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75. 真実はいつもひとつとか、テスト失敗とか
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「た、探偵? 真実はいつもひとつってこと?」
あたしの頭の中をサッカーボールとパイプを持った巻きひげの紳士が駆け抜けた。いろいろ混じってる。
「志麻センパイ、言っとくけど現実の探偵は殺人の真相を暴くとかしねーから」
風間君はあたしを呆れた目で見た。
「親父は『依頼さえあれば一個人から大企業まで、どこにでも入り込んでどれだけ重要な機密でも必ず探り当てる』ってのがウリでさ。今まで一度も失敗したことねーの、失敗しない男ってやつ。事務所も持たないで完全フリーなんだけど、口コミだけで依頼がハンパねえんだわ」
「へえ、なんかカッコいいね! 伝説のスパイみたい」
「みたい、じゃなくてほぼそのものだろう。……では、君の器用さは御父上譲り、というわけか」
環の言葉に風間くんは肩をすくめた。
「まーね。変装術だの尾行術だのスリの技だのクラッキング技術だの、ガキの頃から親父にはいろいろ仕込まれててさ。中学くらいからは時々仕事手伝ってバイト料貰ったりして」
「英才教育のたまものだな。お父上に感謝するといい」
「ジョーダンやめてくれよ、マジで頭おかしいんだぜあの人。法律何それおいしいのってレベル。わけわかんねえ人脈とかめちゃくちゃ広いし、妙に知識豊富だし」
顔はしかめながらも、お父さんの話をしている風間君はどことなく楽しそうだった。
知り合って初めて、風間くんが年下の男の子に見えた気がした。何だか、可愛い。
「風間君って、お父さんのこと大好きなんだねえ」
「はあ!? 親が好きとか幼稚園児かよ、マジ勘弁」
風間君は決まりが悪そうな顔になって、咳払いした。
「で、だ。……高校入学の時に、親父がいきなり俺をテストするって言い出したんだ。もしクリア出来たら、一人前と認めるって」
「すごい! 伝説のスパイに認められるテスト!」
何だかドキドキする。まるで漫画みたいな展開だ。
「そのテストってのが、親父指定のターゲットを通じて、関連人物の連絡先を探り出す……っつうもんだったわけ。で、親父が提示したターゲットってのがあんたら二人だったんだ」
「えっ、あたし達?」
「そ、有名なヤクザの家の娘と法曹界の名門の家の娘。うちの学校でもトップクラスで目立つ二人だよ、あんたら」
風間君は頷くと、あたしと環を交互に指さした。
「志麻センパイからは雲竜組幹部で世話係の朱虎サンの電話番号、環サンからは兄貴の岩下蓮司サンの電話番号を聞き出せたらクリア。期限は一か月」
「朱虎の……」
「ま、朱虎サンの方は向こうから名刺くれたからラッキーだったけどね。環サンはガード鉄壁すぎて、どんなアプローチしても全然届かねーの」
腕組みしたままの環が「なるほどな」と呟いた。
「――私に兄がいると言い当てて見せたのもアプローチとやらか」
「えっ? あ、そっか、風間君は最初から環にお兄さんがいるって知ってたんだ! じゃあ、『ちょっと話したら相手に兄弟がいるかどうかわかる』っていうのもウソ!?」
「まるっきりウソじゃねーけどな。なーんとなくなら分かるぜ、そんなバチッと当たんねーけど」
「へー……本当にすごいねえ、風間君。あたしの知らない世界って感じ」
あたしは感嘆のため息を漏らして、ふと首を傾げた。
「あれ? でも、そのテストのこと……、あたしたちに話しちゃっていいの?」
「ダメに決まってんじゃん」
風間君はさらりと言った。
「ターゲットに目的がバレたらアウトっしょ、フツー」
「だよね!? え、どうすんの風間君!?」
あたしは慌てて立ち上がった。
「どうしよう、テストってもう一度受けられたりするの? あ、あたしたちに話したことがお父さんにバレなかったらまだチャンスあるかも……盗聴器とかないよね、この部屋?」
「落ち着け、志麻」
焦って盗聴器を探そうとしたところで環に止められた。風間君が呆れたような顔であたしを見て、息を吐く。
「なんつーか……ここって一応怒られるところだと思ってたんだけど。だましたのね、とか。俺のテストの心配とかしてる場合じゃ無くね?」
「え? や、ビックリはしたけど別に怒りはしないよ。むしろ、風間君がなんで文芸部に入部してくれたのかって謎が解けてすっきりしたし」
「すっきり……」
「うん、あたしって家のこともあって中学ではすごい避けられてたからさ。部活でわいわいとか後輩の存在とか憧れてて」
