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84. 不在とか来襲とか
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「……で、結局どうなったんだ」
「どうも何も、何故か志麻センパイはゴージャスなワンピ姿でイケメンにエスコートされて戻ってくるし、ミカさんは顔面ヒデーことになってるし、マジでカオスってたわ。プロの現場ってヤベーなって思いました」
「君の職場初体験物語は分かったが、私は不破さんについて聞いているのだが」
「それな。志麻センパイは『朱虎はこの船に残るんだって』としか言わねえしよ、それでいいん? って聞いたら『もういい』って」
「つまり、帰ってこない、と言われたんだな」
「マフィアの美少女に気に入られて、イタリア行くことになったんだとさ。本人もノリノリらしいぜ」
「ふむ……」
「あーあ。なんか朱虎サンにはガッカリだわ」
「うん?」
「環サンと志麻センパイが誘拐された時さあ。あの人スゲー速さで駆けつけて、全員ぶちのめしてたじゃん。あれ、マジカッケーって思ったんだわ、俺」
「確かに、輝いて見えたよ」
「ちなみに俺のアシストあっての救出劇だから。……俺、アレ見てたから、朱虎サンが志麻センパイの傍離れるなんてマジありえねーって思ってたんだよな」
「ああ、私もだ」
「けどさ、結局は美少女選んだわけじゃん? や、男としちゃ分からなくもねーけど。外人美少女と志麻センパイだったらまあ100人中99人は外人美少女選ぶわな。俺も百パー美少女選ぶし。選ばない奴は目がおかしいだろ」
「志麻はあんなに愛らしいというのに……つくづく男とは目の代わりに節穴がついているものだな」
「まーな。……でも、俺はさあ。朱虎サンはその目がおかしい一人だと思ってたんだよ。や、いーんだけどさ。でもなんか俺、なんか、……ムカつくわ~」
「ふっ」
「ナニよ。笑うなって」
「いや、すまん。……風間は志麻のことが好きなんだな」
「誤解生みそうな言い方やめてくんない。俺は後輩として、志麻センパイがゾンビになってんのが心配なだけ。俺が好きなのは環サンだって言ってんじゃん」
「そうか、それは失礼した。後輩としての尊敬の気持ちということだな」
「後半はスルーなのな」
「何にせよ、志麻が早く立ち直れるよう、我々は一層絆を深めていこうではないか。そうだ、文芸部で何かするか。ちょうど近所の寺が滝行・座禅体験の募集をしていたな……」
「罰ゲームかよ!」
〇●〇
朱虎がいないと全然ダメだって思ってたのに、実際はそんなことなかった。
朝は目覚ましを三つかけたらちゃんと起きられたし、着替えだって落ち着いてやればちゃんと一人でできた。髪型は後ろでまとめるだけなら簡単だし、宿題だって気合を入れたら何とか終わらせることができた。
そうこうしてるうちに、あっという間に一週間たっていた。
「あたしって甘やかされてたのかなあ」
部室で呟くと、風間君が呆れたような顔でこっちを見た。
「今頃気づいたの志麻センパイ? 自覚ナシってヤッベーな、真性じゃん」
「そこまで言うことなくない!?」
「気づいたのは良いことではないか。自立の第一歩だな」
パソコンからちらりと視線だけ投げて、環が言った。
「でしょ! あたしが成長してるってことだよね」
「その成長、フツーは小学生くらいで済ませるやつだけどな」
風間君が肩をすくめた時、あたしのスマホがブブブ、と震えた。
「あ、迎えが来たみたい。じゃ、あたし帰るね」
「ああ。――週末の予定、忘れるなよ」
環の言葉に、あたしはドアを開けたまま固まった。
「えっ、えっと……ろくろ体験、だっけ? あたしやったことないけど大丈夫かな……?」
「私もだ。お互い初体験というわけだな。」
環がにこりと微笑む。圧が強い。
