっ、おじいちゃん! これには理由があって……!」
「志麻、お前ェは黙ってろ」
おじいちゃんは傍らに置いてあった煙草盆から煙管を持ち上げた。ひと吸いして吐き出した煙が、じっと頭を下げたまま動かない朱虎の上を流れていく。
「――……だいたいの事情は聞いてる。お前ェがうちの組を巻き込まねェよう、わざと俺がいっち頭にくるやり方で組ィ飛び出したのもな」
「だったら……」
「黙ってろって言ってんだろ」
いつもと違う押し殺した声音に、あたしは思わず口をつぐんだ。
「理屈は分かった。でもな、俺ァ腹立ててんだよ。どうにも収まりゃしねェ」
怒鳴ってるわけじゃないのに、おじいちゃんの言葉は冷たい凄みを帯びていた。空気がさらに重く圧し掛かってくる。
煙を吐き出したおじいちゃんがとん、と煙管を灰皿に打ち付けて立ち上がった。
「いつまでも辛気臭ェモン見せびらかしてんじゃねえ。顔上げろ」
「はい」
体を起こした朱虎をおじいちゃんが鋭く見下ろす。
「俺が何に腹ァ立ててるのか分かってその頭下げてんのか、お前ェ」
「はい。自分が原因でオヤジとお嬢に」
ガツッ、と痛そうな音が言葉を遮った。
朱虎の頬に叩き込んだ拳骨を握りしめたまま、おじいちゃんは朱虎を見下ろした。
「違ェだろうが、ボケッ! 何で俺に相談しやがらなかったんだ!!」
唇から血を一筋こぼした朱虎が肩を震わせた。
「俺をオヤジと呼ばせてんなァ、伊達じゃねェぞ。お前ェを引き取った時から、俺ァお前ェの父親だろうが!!」
おじいちゃんがぐいと朱虎の襟首を掴む。引きずられるがまま、朱虎は呆然とおじいちゃんを見上げた。
「迷惑だァ? ガキが親父に迷惑かけるなァ当たり前ェだ! 俺をオヤジってェんならもっと頼れ。迷惑や手間をかけやがれってんだ、ガキのケツ拭くのが俺の役回りなんだからよ。――よっく覚えとけや、朱虎!」
怒鳴るだけ怒鳴ると、おじいちゃんは朱虎を乱暴に放り出した。
身を起こした朱虎がもう一度、無言で深々と頭を下げる。
「ケッ、でかくなったなァ図体だけだな。いつまで経っても手のかかるガキだ、お前ェは」
おじいちゃんは鼻を鳴らすと、顔を上げて辺りを見回した。
「今日、お前ェらを集めたなァこういう訳だ。――いいか、このボンクラとお前ェらは同じだ。どいつもこいつもしようがねェ俺のバカ息子どもだぜ。いいか、俺にいくら迷惑かけても構わねェが、心配だけはかけさせんじゃねェ。心得とけ」
「「「はいっ」」」
組員たちが一斉に返事をすると、そろって朱虎と同じように深々と頭を下げた。中には涙ぐんでいる人もいる。
「うっ……オヤジ……オヤジぃぃぃ」
「泣きすぎだろ、斯波ァ。若ェ奴らに示しがつかねェぞ」
「すっ、すみません」
一番泣いてるのは斯波さんだった。
「ったく、大の男の涙なんざ気色悪ィだけだぜ」
かりかりと頭をかくと、おじいちゃんは一つ手を打った。
「おゥ! 揃って畳とにらめっこしてんじゃねェや、顔上げろ! 話ァ終わりだ、飲むぞ! とっとと用意しやがれ!」
「はいっ!」
元気な返事が返ってきて、顔を上げた組員たちがざわざわとし始める。
空気が和らいであたしはほっと息を吐いた。
「やれやれ。朱虎、お前ェは明日っから今まで通り志麻の世話係に戻れ」
「――それは出来ません」
「おゥ。それとな、……あァ?」
おじいちゃんが眉を上げて振り返った。
「今、なんつった朱虎」
顔を上げた朱虎はすっと背筋を伸ばした。
「詫びをいれなければいけないことがもうひとつあります」
「詫び? 何だ」