あたしは部室を見回した。狭くて何もないけど、校内で一番落ち着く場所。
「あたしは風間君が入部してくれて楽しいし、今もすごく頼りになるし……だから、別に怒りはしないよ。ていうか、あたしに出来ることがあるならやってあげたいと思うんだけど」
「……フーン。志麻センパイってお人好しって言われたことあるっしょ」
風間君はちょっとぶっきらぼうに言うと、フンと鼻を鳴らした。
「もういいよ。どうせあれこれやったせいで環サンには結構バレてたし。その時点でアウトだって」
「でも……」
「テスト期限も明日だったから、こりゃ無理だなって思ってたからさ。……しゃーねーっしょ」
さばさばと言い切る風間君に、罪悪感が煽られる。
だって、風間君がいろいろと探偵スキルを使ってくれたのはあたしを助けるためで、つまり風間君のテストが失敗したのはあたしのせいだ。
「風間君……」
「気に入らんな」
不意に環が口を開いた。冷たく叩きつけるみたいな言い方に、風間君の顔がこわばった。
「まったく気に入らん。風間、君は何を考えている」
ピリッとした空気が環から流れている。前に蓮司さんに対して環が激怒した時のことを思い出して、あたしは思わず背筋が伸びた。
「た、環? そんなに怒らなくても……」
「この期に及んでテストの成功を諦めるとは愚かの極みだな。それでいいのか」
風間君はぽかんとした。
「えっ……や、でも今の話聞いたろ。時間もねえし、もう無理……」
環はスマホを取り出すと、タップしてから風間君へ差し出した。
「兄の電話番号だ」
「えっ……えっ?」
風間君があっけにとられている。今日の風間君は初めて尽くしだ。
「これでテストクリアだな、はやく父上に報告しろ。時間がないのだろう」
「あっいや……でも、今、全部話しちまったからテストは」
「君の父上はテストの条件に『テストのことをターゲットに漏らしてはいけない』と言ったのか?」
環は静かに言った。
「いや、言われてはいねーけどさ。そんなの当たり前……」
「言ってないならルール違反ではない。君は私を通じて、岩下蓮司の連絡先を手に入れた。そうだな?」
「……そう、だけど」
「君は文芸部の部員だ。部長は部員のフォローをするのが務めだからな」
「や、でも」
不意に机に置かれた風間君のスマホが鳴った。
風間君がぎょっとしたように口を閉じる。
短く一度コールしたあとで、勝手に通話がスピーカーモードでつながった。
『――合格です、小太郎君』
あたしの頭の中をサッカーボールとパイプを持った巻きひげの紳士が駆け抜けた。いろいろ混じってる。
「志麻センパイ、言っとくけど現実の探偵は殺人の真相を暴くとかしねーから」
風間君はあたしを呆れた目で見た。
「親父は『依頼さえあれば一個人から大企業まで、どこにでも入り込んでどれだけ重要な機密でも必ず探り当てる』ってのがウリでさ。今まで一度も失敗したことねーの、失敗しない男ってやつ。事務所も持たないで完全フリーなんだけど、口コミだけで依頼がハンパねえんだわ」
「へえ、なんかカッコいいね! 伝説のスパイみたい」
「みたい、じゃなくてほぼそのものだろう。……では、君の器用さは御父上譲り、というわけか」
環の言葉に風間くんは肩をすくめた。
「まーね。変装術だの尾行術だのスリの技だのクラッキング技術だの、ガキの頃から親父にはいろいろ仕込まれててさ。中学くらいからは時々仕事手伝ってバイト料貰ったりして」
「英才教育のたまものだな。お父上に感謝するといい」
「ジョーダンやめてくれよ、マジで頭おかしいんだぜあの人。法律何それおいしいのってレベル。わけわかんねえ人脈とかめちゃくちゃ広いし、妙に知識豊富だし」
顔はしかめながらも、お父さんの話をしている風間君はどことなく楽しそうだった。
知り合って初めて、風間くんが年下の男の子に見えた気がした。何だか、可愛い。
「風間君って、お父さんのこと大好きなんだねえ」
「はあ!? 親が好きとか幼稚園児かよ、マジ勘弁」
風間君は決まりが悪そうな顔になって、咳払いした。
「で、だ。……高校入学の時に、親父がいきなり俺をテストするって言い出したんだ。もしクリア出来たら、一人前と認めるって」
「すごい! 伝説のスパイに認められるテスト!」
何だかドキドキする。まるで漫画みたいな展開だ。
「そのテストってのが、親父指定のターゲットを通じて、関連人物の連絡先を探り出す……っつうもんだったわけ。で、親父が提示したターゲットってのがあんたら二人だったんだ」
「えっ、あたし達?」
「そ、有名なヤクザの家の娘と法曹界の名門の家の娘。うちの学校でもトップクラスで目立つ二人だよ、あんたら」