あたしはぎくしゃく頷いた。
「わ、分かった。楽しみだな~……」
「ああ。きっと素敵な日になるだろう」
「ならねーだろ……」
風間君のぼやきを最後にドアを閉めて、あたしは部室を後にした。
校門を出たところで一度大きく深呼吸して、それからぐるりと辺りを見回す。
「おい、こっち。こっちだって」
木の陰に隠れるみたいにして、ミカが手招きしていた。そわそわとしていていかにも落ち着きがない。
「おせーよ。もっと早く来てくれよ」
「これでも急いだの。ていうか、なんでそんなとこにいるの毎回。校門前で待っててよ」
「出来るかよ! 女子高生にめちゃくちゃ見られてなぜか笑われるし、警備員とか睨んで来るし……拷問だよ」
あたしはさっさと歩き出した。ミカが慌ててついてくる。
「待てって。おいてくなよ」
あたしは横に並んだミカへじろりと視線を投げた。
「あのさあ、ミカ。いつまでうちの組にいるつもり? はやく自分の家に帰りなよ」
「馬鹿言ってんじゃねーよ。俺はもう雲竜組に入ってんの。ちゃんとあんたの送り迎えって仕事もあるし」
ミカは胸をそらせた。
おじいちゃんの不在が長引いている上に朱虎まで抜けた穴は意外と大きかったらしい。斯波さんは毎日あたふたしているし、クロちゃんたち部屋住みの人達まで駆り出されて、皆すごく忙しいみたいだ。
とてもあたしの送迎には手が回らないってことで、なし崩し的にミカが毎日くっついてくることになっていた。と言ってもミカは自動車免許を持ってなかったので、あたしは結局電車通学している。
「別に送迎なんていいのに。電車に乗るだけだし……毎回校門でさらし者になるし、ミカも嫌でしょ」
「いやっ、全然! むしろ役得っつかラッキーっつか」
「え?」
聞き返すと、ミカは慌てたように手を振った。
「何でもねえ。……つか、朱虎さんってすごいよな。クロさんたちがヒイヒイ言いながらやってる仕事を一人で全部片づけてたんだろ」
ズキリと胸が痛んだ。
確かに、あたしの世話のほかに朱虎が抱えてた仕事は、斯波さんやクロちゃんたちがびっくりするくらい沢山あった。
「……そんなに忙しかったなんて、全然知らなかった」
ずーっとお世話されっぱなしで、それが当然だと思ってた。朱虎は、そういうあたしに疲れちゃったのかもしれない。
あ、駄目だ。また朱虎のことを考えちゃった。
引きずられるように船の中の記憶がよみがえる。カーテンの向こうで重なる影とか、くすくす笑いとか――
「おい」
「ひゃっ!」
目の前で金髪が揺れて、思わず声が出た。
あたしを覗き込んでいたミカが驚いたようにのけぞる。
「え? だ、大丈夫か?」
「あ、ごめん……ちょっとぼーっとしてただけ。だいじょぶだいじょぶ」
あたしはバクバク鳴る心臓を押さえて、何とか取り繕った。
「座って休めよ、ベンチあるし」
「え、や、大丈夫だよ」
「良いから座れって、な」
半ば無理やりあたしをベンチに座らせたミカは「飲み物買ってくる!」とすっ飛んで行ってしまった。口をはさむ隙すらない。
あたしは深々とため息をついた。
ミカの金髪を見ると、ついレオのことを思い出してしまう。あの赤い瞳とか、強引にねじり上げられた胸倉とか、――わし掴まれた感触とか。
胸が重くて冷たいものがズシッと詰まったみたい。
「あれはミカ……ミカなんだってば」
あたしは自分に言い聞かせて、震える手をぎゅっと握りしめた。
ミカが戻ってくる前に、早くコレを止めないと。
ふいに、影が差した。目の前に誰かが立っている。
「ミカ? 飲み物、ありが――」
顔を上げたあたしはそのまま固まった。
鮮やかな赤い髪に、モデルみたいなすらりとしたスタイル。
美少女――サンドラが目の前に立っていた。腕組みして、燃えるようなきつい視線であたしを睨みつけている。
「え……えっ!?」
驚きのあまり、思わず立ち上がってしまった。
至近距離で向かい合う。こちらを睨みつける眼差しがキリリときつくなった。