おじいちゃんが眉を顰める。顔を上げた朱虎はすっと背筋を伸ばした。
「オヤジから仰せつかった『お嬢に手を出す馬の骨はぶち殺せ』という命、果たせませんでした」
おじいちゃんが大きく口を開けたまま固まり、ざわめきが一気に静まった。皆の視線がこっちに集中するのが分かって、あたしの心臓がハチャメチャに飛び跳ねる。
「い、いきなり何言ってんの朱虎!? て、手って……」
「何だと!?」
あたしの言葉をかき消して、動き出したおじいちゃんが怒鳴った。
「どこの馬の骨が志麻に手ェ出しやがってんだ、ええっ!? ここに連れて来やがれ、俺がぶっ殺してやる!!」
「俺です」
朱虎はきっぱりと言い切った。
「俺がお嬢に手を出しました。申し訳ありません、オヤジ」
空気が凍りついた。
時間が止まったような沈黙の中、おじいちゃんがギロリとこちらを向く。
「今の話ァ本当か、志麻」
「うえっ!?」
え、どれのこと!?
最初のは事故だし、次のは「お手本」だから……船の中でのこと!?
とたんに唇の感触がリアルに蘇って、あたしは思わず口を押えた。
顔がカッと熱くなる。
「さ、さ、されたっていうか、その」
おじいちゃんの顔色が赤黒く染まった。ゆらりと動いて床の間に置いてある刀を掴む。
引き抜かれた抜き身の刃がギラリと光った。
「ちょっ……お、おじいちゃん!? それホントに切れる奴じゃない!?」
「ったり前ェだ! スパッと切り落としてやらァ!!」
「切り落とすって何を!?」
「野郎の首に決まってんだろうが!!」
「くっ、首切り落としたら死んじゃうでしょ!? 」
「おうよ、ぶっ殺してやる! こともあろうに世話係の立場で志麻にいかがわしい真似しくさって、俺が介錯してやるだけでもありがてェと思いやがれ!!」
刀が閃くと、飾られていた鎧兜が綺麗に真っ二つになった。転がった鎧を蹴り倒したおじいちゃんが振り向き、朱虎に刃を突きつける。
「俺ァお前ェを志麻につけた時言ったよな。万が一にでも志麻に妙な真似しやがったら死んで詫びろってよォ」
「はい、確かに約束しました」
朱虎は刃に眉一つ動かさずに頷いた。おじいちゃんの目が細くなる。
「よく言いやがったな。その意気に免じてスパッとやってやる、覚悟しな」
「ち、ちょっと待っておじいちゃん!」
やっとのことで声が出た。あわあわとおじいちゃんの腕を掴む。
「違うの、そういうんじゃなくて、あの」
「じゃあなんだ? お前ェも合意の上だってことか!?」
「違います」
あたしより早く朱虎が答えた。
「寝ているお嬢に俺が無理やり手を出しました」
「寝て……え?」
「んだとォ!?」
いつの話か聞く前に、おじいちゃんが再び爆発した。
「てっ、テメェ……よりによって寝てる隙に手ェ出しただと!?」
「はい」
わなわなと震えるおじいちゃんの前で、朱虎は畳に手をついた。
「俺はろくでなしに産み捨てられたクズ以下のゴミ野郎です。オヤジに拾ってもらった恩は返しきれねぇ。そのオヤジの宝であるお嬢は、命に代えても守らなきゃならねェ大事な人でした。それなのに、俺はてめェの気持ちを殺しきれなかった」
首を差し出すように深々と頭を下げる。
「ちったぁまともになったつもりでしたが、俺はやっぱりゴミ野郎のままでした。ぶった切るなり殴り殺すなり、好きにやってください」
「……おゥ」
朱虎の言葉におじいちゃんは一言唸ったまま、むっつりと黙り込んだ。重苦しい空気のなか誰も言葉を発さず、身じろぎもしないまま時間が流れていく。
「……おっ、おじいちゃん! これには理由があって……!」