風間君は頷くと、あたしと環を交互に指さした。
「志麻センパイからは雲竜組幹部で世話係の朱虎サンの電話番号、環サンからは兄貴の岩下蓮司サンの電話番号を聞き出せたらクリア。期限は一か月」
「朱虎の……」
「ま、朱虎サンの方は向こうから名刺くれたからラッキーだったけどね。環サンはガード鉄壁すぎて、どんなアプローチしても全然届かねーの」
腕組みしたままの環が「なるほどな」と呟いた。
「――私に兄がいると言い当てて見せたのもアプローチとやらか」
「えっ? あ、そっか、風間君は最初から環にお兄さんがいるって知ってたんだ! じゃあ、『ちょっと話したら相手に兄弟がいるかどうかわかる』っていうのもウソ!?」
「まるっきりウソじゃねーけどな。なーんとなくなら分かるぜ、そんなバチッと当たんねーけど」
「へー……本当にすごいねえ、風間君。あたしの知らない世界って感じ」
あたしは感嘆のため息を漏らして、ふと首を傾げた。
「あれ? でも、そのテストのこと……、あたしたちに話しちゃっていいの?」
「ダメに決まってんじゃん」
風間君はさらりと言った。
「ターゲットに目的がバレたらアウトっしょ、フツー」
「だよね!? え、どうすんの風間君!?」
あたしは慌てて立ち上がった。
「どうしよう、テストってもう一度受けられたりするの? あ、あたしたちに話したことがお父さんにバレなかったらまだチャンスあるかも……盗聴器とかないよね、この部屋?」
「落ち着け、志麻」
焦って盗聴器を探そうとしたところで環に止められた。風間君が呆れたような顔であたしを見て、息を吐く。
「なんつーか……ここって一応怒られるところだと思ってたんだけど。だましたのね、とか。俺のテストの心配とかしてる場合じゃ無くね?」
「え? や、ビックリはしたけど別に怒りはしないよ。むしろ、風間君がなんで文芸部に入部してくれたのかって謎が解けてすっきりしたし」
「すっきり……」
「うん、あたしって家のこともあって中学ではすごい避けられてたからさ。部活でわいわいとか後輩の存在とか憧れてて」
あたしは部室を見回した。狭くて何もないけど、校内で一番落ち着く場所。
「あたしは風間君が入部してくれて楽しいし、今もすごく頼りになるし……だから、別に怒りはしないよ。ていうか、あたしに出来ることがあるならやってあげたいと思うんだけど」
「……フーン。志麻センパイってお人好しって言われたことあるっしょ」
風間君はちょっとぶっきらぼうに言うと、フンと鼻を鳴らした。
「もういいよ。どうせあれこれやったせいで環サンには結構バレてたし。その時点でアウトだって」
「でも……」
「テスト期限も明日だったから、こりゃ無理だなって思ってたからさ。……しゃーねーっしょ」
さばさばと言い切る風間君に、罪悪感が煽られる。
だって、風間君がいろいろと探偵スキルを使ってくれたのはあたしを助けるためで、つまり風間君のテストが失敗したのはあたしのせいだ。
「風間君……」
「気に入らんな」
不意に環が口を開いた。冷たく叩きつけるみたいな言い方に、風間君の顔がこわばった。
「まったく気に入らん。風間、君は何を考えている」
ピリッとした空気が環から流れている。前に蓮司さんに対して環が激怒した時のことを思い出して、あたしは思わず背筋が伸びた。
「た、環? そんなに怒らなくても……」
「この期に及んでテストの成功を諦めるとは愚かの極みだな。それでいいのか」
風間君はぽかんとした。
「えっ……や、でも今の話聞いたろ。時間もねえし、もう無理……」
環はスマホを取り出すと、タップしてから風間君へ差し出した。
「兄の電話番号だ」
「えっ……えっ?」
風間君があっけにとられている。今日の風間君は初めて尽くしだ。
「これでテストクリアだな、はやく父上に報告しろ。時間がないのだろう」
「あっいや……でも、今、全部話しちまったからテストは」
「君の父上はテストの条件に『テストのことをターゲットに漏らしてはいけない』と言ったのか?」
環は静かに言った。
「いや、言われてはいねーけどさ。そんなの当たり前……」
「言ってないならルール違反ではない。君は私を通じて、岩下蓮司の連絡先を手に入れた。そうだな?」
「……そう、だけど」
「君は文芸部の部員だ。部長は部員のフォローをするのが務めだからな」
「や、でも」
不意に机に置かれた風間君のスマホが鳴った。
風間君がぎょっとしたように口を閉じる。
短く一度コールしたあとで、勝手に通話がスピーカーモードでつながった。
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