「見つけた」
「え?」
次の瞬間、美少女はあたしの頬に思いっきり平手打ちを食らわせた。
「どうも何も、何故か志麻センパイはゴージャスなワンピ姿でイケメンにエスコートされて戻ってくるし、ミカさんは顔面ヒデーことになってるし、マジでカオスってたわ。プロの現場ってヤベーなって思いました」
「君の職場初体験物語は分かったが、私は不破さんについて聞いているのだが」
「それな。志麻センパイは『朱虎はこの船に残るんだって』としか言わねえしよ、それでいいん? って聞いたら『もういい』って」
「つまり、帰ってこない、と言われたんだな」
「マフィアの美少女に気に入られて、イタリア行くことになったんだとさ。本人もノリノリらしいぜ」
「ふむ……」
「あーあ。なんか朱虎サンにはガッカリだわ」
「うん?」
「環サンと志麻センパイが誘拐された時さあ。あの人スゲー速さで駆けつけて、全員ぶちのめしてたじゃん。あれ、マジカッケーって思ったんだわ、俺」
「確かに、輝いて見えたよ」
「ちなみに俺のアシストあっての救出劇だから。……俺、アレ見てたから、朱虎サンが志麻センパイの傍離れるなんてマジありえねーって思ってたんだよな」
「ああ、私もだ」
「けどさ、結局は美少女選んだわけじゃん? や、男としちゃ分からなくもねーけど。外人美少女と志麻センパイだったらまあ100人中99人は外人美少女選ぶわな。俺も百パー美少女選ぶし。選ばない奴は目がおかしいだろ」
「志麻はあんなに愛らしいというのに……つくづく男とは目の代わりに節穴がついているものだな」
「まーな。……でも、俺はさあ。朱虎サンはその目がおかしい一人だと思ってたんだよ。や、いーんだけどさ。でもなんか俺、なんか、……ムカつくわ~」
「ふっ」
「ナニよ。笑うなって」
「いや、すまん。……風間は志麻のことが好きなんだな」
「誤解生みそうな言い方やめてくんない。俺は後輩として、志麻センパイがゾンビになってんのが心配なだけ。俺が好きなのは環サンだって言ってんじゃん」
「そうか、それは失礼した。後輩としての尊敬の気持ちということだな」
「後半はスルーなのな」
「何にせよ、志麻が早く立ち直れるよう、我々は一層絆を深めていこうではないか。そうだ、文芸部で何かするか。ちょうど近所の寺が滝行・座禅体験の募集をしていたな……」
「罰ゲームかよ!」
〇●〇
朱虎がいないと全然ダメだって思ってたのに、実際はそんなことなかった。
朝は目覚ましを三つかけたらちゃんと起きられたし、着替えだって落ち着いてやればちゃんと一人でできた。髪型は後ろでまとめるだけなら簡単だし、宿題だって気合を入れたら何とか終わらせることができた。
そうこうしてるうちに、あっという間に一週間たっていた。
「あたしって甘やかされてたのかなあ」
部室で呟くと、風間君が呆れたような顔でこっちを見た。
「今頃気づいたの志麻センパイ? 自覚ナシってヤッベーな、真性じゃん」
「そこまで言うことなくない!?」
「気づいたのは良いことではないか。自立の第一歩だな」
パソコンからちらりと視線だけ投げて、環が言った。
「でしょ! あたしが成長してるってことだよね」
「その成長、フツーは小学生くらいで済ませるやつだけどな」
風間君が肩をすくめた時、あたしのスマホがブブブ、と震えた。
「あ、迎えが来たみたい。じゃ、あたし帰るね」
「ああ。――週末の予定、忘れるなよ」
環の言葉に、あたしはドアを開けたまま固まった。
「えっ、えっと……ろくろ体験、だっけ? あたしやったことないけど大丈夫かな……?」
「私もだ。お互い初体験というわけだな。」
環がにこりと微笑む。圧が強い。
あたしはぎくしゃく頷いた。
「わ、分かった。楽しみだな~……」
「ああ。きっと素敵な日になるだろう」
「ならねーだろ……」
風間君のぼやきを最後にドアを閉めて、あたしは部室を後にした。