「志麻、お前ェは黙ってろ」
おじいちゃんは傍らに置いてあった煙草盆から煙管を持ち上げた。ひと吸いして吐き出した煙が、じっと頭を下げたまま動かない朱虎の上を流れていく。
「――……だいたいの事情は聞いてる。お前ェがうちの組を巻き込まねェよう、わざと俺がいっち頭にくるやり方で組ィ飛び出したのもな」
「だったら……」
「黙ってろって言ってんだろ」
いつもと違う押し殺した声音に、あたしは思わず口をつぐんだ。
「理屈は分かった。でもな、俺ァ腹立ててんだよ。どうにも収まりゃしねェ」
怒鳴ってるわけじゃないのに、おじいちゃんの言葉は冷たい凄みを帯びていた。空気がさらに重く圧し掛かってくる。
煙を吐き出したおじいちゃんがとん、と煙管を灰皿に打ち付けて立ち上がった。
「いつまでも辛気臭ェモン見せびらかしてんじゃねえ。顔上げろ」
「はい」
体を起こした朱虎をおじいちゃんが鋭く見下ろす。
「俺が何に腹ァ立ててるのか分かってその頭下げてんのか、お前ェ」
「はい。自分が原因でオヤジとお嬢に」
ガツッ、と痛そうな音が言葉を遮った。
朱虎の頬に叩き込んだ拳骨を握りしめたまま、おじいちゃんは朱虎を見下ろした。
「違ェだろうが、ボケッ! 何で俺に相談しやがらなかったんだ!!」
唇から血を一筋こぼした朱虎が肩を震わせた。
「俺をオヤジと呼ばせてんなァ、伊達じゃねェぞ。お前ェを引き取った時から、俺ァお前ェの父親だろうが!!」
おじいちゃんがぐいと朱虎の襟首を掴む。引きずられるがまま、朱虎は呆然とおじいちゃんを見上げた。
「迷惑だァ? ガキが親父に迷惑かけるなァ当たり前ェだ! 俺をオヤジってェんならもっと頼れ。迷惑や手間をかけやがれってんだ、ガキのケツ拭くのが俺の役回りなんだからよ。――よっく覚えとけや、朱虎!」
怒鳴るだけ怒鳴ると、おじいちゃんは朱虎を乱暴に放り出した。
身を起こした朱虎がもう一度、無言で深々と頭を下げる。
「ケッ、でかくなったなァ図体だけだな。いつまで経っても手のかかるガキだ、お前ェは」
おじいちゃんは鼻を鳴らすと、顔を上げて辺りを見回した。
「今日、お前ェらを集めたなァこういう訳だ。――いいか、このボンクラとお前ェらは同じだ。どいつもこいつもしようがねェ俺のバカ息子どもだぜ。いいか、俺にいくら迷惑かけても構わねェが、心配だけはかけさせんじゃねェ。心得とけ」
「「「はいっ」」」
組員たちが一斉に返事をすると、そろって朱虎と同じように深々と頭を下げた。中には涙ぐんでいる人もいる。
「うっ……オヤジ……オヤジぃぃぃ」
「泣きすぎだろ、斯波ァ。若ェ奴らに示しがつかねェぞ」
「すっ、すみません」
一番泣いてるのは斯波さんだった。
「ったく、大の男の涙なんざ気色悪ィだけだぜ」
かりかりと頭をかくと、おじいちゃんは一つ手を打った。
「おゥ! 揃って畳とにらめっこしてんじゃねェや、顔上げろ! 話ァ終わりだ、飲むぞ! とっとと用意しやがれ!」
「はいっ!」
元気な返事が返ってきて、顔を上げた組員たちがざわざわとし始める。
空気が和らいであたしはほっと息を吐いた。
「やれやれ。朱虎、お前ェは明日っから今まで通り志麻の世話係に戻れ」
「――それは出来ません」
「おゥ。それとな、……あァ?」
おじいちゃんが眉を上げて振り返った。
「今、なんつった朱虎」
顔を上げた朱虎はすっと背筋を伸ばした。
「詫びをいれなければいけないことがもうひとつあります」
「詫び? 何だ」
おじいちゃんが眉を顰める。顔を上げた朱虎はすっと背筋を伸ばした。
「オヤジから仰せつかった『お嬢に手を出す馬の骨はぶち殺せ』という命、果たせませんでした」
おじいちゃんが大きく口を開けたまま固まり、ざわめきが一気に静まった。皆の視線がこっちに集中するのが分かって、あたしの心臓がハチャメチャに飛び跳ねる。
「い、いきなり何言ってんの朱虎!? て、手って……」
「何だと!?」
あたしの言葉をかき消して、動き出したおじいちゃんが怒鳴った。
「どこの馬の骨が志麻に手ェ出しやがってんだ、ええっ!? ここに連れて来やがれ、俺がぶっ殺してやる!!」
「俺です」
朱虎はきっぱりと言い切った。
「俺がお嬢に手を出しました。申し訳ありません、オヤジ」
空気が凍りついた。
時間が止まったような沈黙の中、おじいちゃんがギロリとこちらを向く。
「今の話ァ本当か、志麻」
「うえっ!?」
え、どれのこと!?
最初のは事故だし、次のは「お手本」だから……船の中でのこと!?
とたんに唇の感触がリアルに蘇って、あたしは思わず口を押えた。
顔がカッと熱くなる。
「さ、さ、されたっていうか、その」
おじいちゃんの顔色が赤黒く染まった。ゆらりと動いて床の間に置いてある刀を掴む。
引き抜かれた抜き身の刃がギラリと光った。
「ちょっ……お、おじいちゃん!? それホントに切れる奴じゃない!?」
「ったり前ェだ! スパッと切り落としてやらァ!!」
「切り落とすって何を!?」
「野郎の首に決まってんだろうが!!」
「くっ、首切り落としたら死んじゃうでしょ!? 」
「おうよ、ぶっ殺してやる! こともあろうに世話係の立場で志麻にいかがわしい真似しくさって、俺が介錯してやるだけでもありがてェと思いやがれ!!」
刀が閃くと、飾られていた鎧兜が綺麗に真っ二つになった。転がった鎧を蹴り倒したおじいちゃんが振り向き、朱虎に刃を突きつける。
「俺ァお前ェを志麻につけた時言ったよな。万が一にでも志麻に妙な真似しやがったら死んで詫びろってよォ」
「はい、確かに約束しました」
朱虎は刃に眉一つ動かさずに頷いた。おじいちゃんの目が細くなる。
「よく言いやがったな。その意気に免じてスパッとやってやる、覚悟しな」
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やっとのことで声が出た。あわあわとおじいちゃんの腕を掴む。
「違うの、そういうんじゃなくて、あの」
「じゃあなんだ? お前ェも合意の上だってことか!?」
「違います」
あたしより早く朱虎が答えた。
「寝ているお嬢に俺が無理やり手を出しました」
「寝て……え?」
「んだとォ!?」
いつの話か聞く前に、おじいちゃんが再び爆発した。
「てっ、テメェ……よりによって寝てる隙に手ェ出しただと!?」
「はい」
わなわなと震えるおじいちゃんの前で、朱虎は畳に手をついた。
「俺はろくでなしに産み捨てられたクズ以下のゴミ野郎です。オヤジに拾ってもらった恩は返しきれねぇ。そのオヤジの宝であるお嬢は、命に代えても守らなきゃならねェ大事な人でした。それなのに、俺はてめェの気持ちを殺しきれなかった」
首を差し出すように深々と頭を下げる。
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貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。
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