校門を出たところで一度大きく深呼吸して、それからぐるりと辺りを見回す。
「おい、こっち。こっちだって」
木の陰に隠れるみたいにして、ミカが手招きしていた。そわそわとしていていかにも落ち着きがない。
「おせーよ。もっと早く来てくれよ」
「これでも急いだの。ていうか、なんでそんなとこにいるの毎回。校門前で待っててよ」
「出来るかよ! 女子高生にめちゃくちゃ見られてなぜか笑われるし、警備員とか睨んで来るし……拷問だよ」
あたしはさっさと歩き出した。ミカが慌ててついてくる。
「待てって。おいてくなよ」
あたしは横に並んだミカへじろりと視線を投げた。
「あのさあ、ミカ。いつまでうちの組にいるつもり? はやく自分の家に帰りなよ」
「馬鹿言ってんじゃねーよ。俺はもう雲竜組に入ってんの。ちゃんとあんたの送り迎えって仕事もあるし」
ミカは胸をそらせた。
おじいちゃんの不在が長引いている上に朱虎まで抜けた穴は意外と大きかったらしい。斯波さんは毎日あたふたしているし、クロちゃんたち部屋住みの人達まで駆り出されて、皆すごく忙しいみたいだ。
とてもあたしの送迎には手が回らないってことで、なし崩し的にミカが毎日くっついてくることになっていた。と言ってもミカは自動車免許を持ってなかったので、あたしは結局電車通学している。
「別に送迎なんていいのに。電車に乗るだけだし……毎回校門でさらし者になるし、ミカも嫌でしょ」
「いやっ、全然! むしろ役得っつかラッキーっつか」
「え?」
聞き返すと、ミカは慌てたように手を振った。
「何でもねえ。……つか、朱虎さんってすごいよな。クロさんたちがヒイヒイ言いながらやってる仕事を一人で全部片づけてたんだろ」
ズキリと胸が痛んだ。
確かに、あたしの世話のほかに朱虎が抱えてた仕事は、斯波さんやクロちゃんたちがびっくりするくらい沢山あった。
「……そんなに忙しかったなんて、全然知らなかった」
ずーっとお世話されっぱなしで、それが当然だと思ってた。朱虎は、そういうあたしに疲れちゃったのかもしれない。
あ、駄目だ。また朱虎のことを考えちゃった。
引きずられるように船の中の記憶がよみがえる。カーテンの向こうで重なる影とか、くすくす笑いとか――
「おい」
「ひゃっ!」
目の前で金髪が揺れて、思わず声が出た。
あたしを覗き込んでいたミカが驚いたようにのけぞる。
「え? だ、大丈夫か?」
「あ、ごめん……ちょっとぼーっとしてただけ。だいじょぶだいじょぶ」
あたしはバクバク鳴る心臓を押さえて、何とか取り繕った。
「座って休めよ、ベンチあるし」
「え、や、大丈夫だよ」
「良いから座れって、な」
半ば無理やりあたしをベンチに座らせたミカは「飲み物買ってくる!」とすっ飛んで行ってしまった。口をはさむ隙すらない。
あたしは深々とため息をついた。
ミカの金髪を見ると、ついレオのことを思い出してしまう。あの赤い瞳とか、強引にねじり上げられた胸倉とか、――わし掴まれた感触とか。
胸が重くて冷たいものがズシッと詰まったみたい。
「あれはミカ……ミカなんだってば」
あたしは自分に言い聞かせて、震える手をぎゅっと握りしめた。
ミカが戻ってくる前に、早くコレを止めないと。
ふいに、影が差した。目の前に誰かが立っている。
「ミカ? 飲み物、ありが――」
顔を上げたあたしはそのまま固まった。
鮮やかな赤い髪に、モデルみたいなすらりとしたスタイル。
美少女――サンドラが目の前に立っていた。腕組みして、燃えるようなきつい視線であたしを睨みつけている。
「え……えっ!?」
驚きのあまり、思わず立ち上がってしまった。
至近距離で向かい合う。こちらを睨みつける眼差しがキリリときつくなった。
「見つけた」
「え?」
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